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ファンド運営部門マネジメント・インタビュー②~運用部長・間部秀規~

当社はソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)・サービスを運営するにあたって投資家の皆様にお届けするファンドの組成や運用、管理を主に担当するファンド運営部門(商品部、運用部、投資管理部の3つの部署で構成)があります。この「ファンド運営部門マネジメント・インタビュー」シリーズではファンド運営部門の各部の責任者が普段行っている取組みから投資家の皆様にいただいた疑問への回答までインタビュー形式で余すところなくお話していきます。

これから資産形成や資産運用で投資を行うにあたって「何を購入してどう投資していったらいいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。そこで今回はファンド運営部門の中でも百戦錬磨の運用のプロである当社運用部長の間部にこれからの投資について聞いてみました。

運用部長・間部がクラウドクレジットを選んだ理由

―まずは自己紹介、間部さんのこれまでのキャリア、クラウドクレジット入社のきっかけなどを教えてください。

間部:大学院の時にコンピューターサイエンスを研究していて、「人がどんなことを考え、どんな行動をするのか」といった行動学的なシミュレーションをしていました。それがきっかけで様々な人の思惑が錯綜する金融市場に興味を持って、外資の証券会社に入社して日本国債のトレーディングをしていました。実際に金融市場で勝負する当事者になってやりがいを感じていました。

ただ、トレーディングというのは売買取引の仲介で利益を出す仕事なので、「これが本当に世の中の役に立っているのだろうか?」と疑問に感じる部分も正直ありました。そんな中、Wantedlyで当社を見つけて、「ここなら直接的に社会貢献度の高い仕事ができる!」と感じて転職を決めました。

当社ファンドの表面利回りが総じて高い理由は決してマネーゲームの結果ではなくて、社会的な需要と供給に基づいてその水準に落ち着くことができるから。それまでのゼロ金利の日本国債をトレーディングするより、世界的に旺盛な需要のあるところに資金を届けられたら楽しいだろうなと思ったのです。

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ファンド運営部門の中での運用部の役割

―次に間部さんは、クラウドクレジットのファンド運営部門の中で運用部長のポジションに就かれていますが、運用部の役割とはどのようなものでしょうか?

間部:私が所属している運用部はファンドの組成から投資の実行、運用中のモニタリング、分配に至るまで一連の流れにすべて関わっています。また満期時運用レポートなど投資家の皆様へのご報告も行っています。

私たちは2週間ごとにファンドを販売していますが、自動的にファンドが組成されるわけではなく、「どのファンドを販売するか、どういう投資条件でいくのか、どういう日程で運用するのか」を主に私たち運用部が管理しています。

ファンドを販売した後も、「いくら分運用手数料を徴収して、いくら分投資に回して、その配分をどうするか」を指図するのも運用部の役割。たとえば、為替取引や為替ヘッジ取引にあたって、取引相手に私たちが連絡して「この条件でお願いします」と売買を実行しています。

その中で当社の特徴はクラウドファンディングでファンドを組成するところ。この場合、匿名組合出資(出資者が匿名で事業者へ出資を行い事業者が出した利益を出資者に対して分配する契約のこと)という形態になりますので、先に条件を決める必要があります。つまりお金を集めた後に「さて何に使おうかな」と考える余地は多くありませんが、かといってすべてが自動で決定され、執行されるわけではありませんので、投資の実行を私たち運用部が行っています。

また、ファンドの運用中については、たとえば「資金はもう十分ですか?まだ必要であればもう少し金利を上げたほうが良いかもしれません」といったように、資金需要者と話をすることもあります。他にも四半期に一度のペースで今後のファンディングプランについて資金需要者に提案するのも私たち運用部の役割です。

あとは資金需要者から返済されたお金を投資家の皆様にどのように分配するかを決めています。その上で先ほどもお話したように満期時運用レポートなど投資家の皆様へのご報告をまとめています。

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運用部長・間部が投資家の皆様の質問に答える!

