クレイジータンク通信 vol.188 『生成AI台頭時代における企業の研修はどう変わるか』
◆クレイジータンク通信 vol.188◆
関東では、2月にしては異常なあたたかさが続いています。この異常な気候、気象問題については憂いを感じつつも、個人でできることは微々たるもので、時々無力感を覚えてしまいます。それでもできることを探しながら生活していかないといけませんね。
さて、今週の通信では、現在、クレイジータンクで企業向けの研修や人材育成などの依頼をお受けしていますが、AIが台頭する時代には求められる企業研修はどう変化していくか、するべきか、について書いてみたいと思います。
ぜひ、ご一読ください。
【生成AI台頭時代における企業の研修はどう変わるか】
先週、千葉県では週休3日制度が検討されていることが発表されましたが、働き方改革があらゆる場面で叫ばれるようになって数年。皆さんの職場や働き方における感覚値と、社会が現在向かっている方向性は、フィットしていると感じていますでしょうか。
直近、私たちクレイジータンクが関わる企業様の若手の社員の方から、
というお話を聞きました。
逆に、別企業様では、マネジメント職の立場の方からは、本当は若手にもっと伝えたいことがあるけれど、色んなことを言うとパワハラになり難しい時代だ、ともお聞きしました。
時代や社会の流れによって枠組みされていく制度の中で、窮屈な思いをしている人が実は多いのではないか、と最近より感じるようになっています。
それは、少なからず、生成AIの登場により、紀元前・紀元後と後に語られるような時代の大きな節目に、今、あると感じているからです。
クレイジータンクでは生成AIの本格的な登場(2022年11月chatGPTの登場をそれと設定しています)の前より、研修や人材育成を依頼いただく企業様に対し、
・これまでの既視感ある机上の研修では意味がないこと
・情報提供や情報をまとめレクチャーする研修では意味がないこと
・企業様ごとに取り組むべきことは違うこと(オーダーメイドでないと意味がないこと)
・社員の方々が主体的に社内で「動く」形を創り、新しい事業の種を創出し続けていくことが企業の存続に不可欠だということ
をお伝えしてきました。
これまでの企業研修は、普段の業務において必要となる知識や情報をインプットする場として設定していたり、普段の業務の延長線上にありました。
しかし生成AIが登場すれば、情報提供、机上での学習は、専門分野の方がいなくとも、AIがある程度やれてしまう状態が生まれてきます。「こういう資料にまとめて」と指示をすれば、これまで多額の費用を払って取得していたまとめの資料をわずか数秒で手に入れることだって出来るようになってしまっています。
そうはいっても、今現在は「まだ」、それらを専門的観点からまとめ分析して情報提供する、というニーズは残っていると思いますが、今後すこしずつAIの活用に慣れた所属社員の方々のほうから「この情報はすでにAIに聞いてまとめてもらってたからわざわざ研修に出て聞くほどでもなかった」という感想が出てくるようになるでしょう。
そうなる未来を想定したときに、各企業がこれまでのように研修提供する会社へ費用をわざわざ支払って依頼する理由が残っていくか、と考えると答えは明白です。
では、研修は必要なくなるか?というとそうでもありません。
生成AI台頭時代には、より、企業や社員の方々は「どうすればよいのか」と悩むことが多くなり、この悩みに対する解の提供こそが、今後企業にとって求められる研修になっていくだろうと考えます。
しかし、この解は、決してフォーマットとしては存在せず、各企業様ごとにオーダーメイドで出していかなくてはならないものですし、解はわかろうともそれを実行、遂行するのには時間と労力が相当かかってきます。
生成AIにはできないオリジナリティがあること、その企業様に所属する社員の方々でないとできないこと、他企業や外部の方々から(生成AIがあっても)「あなたの企業にお願いしたい」と言われるものを作っていくこと、になるため、それは1日や数日、座って聞いて終わる研修であるはずがありません。
クレイジータンクでは企業様ごとに必要だと感じたことを踏まえて、
人材育成ボードゲームや暗号資産ゲームを開発したり、ともに動きながらプロジェクトやイベントを企画運営したり、自分たちが実験台となって手と足を動かしたうえで抽出した生の情報をお伝えしたり(これはインターネット上には掲載しないもの:AIに学ばれないもの)
etc…を提供します。さらに、これは常に変化させます。ゲームを開発したら研修ゲームとしてプロダクト化してそれを売ろう!と言った「フォーマット化」はしません。その企業様ごと、そして時代ごと、状況ごとに、必要なものは変化するからです。
※こちらも併せてご一読ください。
研修は、その企業様が「本当に」必要とするものの提供が、今後より求められるようになるでしょう。そしてその必要なものは、常に社会の変化とともに変化をしていくスピードとフレキシブルさを持っていないといけませんし、研修そのものにも独自性やオリジナリティが求められるようになっていくと考えています。
さらに、オリジナリティは学習するものなのではなく、自らが動きながら試行錯誤を繰り返して創出していくものです。もちろん短期間で生まれるオリジナリティはありません。
だからこそ、研修を提供する(依頼を受ける)企業は、専門的情報をまとめて提供するのではなく、まずは自分たちの会社と社員が常に自社のオリジナリティを模索しながら動き続け、AIからは聞き出せない分野を所持しながら、クライアント企業様の事業や社員の皆さんの成長に、短期間ではなく、長期にわたってコミットしながら伴走することが求められる時代に入っていると考えています。
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