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SECの次なる狙いはDEX取引所、取り締まりの線引きを模索か

いよいよ、次のステップに入ってきたのかもしれません。SEC(米国証券取引委員会)がDEX、すなわち分散型取引所のUNISWAPに警告を出しました。

DEXというのは中央集権的なサーバで運用している管理者がいるわけではないのですが、今あるDEXは微妙です。たしかにプログラムで動いており、UNISWAPなどの開発者が通貨ペアを用意し、取引を成立させているわけではありません。あくまで、資金の提供者は参加者であり、開発側はプログラムだけを提供し、後は勝手にプログラムが動くという仕組みです。ただ、プログラムの生殺与奪件を開発側が握っている場合もあり、その場合は自律で動いているものの、実質、開発側が主権を持っているということになり、中央集権取引所との違いは微妙になります。
運営者で無い限り、SECに目をつけられたとしても、自分たちはプログラムを提供しただけだと言い張ることも可能です。しかも、DEXの場合、通貨ペアは適当なトークンを作って、ユーザが上場すれば取引が出来るという上場審査する機関も存在しません。さて、これをどう捉えれば良いのでしょうか。もし、トークンが証券と言うことになれば、証券取引を許可無く行っていると言うことになり、DEXを動かすことは違法ということになります。逆に言うと、今はグレーのまま許可無く証券を取引出来ているという無法地帯と言うわけです。

実はSECは悩んでいるかもしれません。このような曖昧な存在は今まで無かったからです。さらにやっかいなことに、DEXにはUNIトークンなるモノを発行する機能があり、あれ、トークンを発行するって事は証券っぽいじゃないか、という事を言える素地も出来上がっています。
これがまた投票権があったりして、プログラムの改編に対して物言うことが出来るという、まるで株式会社のような仕組みが組み込まれています。そりゃ、SECも何か言いたくなります。さて、これ、どう解決していくのでしょうか。

SECは主な中央集権取引所に対して訴訟を起こし、それなりに駄目なモノと良いモノをある程度色分けしつつあります。次はDEXということなのでしょう。ビットコインは証券ではないと言ってしまった感がありますが、イーサリアムはまだはっきりしません。それと同じように、DEXを取り締まれるか取り締まれないかという線引きに踏み込もうとしているようです。いずれにしてもどう考えても証券じゃ無いか?というようなトークンもあることから何らかの方法でDEXを取り締まることは避けられ無いと思われます。
DEXについての見解が見えてきたら今度はウォレットに踏み込む可能性があります。しかし、それはやり過ぎのような気がしていて、さすがにSECの範疇ではなさそうなので、やらないかもしれません。政治家は分かりませんけど。政治は民意といえば何でも出来てしまう存在なので。
しかし、ウォレットとDEXをつなぐと即、株式取引のようにスワップ出来ちゃうので扱っているトークンが証券と認定されてしまうと面倒くさくなります。誰が責任を持つのか?当然ターゲットとなるのは開発者ということになります。しかし、通常は運営者が対象となる事案に開発者を対象としても良いのでしょうか。乱暴に言うと、証券取引所のシステム開発会社に規制をかけるような感じになります。さすがにそれはやり過ぎのような気もするので、運営に関わっていると判断されるかどうかということなのでしょう。

規制でがんじがらめにされない限り、今後もDEXはどんどんと進化していくと思われますので、いずれ取引所は自動化され、プログラムで粛々と動くという形に変わっていく可能性が高いです。そうなったら運営主体がいなくなる状態というのも有り得ます。さらにオープンソースで開発されている場合、開発主体もボランティアになります。基本的には主たる管理者が存在しないという状態です。人々の善意に頼るということになります。この善意の集まりに国家機関が介入すると言うことが民主国家で可能かどうかは難しいところです。まだまだ発展途上な暗号資産業界といったところでしょうか。

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