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ダイの大冒険 インフィニティストラッシュ 体験レポート

余はこの3本目のゲームを買う、よいな!

2019年の発表から約4年、ついに発売された『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 インフィニティストラッシュ』。約30年前に完結した原作のアニメ化に伴い、第一弾の業務用ゲーム『クロスブレイド』、第二弾のスマートフォン用タイトル『魂の絆』、そして第三弾となるこの家庭用ゲーム機向け『インフィニティストラッシュ』と、多岐に渡って展開する戦略のうちの一つ。原作リアタイ世代からは特に注目されていたのがこのゲームではないだろうか。私も心待ちにしていた1人として、発売直後に購入。体験レポートを作成したい気持ちになった。購入を検討している方の参考になることを・・・。

尚、筆者の個人的感情により、掲載画像にはかなり偏りがあること、レビューは全体的に暗黒闘気に満ちていることを先にお詫びしておく。

インフィニティストラッシュとは?

まずはこのゲームについておさらい。公式サイトによると、このインフィニティストラッシュ(以下、インフィニティ)は「コミック累計発行部数4,700万部を記録する超大作をアニメ化した「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のアクションRPGとのこと。ダイの大冒険といえばキャラクター、ストーリー、ドラゴンクエスト(以下、ドラクエ)風味の技や武具など、非常に練り込まれた世界観が多くの支持を得ている。その世界観を最新のゲーム機で楽しめるとあって、期待しないわけにはいかない。

ゲーム発表時には数枚のプレイ画像が公開された。そこには広大なフィールドを駆け回るダイ、アバン、レオナなどのメインキャラや、ドラクエに登場するモンスターも多数確認できた。

しかし、元々発売が予定されていた2021年末になって「グラフィックの向上を理由に無期延期」とのアナウンスが。そんなに酷いクラフィックではない気もしたが、より良くなるならばいつまででも待とうと思ったファンも多いことだろう。そう思っていた時期が、私にもありました。

待望の家庭用ゲーム機版 ダイの大冒険



多数の魅力的なキャラクターたち

原作が存在する以上、このインフィニティストラッシュはいわゆる『キャラゲー』の枠に入る。キャラゲーの醍醐味といえばなんと言っても自分の推しを自由に操作できることだ。

言うまでもないが、ダイの大冒険には敵味方問わず魅力的なキャラが多数登場する。

のちに伝説の竜の騎士であることが判明し、過酷な運命に立ち向かう小さな勇者ダイ。
臆病で逃げ腰だった普通の少年が、冒険を通じて大きく成長し多くの読者を惹きつけた魔法使いポップ。
先の大戦の勇者一行メンバーを両親に持つ戦いのサラブレッドにして、聖母で慈愛の天使と称される武闘家マァム。
一度は悪の道に走ったものの、アバンの使徒の一番弟子としてその使命を全うし贖罪の道を歩む不死身の男・ヒュンケル。

そして・・・

『小さな勇者・ダイ』というサブタイのセンス
その成長が多くの人を惹きつけたポップ
可愛いとしか言いようがないマァム(可愛い)
溶岩も竜魔人も彼の命を奪うことは不可能


いや、ここまでなのである。操作できるのはこの4人だけ。下手をすれば総勢100名くらいのキャラがいるこの物語で、操作できるのは、たったの4人・・・。

敵として登場し、後に仲間となるクロコダインやラーハルトでさえ、ゲーム内にデータはあるにも関わらず操作はできないのである。

そりゃ、ぐぬうっ!?って言う


物語の重要人物である大勇者アバン、パプニカの姫レオナなどは恐らく3Dで起こされてすらいないし、今のところはDLCなどの可能性も示唆されていない。前述した『無期延期』の前に公開されていた試作段階の画面にはアバンもレオナも映っており、両キャラのファンからは落胆の声が出ているとか。コレらのキャラのファンの期待を代償にするほどの画質向上なのかと問われたら・・・疑問である。犬死にだ。

ご存知の通り、クロコダインとレオナの不在はストーリーにも大きな影響がある。作中屈指の戦闘シーンとして名高いバラン編では、攻撃を引き受けるタンク役のクロコダインと、回復役のレオナ姫が重要なキーパーソンとなっている。しかし、彼らが戦闘に出てくることはない。その結果、最強の生物とも言えるバラン相手に戦術は『ひたすら回避』・・・回復手段は『薬草』と『フィールドに転がっている樽を破壊して出てくる物体』だけである。とんでもない世界観だ。

