間違いなく今夏のパリ最大の呼び物の一つが、パリ装飾芸術美術館の『ディオール展』。

サンローラン以降、このメゾンを引き受けた４人のデザイナーの中で、ベストは誰か？この展覧会を出てくる頃には、誰でもが同じ答えを出していることでしょう。

フェレだってラフ・シモンだって無論、並みの才能じゃないけれど、ジョン・ガリアーノという破天荒な天才は、単にディオールのデザイナーというだけじゃなく、この時代を先に進める仕事を、軽々とやってのけている！

この展覧会の『Couturier du rêve （夢のデザイナー）』というダブルミーニングなタイトルは、ガリアーノのためにあるようなもんです。このデザイナーは、夢をデザインするために服をデザインする、という、それこそ夢のような仕事が確かに存在することを、私たちに教えています。

にわか雨の中、50分の入場待ちを経ての夢の時間。美術館を出ると、チュイルリー公園の上には、夏の青空が広がっていました。