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2008年頃のこと

2008年頃、NHKの松山放送局でディレクターをしていた。
その頃のことを回想した日記

「武田邦彦先生と夏井いつきさん」

松山のNHKでディレクターの仕事をしている時、
ちょうどNHKでは、というか、日本のマスコミ全体が、
国策でエコキャンペーンを行っていた。

その結果、例えば全国的にプリウスが売れた。
それは2008年頃のことである。

マスコミにおけるエコキャンペーンというのは、
例えば、マイバッグ使用、マイはし持参、
ペットボトルのキャップ集めなどをして、
草の根レベルのエコ運動に参加しましょう、
というようなトーンのものが多く、
僕はこれらのボランティア的な活動に、
本能的に胡散臭さを感じていた。

しかしNHKという会社は、率先してこのような国策に乗っかる、
というか、旗手として、
このような国策を先導する役割を担う立場にあるので、
当然NHKにおいては、トップダウンで有無を言わさず、
強制的にこのような企画を担当させられた。

僕は常に自分が関った番組が、国民のみなさんを、
間違った方向に先導してしまわないだろうかという、
恐怖心や強迫観念と戦いながら、
日々のルーティーンをこなしていたのだが、
そんな時に僕の心に希望の灯りを点してくれたのが、
中京大学の武田邦彦先生の
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」という本だった。

この本の詳しい内容については、
各自ネットなどで調べていただくとして、
僕が本能的に胡散臭さを感じていた、
数々のエコキャンペーンについて、
見事にその疑念に答えてくれる内容の本だった。

当時武田先生は、時々バラエティー特番などに、
色物のような扱いで呼ばれるだけの存在だったが、
2009年から始まったさんまの「ホンマでっかTV」に、
レギュラー的に出演するようになり、
今ではなかなかの知名度になっている。

武田先生がその「ホンマでっかTV」の2017年の年始の特番で、
これから先、地震予知や噴火予知は、
だんだん重視されなくなっていくだろうし、
地球は温暖化などしていないということも、
いずれ明らかになっていくだろう、というようなことを言っていた。

実はこれは10年以上前から一貫して言い続けていたことであり、
同じ「ホンマでっかTV」の特番の中で、
そういうことを言ってきたために、
命の危険を感じるようなことを言われたり、
家族に危害を与えると脅されたこともあると、武田先生は言っていた。
それでもそう言い続けることが、
科学者としての信念なのだとも言っていた。
僕はこれからも武田先生を信じて行こうと思った。

それから夏井いつきさん。
同じ頃、僕が担当していた松山のNHKの番組に、
月に一回の俳句コーナーの選者として、
出演してくださっていたのが、夏井いつきさんだった。

当時からハキハキとものを言う、
気持ちのいいキャラクターだと思っていたが、

ダウンタウンの浜ちゃんがMCをしている「プレバト」という番組で、
俳句コーナーの毒舌先生として最近なかなか人気が出てきている。

武田邦彦先生と夏井いつきさんは、僕が嫌で嫌で、辛くてたまらなかった、
NHK時代の経験の中で、わずかな希望の光を与えてくださっていた方々で、
そのお二人が今テレビで活躍されている姿を見て、
僕が本能的に好感を感じていた人には、
やはり人を引き付ける魅力があったんだなと、
僕の直感もそんなに捨てたものでもないんだなと、
少しだけ自信を持ってしまうのです。

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