薬草を食いながら最強の生物に挑むポップ


操作可能な4人の中に『推し』がいれば、それだけで買う価値はあるかもしれない。しかし、ダイの大冒険の豊富なキャラクターたちを満遍なく操作することに期待する人にはオススメするのを躊躇してしまう。

推しを操れる幸せ、それだけがこのゲームの価値



2つのモード

このインフィニティストラッシュには、大きく分けて2つのモードがある。

一つ目は、原作の物語を追体験できる『ストーリーモード』。7年以上にもわたって連載された不朽の名作をゲームで体感できる。あのハドラーが消滅する感動的なシーンや、閃光のように!などの名シーンはどのように再現されてるかな?親衛騎団との対戦相手を自由に選べたりするかな?ボラホーンと、ヒュンケル曰く彼の倍の腕力であるマァムちゃんとの力比べはできるかな?などなど、原作追体験やifに期待に胸膨らませるには十分なモードである。

しかし・・・である。このストーリーモード、アニメ全100話中の半分にも満たない41話までしかない。41話というと、ダイが出来たてホヤホヤの「ダイの剣」で鬼岩城を撃破する回。敵の機動要塞をあっさりスクラップにしたという印象的なシーンではあるが、強敵との戦いでもなく、涙を誘う感動的なシーンでもなく、物語的には大きな節目でもなんでもないシーンである。なぜこの回をラストにしたのか?その理由は執筆段階では全く語られていない・・・。てっきりその少し後の超魔生物ハドラー初戦くらいまで描き、旧作アニメのようにオリジナルのエンディングになると思ったが。

まさかのラスボス昇進を果たした鬼岩城さん



ストーリーモードの真相

ストーリーモード第1章開始。唐突に流れる静止画と、添えられる櫻井孝宏のナレーション。アニメ第1話から始まるのデルムリン島での冒険の数々が、超高速の紙芝居と、櫻井孝宏の語りとで次々と片付けられていく。ニセ勇者の悪事も、レオナとの出会いも、アバンの犠牲も、全てがアニメのキャプチャー画像&櫻井孝宏で表現されている。斬新すぎる。まさに紙芝居だ。コレが新しいダイの大冒険の表現なのか。

結局、デルムリン島のシーンでダイを操作できるのは火竜変化呪文(ドラゴラム)を使ったアバンとの戦いと、アバン退場後のハドラーとの戦いのみ。それ以外は全て紙芝居である。

朗読会は続く

こんな感じでストーリーモードは『ほとんど紙芝居。でもちょっとだけ3Dムービー』で進む。私はBlu-rayを持っているし、配信サービスにも加入しているので、紙芝居を敢えてゲーム機で見る必要性をまったく感じなかったので全てスキップした。このスキップ作業も何回かボタンを押さないといけなかったり、頭出しは出来るものの再生速度の変更などはできず、どうも勝手が悪い。

ちなみにデルムリン島シーンの3Dムービーは『アストロン解除〜竜の紋章発動』と『ハドラーをアバンストラッシュで撃退〜ポップ泣く』の2つのみ。
また、個人的に41話までの中で唯一楽しみにしていた37話においては『武闘家マァム登場シーン』と『ザムザ撃破シーン』のみ。いずれもPV等でよく目にしていたものだ。つまり、ムービーシーンは一部を除いてほとんど事前に公開されている、と言って差し支えないだろう。

事前公開されていないムービーは極小数



ストーリーの設定がよくわからない

そしてこのストーリーモード、なぜか中盤の『vs バラン(初戦)』から始まる。このバラン初戦ではダイが記憶を消されしてまうというショッキングな展開がある。その設定を逆手に取って、ストーリーモード=ダイの失われた記憶を辿る、という設定になっている。つまりFF10のように、特定の地点までは回想、それ以降は主人公たちが新たな体験を積んでいくという見せ方だ。なるほど、そういうゲーム特有の設定があればストーリーが途中まででも色々腑に落ちるのだろう。そう思っていた時期が、私にもありました。

この記憶を辿る、という設定、なぜかバラン戦の後半で記憶を取り戻した後も延々と続いていく。失った記憶の中に鬼岩城も含まれているわけである。一体いつ回想してるんだ?そもそも回想なのか?などの理由が最後まで判明しないままエンドロールを迎えてしまう・・・。

