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我が家を「グエル公園」みたいにしたい #4

コンクリの壁を削ってカーブに加工したら、カーブ部分にタイルを貼りたくなっちゃったので、ヤモリをもう1匹増やすことにして貼りはじめましたが

カーブ部分は9mm サイズじゃないと厳しく、想像以上に細かい仕事となりました。
裏側もキレイになるように、タイルをカットして貼りましたよ。

更に、普通に丸型だけで埋め尽くすのもつまらないので、違うタイルを入れ込もうと考えましてね。

それは、葉っぱ型のタイル。
これは、庭に置くブロック板に貼ったタイルと同じものです。

ヤモリの上に葉っぱがあるようにしたいので、丸型タイルを葉っぱ型タイルのラインに合わせてカットしながら貼っていき

こんな感じに仕上がりました。

ヤモリが2匹並んだ様子が、こちら ↓

葉っぱが良いアクセントになりましたね。
あとは、背景部分にタイルを貼っていくんですけど、ここはゆっくり作業するとして、一番長い壁 ↓ を先に進めていきたいと思います。

丸型タイルの上部分、「タイルを砕いてジグソーパズルのように当てはめながら貼り付けていく作業」に取りかかります。
この ↓ 約15mm 角のタイルを

ハンマーで砕いて

これをまずは、丸型タイルに沿って貼っていき

上方へ貼り進めます。

これを、ひたすら、やるだけ。
ジグソーパズルが大好きなので、この作業はすこぶる楽しいんですけど、非常〜に寒くてね。
太陽が出ている時はいいものの、雲で隠れた途端「さむ!」って感じで、一気に集中力が落ちるんです。
これじゃ全く仕事にならないので、ワークマンに防寒着を買いに行きましたよ。
これで、曇りの日でも安心して作業が出来ます。

雨の日以外は黙々と作業するわけですが、その最中たくさんの方が声をかけてくれます。
「ヤモリが出来上がりましたね」
「このタイル、珍しいわね。見たことないわ〜」
「細かいね〜。たいしたもんだ」
皆さん、よく見てます。

我が家は住宅街の中に位置していて、近所の人しか通らないような場所にあるので、顔を合わせる人がほぼ一緒なんですね。
通る度にちょいと進んでる、みたいな感じなんでしょう。
最近は当たり前のように「どうも〜」と挨拶を交わすようになりましたが、大半の方はどこぞの誰か存じ上げません。
ご自宅から目的地までの途中に我が家があるんだと思います。
今のご時世、見ず知らずの人とはあまり会話を交わさないのが普通になっていますから、通りがかりに声をかけてもらうのはとても有り難いことです。

そんな中、ひとりのバアちゃんがいきなり声をかけてきましてね。
「あなたは芸術家なの?」
「え〜っと、絵描きです。絵を描いたり、こういう造形もしたりしてます」
そう答えると
「やっぱりね。感性が素晴らしいわ。お庭の石も、小さいのと大きいのが分けて配置してあって、水辺のようでとっても美しいと思ってたの」
と、何十袋もの砂利をひたすら撒いて作ったグラベルガーデンを褒めてくれましてね。

更に、この壁↓を見て

「カーブが波打っていて、とってもキレイ。泡が上に上がっている感じで、動いて見えるわ。全体的に、流れる水のよう」と。
バアちゃん、あなたこそ素晴らしい感性ではありませんか。
こういうのが、ものすごく嬉しいんです。
ワタシの頭の中のイメージが伝わった瞬間、っていうか。
思わずニンマリしてしまうんですよね。
こっちが何も言わないのに鑑賞者がわかってくれて、オマケに感動して褒めてくれるなんて、表現者としては最高の喜びです。

そしてバアちゃんは、こうも言いました。
「孤独な作業よね。今のこの状況を褒めてくれる人は少ないだろうし、自分で自分を褒めてあげないとやってらんないわね」
おっしゃる通りでございます。
もう、未来のワタシがタイムスリップして見に来たんじゃないか?と思うくらい、ワタシの考えを口にしてくれるバアちゃんに、なんだか救われた気がしましたよ。

心に響いたんでしょうか。
「楽しみにしてるわ〜」と去って行くバアちゃんの後ろ姿を見ながら、ふと、いいことを思い付きましてね。
さっきバアちゃんが言っていた「泡が上に上がっている感じ」をより伝わるように表現してみようと、余っていた丸型タイルをバラして

いくつか散らばせてみました。

泡が上に上がっているように見えません?
横(波)の動きだけじゃなく、縦の動きが入ったことで、より一層動いて見えるんじゃないかと思います。

これも、バアちゃんのお言葉のおかげ。
頭の中のイメージが、どんどん形になってきました。

この後は「砕いて貼る」作業がしばらく続くので、だいぶ進んだところでまたお知らせしたいと思います。



2023年1月6日更新『我が家を「グエル公園」みたいにしたい #番外編』


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