ラグビー:2021-2022プロ・対抗戦展望

※内容は薄いです。

ラグビープロリーグ・対抗戦について視覚的にひとまとめにしている記事がないので書いてみようと思い立ちました。

1.国別対抗戦

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北半球:シックスネーションズカップ
イングランド・スコットランド・ウェールズ・アイルランド・フランス・イタリアの6か国で行われる対抗戦です。
スポンサーはアイルランドのビールメーカー、ギネスが中心になっています。
2020年だけオータムネイションズカップと称してジョージアとフィジーが追加されました。

南半球:ザ・ラグビーチャンピオンシップ
SANZARが主催する国別対抗戦で、オーストラリア・ニュージーランド・南アフリカ・アルゼンチンが参加しています。2020年は南アフリカが不参加していますが、2021年以降はCovid-19次第ですが通常参加することになりそうです。
また、日本の参加が時々検討されている話を聞きますが、頭取が交代したので先はちょっと判断できません。

太平洋:パシフィック・ネーションズカップ
サモア・フィジー・トンガを中心に太平洋に面している国々が参加する対抗戦がありました。(主に日本・アメリカ合衆国・カナダ)
日本がTier1に上がったことで今後も日本が継続的に参戦するかは不透明ですが、Tier2のレベルアップのために今後も継続的に参加すべきという声も根強くある印象です。
フィジーが現時点では実質Tier1.5のような形ですし、サモア・トンガもピーク時は世界ランキング8-9位につけていたりするので、SANZARに吸収される可能性もありますね。

2.プロリーグ

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※上の図の見方
色付き:プロリーグのある国。 
グレー:アマチュアラグビーリーグはある国。(代表的なのがケニア・香港)

情報はやや古いですが、こちらのリンクで大体はわかります。コアな情報はいらないという人はこれで十分です。

また、Ultimate Rugbyというサイトでもう一歩踏み込んだ検索ができると思います。


以降の見出し・強調部分には頭にアイコンを付けているのでそれの見方を少し書いておきます。
◇・・・有名どころ。スポンサーもつきやすいので日本からでも視聴しやすい。
◆・・・国内対抗戦になっている所。

2-1.西欧(+南アフリカ)

◇イングランド:プレミアシップラグビー

イングランドのラグビー最高峰のリーグ戦はプレミアシップです。
ラグビーリーグ自体は5段階あり、
最高峰:プレミアシップラグビー
ティア2:RFUチャンピオンシップ
ティア3:ナショナルリーグ1
ティア4:ナショナルリーグ2(2リーグある)
ティア5:ナショナルリーグ3(4リーグある)
に分かれています。
上の最下位と下の最上位が入れ替わるようになっています。
現在プレミアシップラグビーにいるチームでもナショナルリーグ2や3から上り詰めてきたチームもいます。(例:エクセター・チーフス)

これだけチームがあって優勝が2003年から遠さがっているのも不思議なくらいです。2015年の予選敗退を経て、2019年、エディー・ジョーンズHCになってから強さを取り戻している印象です。(そうでもしないと協会内の内紛でまた弱くなる)

◇フランス:Top14

フランスのラグビー最高峰のリーグ戦はTop14です。2020年シーズンは松島選手がクレルモンに在籍しています。
ラグリーリーグ自体は4段階あり、
最高峰:Top 14
ティア2:Pro D2
ティア3:チャンピオナート・フェデラル・ナショナーレ
ティア4:フェデラーレ1(4プール制)
で構成されています。イングランド同様、下位チームと上位チームで入れ替えが発生します。

◇アイルランド・スコットランド・ウェールズ・イタリア・南アフリカ:Pro14

上記5地域から編成されるラグビーリーグです。立ち上がったのは2001年と割と最近です。各国ごとのチーム内訳は以下の通りです。

アイルランド:4チーム(レンスター・マンスター・コナート・アルスター)
スコットランド:2チーム(エディンバラ・グラスゴーウォリアーズ)
ウェールズ:4チーム(ドラゴンズ・オスプレイズ・スカーレッツ・カーディフブルーズ)
イタリア:2チーム(ベネトン・ゼブレ)
南アフリカ:
⇒2020年まで:2チーム(チーターズ・サザンキングス)
⇒2021年以降:4チーム(ブルズ・ライオンズ・シャークス・ストーマーズ)

スコットランドとアイルランドは1870年代からあるチームです。次いで、イタリアが1932年にベネトンが創設され、2003年にウェールズが4チーム立ち上げる形で出来上がっています。ただし、それぞれのプロ化のタイミングはバラバラでどこも元々は地域間でラグビー戦をやっていたアマチュアのチームでした。

南アフリカの4チームがスーパーラグビーから外れたのでそのままPRO14に参戦してきます。2021年はかなりレベルが上がりそうな予感がしますね。

◆イタリア:TOP12(TOP10とも)

イタリアではラグビー協会のサイトからプロリーグの記事を読むことができます。

◆南アフリカ:カリーカップ

カリーカップについては南アフリカのラグビー協会のホームページから見ることができます。

2-2.オセアニア

◇オーストラリア・ニュージーランド:スーパーラグビー

南半球のプロラグビー最高峰です。
北半球とは異なり、各国の地元のプロリーグがあるうえで、国境を越えてのラグビーリーグがあるイメージです。各国チームの内訳は下記の通りです。

