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まだまだ稼げるイーサリアムマイニング。Difficulty Bombは再延期、PoS化は2022年以降

はじめにエクスキューズをしておくと、PoSが来てほしくないイーサリアムマイナーである私が、イーサリアム開発コミュニティの議事録から、「おし、これなら安心してマイニングを続けられるな」という気持ちを得るために調べた内容をまとめています。

「PoSが遅れる」「なるべく遅くなってほしい!」という願いが予めあって、それを裏付けるためだけの情報だけを抜き出しています。つまり、かなりマイナーにとってプラスの情報だけを抽出するバイアスが働いています。

PoSがなるべく早く来てほしい人が調べたらまた別の見方、見解になるでしょう。それでも、全て公式の議事録から取ってきた内容なので、適当な噂話や私の勝手な憶測で書いているわけではありません。
英文の読み間違いや読み過ごしなどはありうるので、もし何かあれば私のTwitterアカウントにご連絡ください。

Difficulty Bombとはなにか

採掘難易度爆弾や氷河期といった表現でも説明されることがあります。イーサリアム2.0が稼働し、1.0のPoW(グラフィックボードでのマイニング)が役目を終えたときに、1.0のマイニングをイーサリアムの開発チームが無理やり停止させることはできないため、徐々に移行してもらうために、採掘難易度を徐々に引き上げていき、マイニングしても報酬がほとんど得られない状態にしていくのがDifficulty Bombです。Difficulty Bombが発動される(投下される)=イーサリアムのPoS化が行われた、と考えてください。PoS稼働後にPoWを縮小、PoSに移行させるための手法です。

なぜDifficulty Bombが元々予定されていた2022年2Qから2021年12月に変更されたのか?(2021年5月14日)

EIP-3238で2022年2QにDifficulty Bombが投下されることが提案されていましたが、それが今回棄却され、代わりにEIP-3554が採択。2021年12月に実施されることになりました。

PoS化が順調に進んでいるから、というわけではありません。Difficulty Bombの影響を測るために、大きな難易度爆弾をメインネットにいきなり投下するのではなく、小刻みに延期をしながら影響を測ろう、実際の爆弾投下の適切な時期や量を見つけようという慎重な姿勢であるように見えます。

EIP-3554: Difficulty Bomb Delay to December 1st, 2021- the difficulty bomb calculation should be reviewed 3-4 weeks down the line.
https://github.com/ethereum/pm/blob/HEAD/All%20Core%20Devs%20Meetings/Meeting%20113.md

Difficulty Bombの再延期の可能性の示唆(2021年6月11日)

Yellowpaper EOA clarification / EIP-3607についての実装の話題で、コア開発者の一人は12月1日にEIP-3607(Yellowpaper EOA clarification)のマージの準備が整っていなかった場合、12月1日に延期されたDifficulty Bombを更に再度延期する必要があると述べています。

not necessarily because we're pushing back the difficulty bomb to december 1st assume the merge is not ready december first we're gonna need to push back the difficulty bomb again so that means that would be like I guess at the latest if we don't do it now we'll do it december 1st roughly
https://github.com/ethereum/pm/blob/HEAD/All%20Core%20Devs%20Meetings/Meeting%20115.md#iii-yellowpaper-eoa-clarification--eip-3607

上海アップデートでDifficulty Bombは再延期(2021年7月9日)

2021年11月の上海アップデートでDifficulty Bombの再延期が含まれる、と思われます。

コア開発チームで、Muir glacier part 2(ムーアグレイシャー)になるのか、EIP-3540やEIP-3074も含まれることになるのかは大違いだ、といった発言がありました。


Muir glacierはディフィカルティボムの適用を遅らせるためだけに過去に行われたアップグレードです。つまり、上海アップデートにDifficulty Bombの再延期が含まれるという前提の元、それ以外のEIP(実装)が含められるかどうか、という議論をしています。
ディフィカルティボムはPoSへ移行したあとにPoWにマイナーを残らせないための施策なので、12月1日時点ではPoSの準備は出来ていない見通しだということが分かります。

Micah
There will be a Shanghai in November because the difficulty bomb goes off in december, so we have to do something like there will be a patch that will go out in november, and we can call it shanghai

Tim
Yeah, but it's a big difference whether thats Muir glacier part 2 or whether it includes say EIP 3540 or 3074

Miach
I agree with Tomasz we should call it shanghai no matter what is in it.
like we should stick to shanghai the thing that happens after London and the next thing after London is the ting that will happen in November, we don't know what that is going to include yet but that will be shanghai
https://github.com/ethereum/pm/blob/HEAD/All%20Core%20Devs%20Meetings/Meeting%20117.md

まとめ

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