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[ギターレビュー]Ibanez AM93QM

以前友人からGibsonのCS-356を借りたのをきっかけに、コンパクトなセミアコが欲しいと思うようになった。335は良いギターだが、少し重すぎるのに加えてボディが大きいため、長時間抱えて弾いていると身体が疲れてしまう。その点、356は軽くてコンパクトなので長時間弾いていても全然疲れないのが良かった。

色々悩んだ後、以前購入したAS93FMが良かったこともあってIbanezのAM93QMというセミアコを購入した。IbanezのセミアコにはASシリーズとAMシリーズがあり、ASシリーズは335サイズのボディなのに対してAMシリーズは356に近いコンパクトなボディ形状になっている。AM93QMのQMはキルテッドメイプルの頭文字で、ボディにはかなり綺麗なキルテッドメイプルが使われていて、ブルー〜グリーンのグラデーション塗装も美しい。ちなみに、今回も試奏せず通販で購入した。届いて初めて実機を手にしたのだが、サイズは想定通りコンパクトだったものの、思っていたより重く、これは誤算だった。

AM93は2019年、2020年と2021年に色々と仕様が変更されているようだ。自分の所有している個体は、指板はエボニー(2021年以降はマッカーサーエボニー)、ブリッジはART-1(2020年以降はGibraltar Performer)。ネックは3ピースで、マホガニー+メイプルの個体とニヤトー+メイプルの個体があるらしいが、青く塗装されていることもあり自分の個体がどちらなのかは判断がつかなかった。

ピックアップは前後ともSuper 58が搭載されている。Super 58と言っても、当然ながら1980年の国産3ネジ固定のものではなく、その後韓国・インドネシア・中国などで生産されるようになった2ネジ固定タイプのものだ。初期型のSuper 58はビンテージのPAFを意識した、Alnico 3でかなり低出力のピックアップだったようだが、今発売されているSuper 58はAlnico 5が使われているようでパワーもそこそこある。

このギター、購入したのはもう2年ほど前なのだが、手に取る機会が増えてきたのは最近になってからだった。購入直後、アンプに繋いで音を出してみると、思ったよりも硬い音が出てきた。弦のせいかもしれないと思い、太めのフラットワウンド弦に張り替えてみたのだが、それでもまだ硬い。CS-356もそうだったが、ボディサイズが小さいからかES-335に比べるとどうも温かみの少ない硬い音が出てくる感じがある。そんなわけで、どうも音が期待と違ったため手に取る機会が少なかったのだが、弦を交換してから数ヶ月くらい経ってから、弦が劣化し始めたのか音が少しずつ丸くなり始めてきて、期待する音が出るようになってきた。

音が期待に近づいてきたことで、最近は普段の練習用に手に取る頻度が高くなってきた。重いのは誤算だったが、335に比べると演奏時の身体の疲れが大分少ないし、値段も335に比べれば大分リーズナブルなので練習用のギターとしてはとても良い。

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