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【COOインタビュー】業務執行のトップが語るクラウドクレジットの全社プロジェクト

当社では部署ごとの日常業務とは別に、部署横断的に様々な全社プロジェクトを日々走らせています。直近で投資家の皆様のお目にかけたものとして貸付先(海外資金需要者)の匿名化解除もこうした全社プロジェクトの一つになります。

今回は業務執行のトップとして全社プロジェクトを取り仕切っている当社COOの並木 泰樹(なみき たいき)にインタビューを敢行し、当社、クラウドクレジットの現在・過去・未来について語ってもらいました。

COO・並木がクラウドクレジットに入社するまで

―まずはご自身の振り返りから。並木さんは2016年8月に当社へ入社されていますが、それまでのキャリアを教えてください。

並木:2010年に大学を卒業後、大手の総合商社に入社したのが私の社会人としてのキャリアのスタートで、そちらではIT推進部で社内システムの保守、運用、更改プロジェクトなどに携わっていました。

そちらで2年過ごした後、思うところあってJICA(国際協力機構)の青年海外協力隊に参加、中米のニカラグアという国のマイクロファイナンス機関でリサーチや金融リテラシー向上を推進する業務をしていました。

この経験から途上国支援や開発経済などにより一層興味を持ち、本格的に学びたいと思いまして、中米のコスタリカとフィリピンで開発経済学と国際政治学の修士号を取得しました。

コスタリカの大学院にまだ在籍していた時に知人からクラウドクレジットを紹介してもらったのが当社との出会いです。半年ほどはスペイン語の通訳として当社と関わっていましたが、その後、2016年8月に正式に入社しました。

―当社へ正式に入社する決め手は何だったのでしょうか。

並木:開発経済学や国際政治学を通じて途上国支援について研究を重ねる中で、従来の途上国支援はたとえば世界銀行などのいわゆる公共部門がカバーする領域でしたが、IT技術の進歩等に伴って今後は民間部門も進出できるのではないかというのを感じていました。その中で日本の私企業で途上国支援を新しい形で実現していっているのが当社、クラウドクレジットだったからです。

―並木さんが当社へ正式に入社しCOOに就任するまで1年ほど期間がありますが、その間はどのようなことをされていたのですか。

並木:当時は今ほど部門間が分かれておらず、複数の部門にわたって本当に色々なことを経験しましたね。当社は当時から英語が堪能な方は多数おりましたが、スペイン語をカバーできている方がいなかったので、中南米の現地に赴いて貸付先(海外資金需要者)へのヒアリングや最終資金需要者へのインタビューなどもしましたし、あと商社時代の経験などからシステム管理にも携わっていました。

COO(Chief Operating Officer)の役割とは

―COOというポジションはわかりにくい、イメージしづらいという方も多いかと思いますが、当社でCOOとはどのような役割を担っているのでしょうか。

並木:当社におけるChief Operating Officer、COOの役割についてよく社長の杉山と話しているのですが、端的に言ってしまえば全体最適を追求することだと考えています。もう少し具体的に言うと、部門横断的に様々な全社プロジェクトの指揮や、それにあたって一時的にリソースが不足する部署のサポートすることなどです。

例として適切かどうかを一旦横に置くと、私は「全体最適の追求」を説明する際、日本軍が第二次世界大戦で負けた理由でよく例えています。総力戦で勝つには人、武器、食糧などの要素を最適なバランスで用意しなければなりません。第二次世界大戦時の日本軍は、人と武器をある程度確保できていたにもかかわらず、食糧が確保できておらず、たとえば戦死した方の多くが餓死者であったと言われています。歴史に「たられば」は禁物ですが、仮にそこで人員を食糧生産に回す判断をするなどの全体最適を追求していたら、歴史は異なる結果を導いていたかもしれません。

これはそのまま会社においても同じことが言えると思っています。部門横断的に全社プロジェクトを推進する際、各々の部署の業務配分を正確に把握し、適切な配分をすることでバランスを取らなければスムーズに運びません。全社プロジェクト推進によって業務量が逼迫してしまう部署があれば、他部署からリソースを削って手当てすることなどが必要になります。こうした各部署でムリ・ムダ・ムラなく全社一丸となってプロジェクトのゴールに向かうように調整するのがCOOの役割です。

Google検索などで「COO」を調べると「最高執行責任者」と出てくるので、一見すると見栄えのするポジションのように思われがちですが、現実としてCOOに求められるのは泥臭い調整役になることだと思っています。

