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UFC275 注目の3試合

UFC275が現地時間の6月11日に開催される。

メインイベントはライトヘビー級のタイトルマッチ
グローバー・テイシェイラ(C)VSイリー・プロハースカ(2)

セミメインは女子フライ級のタイトルマッチ
ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(C)VSタイラ・サントス(4)

そしてメインカード注目のリマッチ
ジャン・ウェイリー(2)VSヨアナ・イェンドジェイチェク

明日のイベントに向けて上記の3試合を一格闘技ファンの目線で予想していきたいと思う。

かつての激闘再び?

元ストロー級王者のジャン・ウェイリーはローズ・ナマユナスに二度の負けを喫してベルトを失ってしまったが、そのポテンシャルは変わらずトップクラスにある。

強力なストライキングを武器とするウェイリーはナマユナスに負けるまでUFCでは負け無しのファイターだった。

そんな連勝街道の中にヨアナ・イェンドジェイチェクとの一戦はあった。

2020年の3月7日に行われたその試合は女子MMA界に残る激闘となり、ファイト・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。

試合は5ラウンドに渡る壮絶な殴り合いを僅かに制したウェイリーが2-1のスプリット判定で勝利し王座の防衛に成功している。

ヨアナはその試合からしばらくオクタゴンを離れ、今回が久しぶりの参戦になる。一方ウェイリーはキャリア初の連敗を喫した後の復帰戦となる。

予想としては試合を重ねているウェイリーが敗戦を糧にオクタゴン復帰のヨアナと再び殴り合いを行い、差をつける形で打ち負かすのではないかと思う。

成長と停滞が浮き彫りになったとしたら前回のような激闘にはならずにあっけなく終わってしまう可能性もあるかも知れない。

絶対王者の牙城を崩せるか?

女子フライ級の絶対王者ヴァレンティーナ・シェフチェンコ。ムエタイ仕込みの強力な打撃に加えて強靭な体幹が組みでの攻防で驚異的な強さを生み出している。

様々な局面で圧倒的な力量を見せるシェフチェンコは直近8試合を全勝し、その中には過去に敗れたリズ・カムーシェに対するリベンジも含まれている。

これでキャリアの中で負け越しているのは、女子最強の名を冠していたアマンダ・ヌネスだけになる。

対するタイラ・サントスは現在4連勝中で勢いに乗るファイター。過去の敗戦は一度だけ、ムエタイベースで打撃によるフィニッシュが多い。

ただシェフチェンコとサントスではやはり持っているスキルに差があるように感じる。

シェフチェンコは柔道・キックボクシング・ムエタイ・テコンドーなどを高いレベルで身に付けており、サンボやレスリングも経験している。

それに比べるとムエタイ・柔術青帯とサントスのスキルセットは心許ないところがある。また、直近の試合での勝利は判定によるものが多いが、シェフチェンコ相手に同様の試合コントロールを行うことは難しいだろう。

予想としてはアグレッシブに攻めるシェフチェンコを止めることが出来ずに打・倒・極の各局面で少しずつコントロールされ、シェフチェンコが王座の防衛に成功するのではないだろうか。

万が一サントスが女子PFP1位のシェフチェンコを脅かすことがあるとすれば、それはアクシデントのような何かから生まれる僅かなチャンスが訪れた時だけになるのだろうと思う。

RIZINから世界の頂へ

今回のナンバーシリーズUFC275のメインイベントはライトヘビーのタイトルマッチでRIZINでもベルトを巻いたイリー・プロハースカがUFCのタイトルに挑戦する。

チャンピオンのグローバー・テイシェイラはブラジリアン柔術に加えMMAのような総合的な実践格闘技を高いレベルで身に付けている42歳のタイトルホルダー。

年齢だけ聞くと一線で戦うには限界のように思えるが、そんな陰りを全く見せない戦いぶりで打撃・寝技の技術を用いて相手を制圧していく。

ただ、予想としてはプロハースカが新たなチャンピオンとしてベルトを巻くのではないかと思っている。

というのも良くも悪くもアグレシッブで力強いストライキングをするテイシェイラは効かせることが出来る分自分も被弾しやすい傾向にある。

その状況を考えると色んなパターンで殺傷能力の高い打撃を繰り出せるプロハースカの一撃を良くない形でもらってしまうのではないかと思う。

さらにその強打を決める当て勘もプロハースカにはあるので、仮に先にプロハースカが効かされたり、グランドコントロールをされラウンドを失ったとしても一発で試合をひっくり返せる可能性がある。そのことも加味して考えると勝率はややプロハースカが高いのではないかと思う。

テイシェイラがプロハースカを退けるにはやはり一本を取れる展開に持ち込むことではないかと思う。打撃からタックルに入ってケージに押し込んでテイクダウンを取り、いいポジションをテイシェイラが確保できたら極める可能性は十二分にある。

ただ、お互いに決定打に欠けラウンドが後ろに伸びていった場合、年齢を重ねているテイシェイラの動きの方が先に鈍くなっていくことが考えられる。そうなるとより打撃を被弾しやすくなってくると思うので、フィニッシュされる確率が大幅に上がることになると思う。

総合力と経験で言えばテイシェイラの方が上だと思うが、年齢と打撃の殺傷能力。そして多彩な戦術と当てる技術が高いプロハースカの方が攻防を先に制するのではないかという見立てからイリー・プロハースカがタイトルを獲得するのではないかと予想する。

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