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現場と本部

事件は現場で起きているんだ。
人気ドラマの名台詞だ。

多くの企業が現場と本部に役割分担されている。
ドラマなどでは、
汗掻いて走り回っているのが現場、インテリが管理しているのが本部みたいな構図で描かれる。

実際その傾向は強い。
現場には癖のある職人タイプや口は悪いが真面目で人情でチームをまとめる人がリーダーになりやすい。
本部は学歴を重視している企業が多い印象だ。

経験上、どこの企業も現場と本部は仲が悪い。
信頼関係構築に成功している企業だけは、
売り上げが高いのだろう。
ていうか現場で働くことがステータスになっている企業、業界が強い。
オリエンタルランド、スターバックス、ユニクロなどだ。

多くの企業で失敗するのが、
現場で成功した人を本部の重要ポストに配置する人事を行うことだ。
名選手名監督にあらず。
海外のスポーツ界で選手として大成功し、監督としても大成功した人は少ないだろう。
サッカーのヨハンクライフ、グアルディオラくらいだろうか。
あのマラドーナは上手くいかなかった。

よく売れる営業マンがマネージャーになった途端ダメになるパターンと同じだ。
そりゃあそうだ、と思う。
売れる人の話を聞いても売れないヤツは売れない。

一番困るのが現場叩き上げが本部に来て権力を持った時だ。
現場最優先主義と言えば聞こえはいいが、
本部の人間を無理矢理現場体験させようとする。

そりゃあ現場の人間は本部は楽しているだの、
現実を知らないくせに、みたいな愚痴は言う。
しかし言いたいだけで、本気では思っていない。
戦力にならない人間が現場に来られても迷惑だ。

しかし両方知っている人間はそれがわからないのか、現場に良い顔をしたいのか、無意味な研修を実施してアピールする。

叩き上げは今の部下より前の部下を優先してしまい、人望を失う。
愚かなことだが後に引けない。
そういった配置をする企業は衰退する。

過去の感覚でマーケティングするので、
現実がわからなくなるのだ。

インターネットが普及する前は新聞折り込みで採用ができた。
しかし今は違う。
ECサイトが構築されるまでは店舗販売で洋服が売れた。
昔は残業して労働することが美徳とされたが、
今は生産性、効率性が重要視される。

中にはどちらもハイレベルでこなす人もいるが、
それはその人が優秀なだけだ。

私が尊敬するオーナーがこんなことを言っていた。
人格者には役職を。
スキルがある者には給与を。
その人は部長レイヤーよりスキルがある、つまり売れる人にはそれより高い給与を払っていた。
しかし彼らを役職者にはしなかった。

正しいと判断だと思った。
しかし多くの経営者はそんな判断はできない。
なんで俺より売り上げの低いアイツが、と言われるからだ。
しかし売り上げの高い人間には見合う給与を払っているのだから文句を言わせなくしている。

非常にシンプルだ。


もし売り上げが下がっているのであれば、
単純に現場最前線に課題があるのだ。
もしクレームが多いなら人が原因だ。
忙しいから仕方ない、なんて同情をしているからクレームが出るのだ。
なぜお客様よりスタッフを優先するのかわからない。

そんなことを口にすると現場を知らないくせに、
と反論される。
それも叩き上げの本部の人間に。
だから何?
こっちは本部勤務で労働契約を結んでいるし、
そういう求人を掲載してたじゃん。
求人広告の出し方も昔のままだ。


現場最優先は全てを肯定する魔法の言葉なのかもしれない。


現実を受け入れてそれぞれの役割を全うしようぜ、って思う。

昔の話はもういいよ。




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