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COO・並木が語るクラウドクレジットの全社プロジェクト

―並木さんがこれまでに当社で推進してきた全社プロジェクトについて教えてください。

並木:本当に様々ありますが、投資家の皆様に直接関わる大きなプロジェクトの一つとして「貸付先(海外資金需要者)の匿名化解除プロジェクト」が挙げられます。

これまでは借り手保護の観点等から貸付先(海外資金需要者)の実名や財務情報などを投資家の皆様に開示することができませんでしたが、制度の変更によってようやく公開に踏み切ることができるようになりました。

―この貸付先(海外資金需要者)の匿名化解除プロジェクトを進めるにあたって何か難しい点はありましたか。

並木:難しかったのは他のプロジェクト以上に自分一人でコントロールし切れない要素が多かったところですね。これまで開示できなかった情報を公開するということは、当然のことながら様々な部署と調整を図らなければなりません。

契約書面等を刷新するために法務・コンプライアンス部と調整、HP等システム関連の更新にあたってはシステム管理部と調整、情報公開につきポジティブなマーケティング活動が可能かを営業・マーケティング部と調整、また貸付先(海外資金需要者)との直接の窓口になっているファンド運営部門(商品部、運用部、投資管理部)とも公開にあたってのタイムラインをすり合わせるなどの調整。とにかく調整、調整、調整です。

とくに貸付先(海外資金需要者)との間には時差もある中で、当初のタイムライン通りに進めるのはなかなかハードでした。こうしたいつも以上にハードな状況下では、常にタイムラインを意識しつつも、各々の部署のリソースをいつも以上に細心の注意を払って適切に配分しなければなりません。振り返ってみるとかなり大変だったというのが正直なところですね。

―大変だった分、この貸付先(海外資金需要者)の匿名化解除プロジェクトを推進して良かったところはありますでしょうか。

並木:より透明性のある商品を提供できることになったことと、それをお客様に正当に評価いただけたことです。お客様は、自分の投資資金がどのような貸付先に送られるのかがはっきりとわかるようになりました。それによって「顔の見える投資」が実現しましたし、そのような情報を公開していることを高く評価いただけた投資家の方も複数名いらっしゃいました。

このプロジェクトはCOOという自分の役割からとてもやりがいがある一方、その分プレッシャーも大きかったのはたしかです。しかしながら、ありがたいことに当社は優秀なメンバーが揃っており、こうしたメンバーに支えられてプロジェクトを推進、軌道に乗せることができました。

―足下で動いている当社の全社プロジェクトで投資家の皆様にお伝えしておきたいものがあれば教えてください。

並木:目先は何といっても来年頭を目処に予定しているファンドのパッケージ機能ですね。

当社で販売しているファンドの貸付先国は日本の投資家の皆様にとって馴染みの薄い国の場合もあり、ファンドのラインナップを2018年後半から充実させてはいるものの、どのファンドをどう組み合わせれば良いかについてご自身で判断するのは難しい場合もあると思っています。

もちろん分散投資の徹底で「全張り」するのも一つの手ではありますが、そこまで投資資金を当社へ振り分けられないという方も多いのが現実でしょう。

そこでこのパッケージ機能は、当社の複数のファンドをテーマごとに組み合わせてパッケージ化し、どのファンドをどう組み合わせるのが適切かについて当社側からわかりやすくご提示するものになります。例えば、高利回りを追求するパッケージや、社会インパクト重視のパッケージの販売を検討しています。

現在は裏のシステム面やオペレーション面などを詰めているところです。もちろん、運用部をはじめファンド運営部門を中心に、どのようなコンセプトの区分け、ファンドの組み合わせが適切かについても随時検討を重ねています。

COO・並木から投資家の皆様へのメッセージ

並木:当社は創業から既に6年が経過しました。金融機関の一つとして、投資家の皆様に安心して資産形成、資産運用および投資をしていただくために、これまで以上に丁寧な情報提供を心がけていきます。

それと当社のファンド・ラインナップは徐々に充実してきてはいるものの、国・地域分散、通貨分散など分散投資を徹底していただく観点から、これまで以上にファンド・ラインナップの質量ともに充実を図っていきます。

これからも当社をより一層ご愛顧賜りますようよろしくお願いいたします。

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◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。
クラウドクレジット株式会社
第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第2809号
一般社団法人 第二種金融商品取引業協会 加入

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