オーストラリア:5チーム(ブランビーズ・ワラターズ・レッズ・レベルズ・フォース)
ニュージーランド:5チーム(クルセイダーズ・ハリケーンズ・ブルーズ・チーフス・ハイランダーズ)
※2022年以降:モアナパシフィカ(※本拠地は恐らくオークランド。ただしサモア・トンガ・フィジーなどのアイランダーで編成される)・フィジードルア
※2019年以前:
南アフリカ:4チーム(ブルズ・ライオンズ・シャークス・ストーマーズ)
アルゼンチン:1チーム(ハグアレス)
日本:1チーム(サンウルブズ)

2017年までは南アフリカのチーターズ・キングスも参戦していました。また、オーストラリアのフォースは2017に除外されたのち、独自のプロリーグを2年経験した後に復帰しています。

◆ニュージーランド:マイタ―10カップ

マイタ―10カップは2段階あり上部リーグと下部リーグがあり、入れ替え戦が行われる方式になっています。なお、対戦そのものは上部リーグと下部リーグの間でも行われます。
人口500万の小国であるにも拘らずプロチームがトータルで20チームほどあるのもオールブラックスの強さの源泉のように思います。
(マイタ―10カップの場合、1試合/80万円ほどのファイトマネーが収入になる。最大で400万円程度の収入上限あり。スーパーラグビーは540-1400万くらい)

◆オーストラリア:ナショナルラグビーチャンピオンシップ

オーストラリア国内でのラグビーリーグはオーストラリア国内7チームとフィジードルアというフィジーの選手で編成されるチームの計8チームで構成されています。フィジードルアは恐らく2022年以降にスーパーラグビーに参戦するチームと思われます。

15人制のプロラグビー以外にも13人制ラグビー(ラグビーリーグ)・オーストラリアンフットボールでそれぞれプロ化されています。

2-3.アメリカ大陸

◆北米:メジャーリーグラグビー

北米でもプロラグビーチームが発展しつつあります。現時点でのチーム数は以下の通りです。

アメリカ:12チーム
カナダ:1チーム

南アフリカでプロ14から除外されたチーターズが万が一こちらの北米のリーグに参戦するかも、という噂がなされていますが可能性の低い話ではあると思います。主に代表を引退した選手が北米のメジャーリーグラグビーに参戦する傾向があります。日本からは畠山健介が去年から参戦しています。

2018年に発足したプロラグビーですがアメリカは資本主義のやり手なので2027・2031W杯でプロラグビーを見て育った子供達を中心にW杯で猛威を振るう、ということもあり得る話ではあります。

◆南米:SLAR

南米のラグビー協会が2019年から創設したプロラグビーリーグです。
現時点では6か国が参戦を表明しています。

ブラジル:1チーム
パラグアイ:1チーム
ウルグアイ:1チーム
アルゼンチン:1チーム
チリ:1チーム
コロンビア:1チーム

スーパーラグビーに参戦していたハグアレスが行き場を失ったとしてSLARに辿り着いた場合、ほぼアルゼンチン1強、次点でウルグアイ、チリとブラジル・コロンビアが後を追う形になりそうです。PRO14のようにアルゼンチンを2-3チームで競り合う方法もありなのではないでしょうか。

2-4.東欧

◆ルーマニア:スーパーリーガ

上がルーマニアのスーパーリーガのホームページです。

ルーマニア語で分かりにくいので歴史などはこちらのwikiを参照ください。
プロ、と書きましたが収入・レベル的にはセミプロで兼業している選手も多いようです。

ロシア:ラグビーチャンピオンシップ

上がロシアのラグビーチャンピオンシップのホームページです。

ロシア語はさすがにわかりにくいので歴史などはこちらのwikiから見ることをお薦めします。モスクワよりもシベリア(クラスノヤルスク市の2チームが2強状態)の方が強い傾向があります。
ルーマニア同様、収入面ではあまり恵まれていないようです。(東欧の収入水準が低い事情もある。ちなみに2013年頃の情報で月800-1000ユーロ程度。)

ジョージア:DIDI10/დიდი 10

上がジョージアのプロラグビー・ディディ10(日本語訳:ビッグ10)のホームページです。

ディディ10の歴史などはこちらにまとまっています。過去にロシアと一悶着あったようです。

2-5.日本

言わずとも知れたトップリーグがあり、代表引退後の選手が良く来る場所でしたが、アメリカのメジャーリーグラグビーと選手の取り合いになる可能性があると思います。
最近は代表資格を失わない形での6カ月間の在籍というパターンも増えています。特に今年はオーストラリア・ニュージーランドのラグビー協会が財政的に厳しいのでトップリーグにある程度流れてきている事情もありますね。(今年はTJペレナラ、ボーデン・バレット、マイケル・フーパーが活用)

「社員」として雇用しているチームもあれば「プロ」として雇用しているチームもあるようです。また、クラブラグビーチームもあるので良くも悪くもガラパゴス化している印象です。
集客で経営が成立すればプロとして年俸制、集客が見込めない場合は社員として雇用+ファイトマネーを支払うというように経営スタイルを柔軟に切り替えできると持続性の高いものになるのではと思います。(できているかもしれませんが)


日本ラグビーを盛り上げる、そして高額な年俸で選手を獲得・育成するためにもとりあえずはトップリーグのチケットを買いに行きましょう。日本のプロ野球に匹敵するレベルになれればオールブラックスも普通に勝てる代表になれるかもしれません(何を言うか)

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