まるで企画段階で誰かが「回想ということにしたら?」と助言し、それを回収できないまま物語を締めてしまった感じだ。

消された記憶を辿るはずが…



記憶の神殿

もう一つのモードが『記憶の神殿』。とどのつまり、毎回ランダムに内容が変わる不思議なダンジョン、である。発売前のイベントや配信でも「ストーリーモードで敵が強すぎると感じたら、この記憶の神殿で鍛えてほしい」という類のコメントがあった。私はストーリーモードを終始『やさしい』でプレイしたためか、ラストまでレベルアップの必要性を感じなかった。

というか、この記憶の神殿、ストーリーモードの各キャラのレベルとシンクロしない。必ずレベル1からスタートするのである。それでは何のために開発者は「記憶の神殿で鍛えて」と言ったのか?答えは『絆の記憶』と呼ばれるキャラ強化アイテムを手に入れるためである。つまり、各キャラのレベルはシンクロしないが、記憶の神殿で入手した強化アイテムは持ち出しできるので、それで強化して、ということなのだろう。ハッキリ言ってめんどくさい・・・。

しかもこの絆の記憶、同じものを重複して持てないし、ランダム性も高いためコンプリートするためには膨大な作業が必要になる。絆の記憶は名シーンのモーションピクチャになっており、セリフも流れる。まぞっほなどのように、このためだけに声優を呼んで音声収録していると思われるキャラさえいる。しかし、それ何時間もかけてメッチャ集めたいか?と言われると、記憶の神殿の難易度も手伝ってあまりやる気が出ないのである。

ただし、推しの『絆の記憶』だけは別格



記憶の神殿に挑む真の理由

ではこの記憶の神殿に挑む理由は何なのか?実はこの記憶の神殿には、このゲームの重要な要素が2つ潜んでいる。一つはポップの必殺技・メドローアの習得。もう一つは事実上の隠しボスである老バーンとの戦闘である。メドローアは地下15階、老バーンとの戦闘は地下21階とのこと。しかしそこまで辿り着くにはかなりの難易度を誇るダンジョンを突破していかなければならない。

私は現在プレイ時間73時間、ストーリーモードで各キャラLv.70を超えるやり込み具合だが、この記憶の神殿は地下10階にも到達できない。大抵がその直前に遭遇する『ばくだんいわ』の集団が次々と放ってくるメガンテで爆死させられる。

また、この記憶の神殿、全滅したら取得アイテムは全て消えてLv.1からやり直しになる。様々なゲームをやり込んでいるゲーマーならまだしも、ゲームにあまり馴染みのないダイの大冒険ファンは、老バーンはおろかメドローアの習得すら絶望的だろう。

・・・と、酷評してしまったが、私はストーリーモードよりも、長時間自分でキャラを操作できるという観点から、記憶の神殿の方がマシと感じる。それだけストーリーモードはゲームとしての面白さがない。

ゲーマーでないファンには手に負えなそう



アクションRPGの真髄

アクションRPGをうたうインフィニティストラッシュを、ゲームの視点で見てみよう。

まず、RPGと言っても剣や盾などの装備品は一切ない。前述の『絆の記憶』と呼ばれるステータスアップアイテムを付けてキャラを強化する。当然、装備品によるグラフィックの変化はない。グラフィックの変更は、DLCまたはゲーム内で手に入る各種衣装でのみ可能だ。今後の追加衣装の配信の可能性は言及されていないが、このゲームの仕上がり、販促状況、期待される売上から、個人的には絶望視している。

ダイの大冒険には、魅力的な技や呪文が多数登場する。このゲームでもそれらの多くが再現されており、見どころの一つと言えるだろう。アバンストラッシュ、メラゾーマ、閃華裂光拳、ブラッディースクライドなどの大技はもちろん、大地斬、ギラなど小規模ながら作中印象的なスキルはどれも一度試してみたくなる。

武闘家マァムの必殺技・閃華裂光拳

個人的には、僧侶戦士マァムのアクションが非常に楽しい。魔弾銃に弾をリロードする仕組みのため、他のキャラと違いチャージタイム(技を再度使うための待ち時間)が発生しない。当然、リロード時は隙だらけになるが、それでも技を連発できる楽しみは大きい。

