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クラフトビール日記:Teenage Brewing The Sun Shines Down On Me

気に入った醸造所にはいつも、インペリアルスタウト作りませんか?と聞いているのだけど、趣味色の強いビールだし、好き嫌いの別れるものなので実現するにはハードルが高いよね。
数年のうちに一種出れば御の字。
……と思っていたら、一年も待たずに出た。
あのTeenage Brewingから、インペリアルスタウトが。

先日のイベントで初出ということで、その日は八ヶ岳方面の山に登っていたのだけど、下山後最速で向かってみた。
いや、本当に作ってくれるのなら、チェックしないわけにはいかないじゃん?

感想

度数9%が示す通り、近年のインペリアルスタウトとしてはボディは軽め。
するすると入ってくるドリンカブルなタイプで、ほんのり酸味があり、後味にはローストモルトの焦がした香りと麦の甘みがふわっと広がる。ビターな苦味と、微かに感じるほくほくした甘みは確かに焼き芋のそれ。

昨今の副原料マシマシ長時間マッシュのインペリアルスタウトのように、それ単体で完結するほどの濃厚な甘みを持ったインペリアルスタウトではない。そちらを期待しているとちょっと違うかな、と思うかも?
……などと、初めて飲んだ時は思っていた。
が、この時点ではまだこのビールの本当の姿に気付いてはいなかった。

イベント会場で飲んだ後、現地タップルームでも飲んでみたのだけど、フードメニューにあったバニラアイスと一緒に飲んでみてから気付いた。
このビールは、このバニラアイスとの組み合わせで真価を発揮する。

バニラアイスを食べてから、このビールを飲む。
あるいは、贅沢にもバニラアイスに少量かけてみる。
するとこのビールに隠されていたフレーバーがぱっと開いて、バニラアイスがさつまいもアイスになったかのよう。
「ほくほくした甘み」は微かにではなく確かにそこに感じる。焼き芋フレーバー、お前そこにいたのか。

よくあるフードの合わせ方ではあるのだけど、フードひとつでこういった変化をするインペリアルスタウトには今まで出会ったことがない。
正直なところ、大抵のインペリアルスタウトはバニラアイスに合わせてもただの甘くてビターなシロップにしかならないと思う。でも、このスタウトの場合は確かに、フードとの組み合わせでフレーバーが変化する。

あぁ、そういえばそうだったなぁ。Teenage Brewingは、それ単体で完結するビールではなく、このようにフードと合わせて飲むと最も輝くビールを作るブリュワリーだった。
狙って作った変化なのか、それともたまたま私がそう感じとっただけなのか。これは真意を訊かない限りわからないことだけど、この体験が初めてなのは確か。
そういった意味で面白いビール、楽しいビールであると同時に、Teenage Brewingが目指す方向性を確かに感じとったビールだった。

ありがとうTeenage Brewing、私の一推しブリュワリー。これからも推していくよ。
なのでもう一本買いましたとも。

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