365日日本の名建築73
宮城県仙台市に「せんだいメディアテーク」という建築があります。
見てのとおり柱がチューブ状になっていて、前例ではないカタチをしています。
構造は、プレートと呼ばれる七枚のフラットスラブを、チューブと呼ばれる構造体でつないでいます。
このチューブ状の空間は細い鉄骨を網状にして組み合わせていて、柱としての役割だけでなく設備配管スペースやエレベーター・階段としての役割も担っています。
伊東豊雄さんは建築と人と自然との関わり方が重要になるとの考えから、このチューブを通して自然を建築空間内部に取り込もうと試みたそうです。
南側は二重ガラスになっていて、熱負荷を遮られるようにもなっています。
このチューブのアイディアを実現させるには、設計としても現場としても、かなり苦労したと思います。
施工に関わるお仕事をされている方なら、この揺らぎながらねじれたカタチの鋼管柱を施工する難しさは並大抵のものではないことが理解できます。
それでもなんとか試行錯誤を重ねながらカタチにしています。
まさに施工業者の方々の、苦労のたまものと言えるでしょう!
何事も諦めてはいけないということを教えてくれた建築でした。
構造デザインはとても面白いと思っています。
こちらの本は東京にある構造デザインが特徴的な建築作品の案内マップです。
これから建築構造を学びたい方にはうってつけの本なので、ここに載っている作品を実際に訪れてみるのも良いかと思います。
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