僧侶戦士マァムの必殺技は魔弾銃:ヒャダルコ



操作性に難あり

各キャラの装備品やスキルの設定を行う編成画面の操作性、ユーザーインターフェースは最悪と言ってもいい。

上下左右にカーソルを動かしたり、LRでキャラを切り替えたりする際、大抵は思った方向へ動いてくれない。キャラを変えたいのにカーソルが別のところへ移動したり、移動したカーソルを元の位置へ戻すことができないなど、細かいながらも致命的なものばかりだ。これはストーリーモードと記憶の神殿とでキャラ設定の際に表示されるメニューが異なるため発生しているのだが、そこに手を加えていないのだろう。特にX/A/Rボタンに割り当てるスキルの設定は、何度やっても思った通りにならず、考えながら設定を行う必要があった。

カーソルの位置がどこにあるのかも分かりづらく、編集中なのに誤って出撃してしまうこともしばしば・・・つまり全く直感的に操作ができないのである。複数人でテストプレイすればまず誰かが声を上げるような気がするが。なぜこんな仕様にしたのかが理解できない。

未だかつてないほど不快な設定画面



戦闘中の操作感

戦闘中の操作にも厳しい点が目立つ。

まず最初に気になったのが、ZLボタンとZRボタン。Switch本体は当然左指側がZL、右指側がZRだが、画面にはこれが逆に表示されている。つまり、画面左側にZR、右側にZL(と言っても画面中央だが)なのだ。デフォルトではZRは必殺技、ZLは特殊スキルの発動となっている。ダイで言えばZRで竜の紋章発動、ZLでアバンストラッシュ、という感じだ。紋章発動→アバンストラッシュを決めようとしているのに、紋章解放せず先にストラッシュしてしまうこと多数。

ゲームは目と耳で情報を捉え、瞬時に判断し、指でアクションをとるわけだが、視覚と触覚の情報が揃っていないというのはタイムラグを生むか、誤作動を引き起こす要因になる。

設定を変更し、ZL/ZRを入れ替えた


戦闘フィールドの多くは狭く、かつ、モンスターは操作キャラより大きいことがほとんど。画面端に追いやられると、操作キャラが完全に見えなくなってしまう。そうなると攻撃か回避のボタンを連打するしかない。まさか令和になってファイナルファイトより酷い集団リンチを体験するとは思わなかった。

ちなみに登場するドラクエオリジナルモンスターもかなり数が少ない。敵の攻撃パターンも単調で殆ど打撃、特殊な攻撃は毒くらいとバリエーションはかなり乏しい。

マァムちゃんがどこにいるか、お分かりだろうか?
ダイがどこにいるか、お分かりだろうか?


モーションが大きい、または多段ヒットするスキルも使用する際は要注意だ。というのも、モーション中や多段攻撃ヒット中に敵の攻撃を受けると、途中でキャンセルされてしまう。技の起動または発動中の無敵時間が設定されていないのだろう。マァムのコンボ技、武神乱舞などは、たかがスライムにキャンセルされがっかりすることもある。

また、技の起動モーションが大きいスキル、ダイの火炎大地斬や魔槍ヒュンケルのブラッディースクライドなどは、同じく発動の際の無敵時間がないため、一対多数の時にはほぼ使用不可。

一方で、敵の攻撃モーションは、こちらの攻撃でキャンセルされることはない。きちんと無敵時間が設定されているのだ。一度振りかぶった攻撃は必ず発動し味方を確実に直撃する。なにこの不平等?

複数の敵相手に、多段ヒットを全て当てるのは困難



ゲームの難易度

ゲームの難易度についてもかなり疑問が残る。ストーリーモードの難易度は『普通』と『やさしい』があり、やさしいを選んでも特にペナルティもないため、特定のキャラを早く入手して操作したい人などは『やさしい』を選択して進めるのがいいだろう。この難易度設定はストーリーモードにのみ有効で、チャレンジモードと記憶の神殿には効果がない。記憶の神殿は下層へ行くたびに強くなる印象だが、この強さを変更することはできないのである。つまり前述の『ばくだんいわ』の集団メガンテの威力を、システムレベルで弱めることはできないのである。

また、ボスと再戦できるチャレンジモードは、レベルよりも操作テクニックが求められる。また、どんなに急いでも1人撃破まで数10分はかかる。なにより、ゲームそのものに精通していないと1人も倒せないという鬼畜調整だ。