―ここからは投資家の皆様からよくいただく質問に対して率直にお答えいただければと思います。まずはこちらです。「新興国の企業への貸付はリスクの取り方が難しい気がするのですが、どのように判断しているのでしょうか?」

間部:たしかに難しさはあります。「リスクリターンが適正か」を分析し判断することも私たち運用部の役割なので、その難しさは日々実感しているところです。実際には一つひとつリスクを分解して慎重に見積もるようにしています。その結果として十分な水準のリターンが期待できるようであればGOサインということになります。

ただ相手がいることですので、当社の期待する貸付水準について資金需要者が納得できる道筋が立てば貸付の条件が成立することになりますし、そうでなければ止めておくということもあります。

投資一般に言えることですが、何事においても100%大丈夫などということはないのです。重要なのはリスクを言葉で認識できるようにすることです。その認識の中で「いける!」と判断している限りは徹底的に確かめます。それでもダメだったら振り返ってそのダメだった原因を探り、今後の投資に活かすようにします。このように地道に改善していくことが投資の本質だと思います。

―次にこちらの質問です。「御社のファンドを購入するにあたって、これは押さえておいてほしいというリスクがあれば教えてください」

間部:大きく分けると2つあって、為替変動リスクと信用リスクです。

為替は金融市場において相対的にリスクの大きい投資ではないと考えられていますが、それは取引量の多い先進国通貨、米ドルやユーロ、円の場合。当社ファンドはそれ以外、主に新興国通貨を取り扱っていますので、リスクを過小評価しないように気をつけていただきたいです。

もう一つは信用リスク。当社ファンドの場合、資金需要者が貸付をする先、つまり最終的な貸付先が個人や零細・中小企業の場合も少なくありませんので、日本国内の証券会社や銀行など一般の金融機関で購入できる投資商品よりも信用リスクが高い点にご注意いただきたいですね。

資金需要者がどの国や地域で営業しているかによる影響も軽視できません。投資家の皆様には事前に高い利回りの裏側には、こういったリスクがあるということを十分に認識した上で投資を検討していただきたいと思います。

―続いてこちらの質問です。「新興国の資金需要者に貸付を行うファンドを販売するにあたって、ここまでのリスクなら商品として成り立つといったような基準はあるのでしょうか?」

間部:一概には言えないところもありますが、やはり戦争を起こしているような国にある資金需要者には貸付を実行できないですね。あと相当高い確率で高インフレになりそうな国の資金需要者にも難しい。たとえば、金利10%で1万円を貸すと1万1,000円になって返ってくる計算ですが、その間に物価が30%上がってしまうようではその分為替が円高に振れてしまうなどして貸付をした意味が無くなってしまいます。そういう事態が十分に想定される場合は避けざるを得ません。

運用部長・間部から投資家の皆様へのメッセージ

―最後になりますが投資家の皆様へメッセージをお願いします。

間部:投資家の皆様からいただく「どのように投資していったらいいのか?」については「ひたすら分散投資する」というのが答えです。少なくとも私だったらそうします。結局満遍なく購入するのが無難なのですよね。もちろん私たちは日常で様々な国を見ているので伸びる国・伸びない国というのはある程度わかっていますが、それを考慮したとしても分散は重要です。

短期で見ると、リーマンショック級の金融危機がまた起こるかもしれません。しかしながら、たとえば30年という長期で均して見れば、分散を効かせてリスクを軽減しつつ高金利で複利効果を得ることで、仮に短期的な損失を被ったとしてもそれ以外の期間で挽回することは十分可能でしょう。

また皆様の中から「新興国は経常赤字や財政赤字、高インフレが慢性化している国が多いので、そういった国の通貨は結局円高になり続けるのでは?」という声もいただいています。

これについては私自身、「将来必ずこうなります!」と予測することはできません。おそらく皆様もそうでしょう。ですから、「円高に振れる可能性が高いので円建てや為替ヘッジありのファンドがおすすめです!」といったような推奨はしておりません。たとえば、為替ヘッジ取引を行うということはリスクを軽減する代わりにコストがかかります。この場合はコスト負けせずにリスクに見合ったリターンが期待できるかを検討しなければなりません。結局のところ「これが一番良いファンドです!」というようなうまい話はないということです。

繰り返しになりますが、投資家の皆様には長期でしっかり分散を効かせて投資し続けていただきたいですね。継続は力なりですから。私たちも投資家の皆様のお役に立つよう運用していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。

クラウドクレジット株式会社
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