暫くお休みしましたが、また投稿再開です。
前回、杜氏と共に伝統文化や伝統技術が
消え去ろうとしているとお伝えしました。
これはお酒の世界だけでなく、今やあらゆ
る分野に見られる杞憂すべき問題です。
一度絶えた技術や文化を復活させるには、
100年以上の時間と途方もない努力、
それと莫大なお金がかかります。
それでも復活できればよく、最悪完全に
絶えたものもあります。便利を求めどんな
に科学が進歩しても、できないものはでき
ないのです。
今、お伝えしているお酒の世界の職人、杜氏
も同じです。有難いことに少数ですが同じよ
うな危機感から、技術を伝承しようと活動さ
れている蔵元もおられます。日本酒本来の
造り方に拘り、本当の日本酒の魅力、味わい
を伝えていますが、如何せん少数で経営ベー
スに到達できません。時代の流れから消費者
の好みも変わり、今風の味になり日本酒本来
の味が好まれなくなっています。今のままで
は本当に本物の日本酒が消えてしまいます。
勿体ないですよ、一口飲んだだけで、旨い
と心から唸る、ガツンとくる力強いお酒、
しかも乳酸菌の塊、正に百薬の長と言われる
所以です。今、産業廃棄物として処理されて
いる酒粕も他に類を見ない栄養バランス抜群
の健康食品なんですよ。何しろ我々日本人の
主食であるお米で造られていますからね。
この本物の日本酒を造れる杜氏がいなくなっ
ているんです、どんなにAIが進化しても杜氏
の力、能力には敵いません。お米、水、空気
気温、湿度、菌、ありとあらゆる自然を相手
に、培った経験と技術、それに5感を駆使し
てお酒を造るわけです。人間が作る機械が
真似できる訳がありません。自然は生きてい
ます、だから生きている人間しか相手にする
ことができないのは当たり前のことです。
今年、杜氏の力を証明する出来事がニュース
になりました。ご存じの方もおられるかと
思いますが、次回それをご紹介します。