キャラゲーなのに、ここまで『死にゲー』にチューニングする必要があるのだろうか?長く遊べるゲームの意味を勘違いしてないだろうか?ファンはまさに『戦うのが好きなんじゃねぇ、勝つのが好きなんだよぉー!』だろう。

記憶の神殿は、難易度設定不可



その他

発売前のメーカー公式配信では『ボイスは全て新規収録』とのことだった。しかし、どう聴いても『魂の絆』からの流用と思わしき音声データが多数あるように思えてならない。声優が如何にプロとはいえ、尺やイントネーションを全く同じに聞こえるレベルで再収録できるものなのだろうか?幸い、一部の魂の絆のデータが残っているので、いずれどこかで検証してみたい。

また、こちらも『魂の絆』という存在が大きいのだが、本ゲームででくる設定やアイテムにやたらと『魂』『絆』『記憶』という言葉が使われており、どれがどれだかわからなくなる。装備品や強化アイテムなど、ゲームの構成要素もスマホタイトル並みに複雑だ。もう少しメインターゲットとなる客層のことを考えシンプルにすべきだったのでは?

どこかで聞いたことのある音声…な気がするが



・・・お勧めポイント?

全体的に不満ばかりだが、良い面がないわけでもない。一番の売りはやはりキャラを自由に操れること。私は30年以上愛して止まないマァムちゃんをグリグリできるというだけでこのゲームに唯一無二の価値を感じている。そして、マァムは僧侶戦士、武闘家両方で、特にストレスを感じることない滑らかな動きに仕上がっている。

推しを眺められるという点も魅力的だ。設定画面ではポージングこそ固定となるが、ズームや回転が可能。様々な角度から見る推しの姿は、観賞用としてはもちろん、絵を描く私にとってこの上ない資料だ。クエスト中でも思わぬ角度から眺めることで、推しの新たな一面を見られるかもしれない。

様々なアングルで推しを鑑賞できるぞ


また、どのキャラも原作やアニメで見せた動きがコッソリ仕込まれていることがある。

例えば、魔剣装備のヒュンケルが使うグランドクルスは、幼少時にアバンが手本として見せた闘気技を模している。原作でもアニメでもこのようなシーンはないが、ファンなら確実に気づくだろう。

マァムは通常攻撃時にタイミングよくボタンを押すと馴染みのある動きを見せる。僧侶戦士のときにはライオンヘッドを撃退した、ハンマースピアのフルスイング。武闘家なら、アニメ37話のザムザ戦で見せた『かかと落とし』を彷彿とさせる脚技に変化する。

ライオンヘッドに食らわせたい、フルスイング

あとは・・・あとは・・・パッと思い浮かばないというのが正直なところだ。


総括

私見だが、ダイの大冒険を愛するファンの方々は非常に心優しく、このゲームも『ダイの大冒険関連商品が出ること自体奇跡』とポジティブに捉えている人も多い。その気持ちは私にもあるし、マァムちゃんをこの手で操れる日が来るとは夢にも思わなかった。この点には素直に感謝したい。

しかし、ゲームとして、商品として、これがメインターゲットとなる客層からきちんと評価されるものなのか?ファンが望むものはコレだったのか?の検討・検証がなされているとは到底思えない。グラフィックの向上を理由に見送られた機能やキャラは、果たしてこの程度の画像品質向上のために捨ててよかったのだろうか?

申し上げにくいがこれではセールスは期待できないし、開発費などを考えればDLCや物語の完結までを続編等で補完することは不可能だろう。そのこと自体は期待もしていないのだが、いちばんの懸念は、このゲームの結果、素晴らしい原作にまで酷評が及んでしまうことだ。

幸い、現時点では恐ろしいくらい酷評は少ない。もちろんあるにはあるのだが、このゲーム自体の話題が驚くほど少ないのだ。ゲームの話題を最小限にすることが、発売日に公開された『プロモーション動画』の目的ならば、とんでもないマーケティングである。

願わくばこのまま良い点も悪い点も話題にならず、私のような一部のファンが満足する部分声だけが残り、原作やアニメの評価を下げることがないことを願いたい。

何に価値を見出すか?が大切

インフィニティストラッシュ ドラゴンクエスト ダイの大冒険(重い)
公式サイト: https://www.dqdai-is.com

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