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クセがスゴい

コロナ禍だからということではなく、だいぶ前から事務用品でも画材でも、購入する際にはネットショップを利用しています。
当たり前ですけど荷物は宅配便で届くわけで、ワタシが利用するサイトのほとんどは、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便(ゆうパック)のどれかで届きます。
最近は、宅配業者のサイト等でメンバー登録をすれば前もって配達希望日時を指定出来たりして、自分の予定に合わせて荷物を受け取れるので、家で仕事をしている人間にとっては本当に便利です。

どの宅配業者も配達時間帯の区切りは大体一緒ですが、午前配達(9時~12時)だとウチの場合、ヤマトは9時頃、ゆうパックは11時くらいに届くんですね。
配達の周り方が決まっているんだろうと想像がつきますが、おおよその目安がわかるので、こちらとしてもとても動きやすく助かっています。

配達員さんも基本同じですから、「ヤマト運輸で~す」とか「佐川急便で~す」とか、もう普通に生活の一部になってきている感がありますが、そんな中、この人だけはどうも慣れない、ものすごく気になる、っていう配達員さんがいましてね。
それが、ゆうパックのジイさん。
60代後半くらいでメガネをかけていて、声と喋り方が、キートン山田(ちびまる子ちゃんのナレーションをされていた方)にものすごく似てるんです。
インターホン越しの第一声は決まって「郵便局のゆうパックです。お荷物お届けに参りました~」で、玄関を開けると配達伝票が見えるように目線の高さに荷物を抱えて、スタンバっているわけですよ。
そして「アユミさん、〇〇からのお荷物です。受け取りのサインをお願いしま~す」と言って、「こちらです」と配達証の受領印欄を指差すんです。
ワタシがハンコを押すと、今度は住所部分を指差して「ご住所確認お願いします。〇丁目〇番地(←我が家の住所)。はい、ど~ぞ~」と声高に読み上げながら荷物を渡してくる、っていうのが一連の流れ。
住所確認が先じゃね?
もうちょい小さい声で良くね?
と、心の中でいつも囁くんですけど、この不思議なルーティーンは毎回行われています。
確認順序はともかく、「すこぶる丁寧」というのが率直な感想ですけどね。

ちょっと品が良さそうな雰囲気のキートン山田風味のジイさんですが、去り際がまた秀逸でして、ワタシが荷物を受け取り「ありがとうございま~す」と言うと、ジイさんはこう返してきます。
「ありゃ~とやんした~」
江戸っ子か?
そして小走りで去って行く、っていうね。

実に、クセがスゴい。

そんなクセスゴキートンジイさんの姿が、しばらく見えないことがあったんです。
やめてしまったか?
体調でも崩したか?
ジイさんだし、顔を見なくなると心配になるもんですね。
っていうのは建前で、代わりにやって来る配達員のオッさんが更にクセスゴですごく困っている、っていうのが本当のところなんですけどね。

我が家は二世帯で、表札が2つ、その横にそれぞれインターホンがついているんですけど、普通に考えて表札の横にあるインターホンを押しますよね?
1階に住んでいる母と、2階に住んでいるワタシの苗字は違うんです。
そのオッさん、ワタシ宛の荷物にもかかわらず、1階の母のインターホンを押しちゃうんですよ。
届く日はわかっているので、確実に受け取るためにワタシは自宅で待機しているわけです。
なのに、家にいない母側のインターホンを押して不在連絡票を入れるって何?って話ですよ。
2階からその様子が見えていたので、不在連絡票投函未遂で終わりましたけどね。

慌てて下に駆け下りたんです。
玄関を開けて「それ、2階宛の荷物ですよね?」と言うと、「は?」みたいな。
「すいませんけど、ウチは〇〇(←苗字)なんで、上のインターホン、こっちを押してください」と伝えると、「無言」。
更に次の週、また1階のインターホンを押したオッさん。
ポンコツか?
本当に困るので配達局に電話を入れようと手がのびましたが、「三度目の正直」と思ってここはガマンし、「キートンジイさん、カムバ~ック」と祈っていたわけです。

そして、久しぶりのゆうパックが届く日。
インターホンから聞こえてきたのは
「郵便局のゆうパックです。お荷物お届けに参りました~」

おかえりなさい。
これからも、どうぞよろしく。


みなさまのご支援に感謝します。