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杜氏は凄い

間が空きましたが、今回は杜氏の話です。
前に話したニュースになった記事です。
実は今年のお酒の仕込み作業において、
通常の10倍もの酒粕が発生したということ
が報道され、処理に困った蔵元が、無償で
消費者に提供したそうです。

不思議に思って知り合いの蔵元に確認した
ら、今年、厳密に言えば昨年のお米は例年
より硬く、いつもの造り方だとお米が溶け
ずに酒粕が多くなるとのこと。

ではここの蔵元はどうかというと、現在は
各農場試験場から収穫の状況や情報が入り
それを元にお酒を造る訳ですが、この蔵元
の杜氏は、その情報を鵜吞みにせず自分の
感覚で作業を行った結果、お米を水に漬け
た時にお米が弾けたらしく、これは何かお
かしいと直感的に思ったそうで、そういえ
ば前に同じようなことがあったな、と過去
の資料を調べた結果、やはりその時はいつ
もと違う造り方をしていたらしい。

そこで今年はその時と同じような造り方を
したので、酒粕も例年と同じくらいの量し
かできなかったとのことです。

このことからも解るように、たとえAIや最新
技術を駆使して、情報や数値を元に造った場
合、自然の変化に対応できず、無駄な量の酒
粕を生じ、且つお米が十分に溶けなかった為
お酒自体も例年よりも薄く、熟成にも時間が
かかってしまうということ。

技術の進歩や機械化を否定しているわけでは
なく、人間にしかできないこともあり、経験
や感覚を非科学的とか時代遅れと言って排除
せず、それぞれの良いところを認めて活かし
より良いものを造ればいいだけだと思う。
正に、調和と融合、これからの時代には必要
なことだと思う。

しかしながら、やはり杜氏は凄いですね。
杜氏がその持てる能力を遺憾なく発揮し、
旨いと唸る本物のお酒を造る環境を整えるこ
とが今一番大事で、早急にやらなければいけ
ないことだと思います。
そのための一つの施策として、私たちが提唱す
る「おらが村さの蔵元」キャンペーンについて
次回お伝えします。


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