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連載【13】刺繍教室クロスマァムのひよこ時代ー学びと出会いとそれから…

 この連載の第2章、【8】から【12】を読み返すと、随分余計な事も書いて寄り道してしまった気がするが、結局私のプレ刺繍教室では、当時流行の「かわいいカントリーな刺繍」をテーマにすることにしたのである。
 私はデンマークデザインの刺繍を学びながら、アメリカのカントリーデザインを教材に1995年9月、プレ刺繍教室をスタートした。

 初回の教材は自分でデザインした図案を用意した。基本的には縦横の針運びを覚えるための直線にしたが、やはり何かに完成させたい。そういえばアメリカの刺繍材料には、5cm四方ほどのマグネット付きアクリルケースがあったと思いつき、それに収めてみると練習布が立派な作品になった。幼稚園からのプリントを冷蔵庫にペタペタ貼る際にも使える実用的な教材は大好評で、いつのまにか生徒役は倍くらいの人数になっていた。
 教室といっても勉強中の身であるため受講料は無料。お菓子代の500円と材料費を合わせても1000円未満だったことも気軽に参加できた要因だと思う。久しぶりに自分時間を得た私たちは、何とも言えない満足感と充実感に満たされながら刺繍を楽しんだ。
 しかしその楽しさは、そう長くは続かなかった…


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