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今週の良かった新曲感想【1/8~1/14】

 どうもです。

 毎週恒例の新曲感想記事。1/8~1/14リリース分です。アルバム、EP、シングルを対象に自信をもってオススメできる曲を紹介していきます。読んでくださった方に1曲でも良き出逢いがあります様に。ではどうぞー。


#1『Hop Step Sheep』/ 角巻わため

 VTuberグループ「ホロライブ」所属4期生、角巻わための活動初となる全国流通フルアルバム。ケンモチヒデフミ、佐藤陽介(Hifumi,inc.)、佐藤純一(fhána)、FAKE TYPE.提供の書き下ろし新曲4曲と、ポルノグラフィティによる提供曲「Fins」、角巻自身が作詞した「夢見る羊」、「君色ハナミズキ」、「Happy day to you!」など全10曲を収録。
 元々、様々なタイプの楽曲を歌いこなせる器用な彼女でしたが、更に深みが増したなと感じさせる1枚でした。力強い情感豊かな歌声に加えて、ラップも進化しましたからね。明るく楽しく爽やかな楽曲が多かった印象もあり、聴く者にエネルギーとパワーを与えてくれるエンターテイナーぶりが発揮された意欲作でもありました。ポルノグラフィティの大ファンと公言していた彼女の夢が叶った「Fins」を始めとして、自身の夢を一つずつ叶えてきた経験が確実に自信に繋がっているのだと思います。新規曲では、キラキラエモーショナルソングとなった「きっと」(作詞・作編曲:佐藤陽介(Hifumi,inc.))と、勇気が貰えるパワフルな1曲「Go my way」(作詞:角巻わため、作編曲:木村孝明)が特に気に入っています。自身最大規模のワンマンライヴもいよいよ今月31日に迫ってきました。非常に楽しみです。


#2『ReUnion』/ hololive English -Myth-

 VTuberグループ「ホロライブ」の英語圏向けVTuberグループ「ホロライブEnglish」における1期生-Myth-(HoloMyth)の新曲。作詞:Steph、Mori Calliope、作編曲:Neko Hacker!!
 しっかりアイドルソングの雰囲気がありながら、ギターリフが流れた瞬間ネコハカ節炸裂でガッツポーズ(ギターソロもヤバすぎ最高)。自然とテンションが上がってくるテンポ感や、サビでの爽快感も素晴らしい。改めて、holomythのメンバーは個性豊かだなと実感できる寸劇的構成も好き。


#3『アンハッピーナイトタイム』/ レヴィ・エリファ

 「にじさんじ」所属バーチャルライバー、レヴィ・エリファの新曲。作詞・作曲:ペロ、編曲:石黑剛・ペロ。にじさんじのソロシングルCDプロジェクト『FOCUS ON』で今回フォーカスされました。
 レヴィちゃんの声色変化を伴った歌唱力を存分に味わえる楽曲展開が素晴らしいお洒落なエレクトロスウィング的1曲でした。ブラスが優雅さを掻き立ててますね。相変わらず本当にキレがいい歌声で、低音域での迫力も、高音域での美しさも半端ないです。同時収録された「深夜32時」も是非。


#4『バタフライエフェクト』/ 宗谷いちか

 774inc.運営のVTuber事務所ななしいんく所属、宗谷いちかの3曲目となるオリジナル楽曲。作詞・作編曲:立椅子かんな。昨年末の深海フェス2023にて初披露された楽曲ですね。
 エレクトロサウンドが印象的な疾走感溢れるロックナンバーで、非常にカッコイイ仕上がりでした。自分自身の人生観を曲にしたと語っており、タイトルにも納得の"すべては繋がっているから未来へ活かしていく"想いを感じ取りました。どこか儚げでクールな歌声も相変わらずステキ。


#5『ブルーモーメント feat.松永依織』/ Getty

 HARDCORE TANO* C / Hifumi,inc. 所属の作曲家&DJであるGetty(伊月 衛)の新曲。ボーカルには音楽事務所RIOT MUSICのサブレーベル「Blitz Wing」所属、Vsinger松永依織をフィーチャー。
 まさかすぎるコラボ!スペーシーでメロディアスなUKハードコアに仕上がっており、激しくも美しいドロップも最高でした。ライブで聴いたら確実にフロア湧きますね。そんな奥行きあるサウンドの中を、どこまでも伸び、どこまでも突き抜けていく依織ちゃんの歌声もカッコよかったです。


#6『君が居ない夜』/ Alice*Iris

 ボーカル担当のVTuber朝比奈こんと、作詞作曲担当のボカロP瑠芽(LUME)によるユニットの新曲。昨年は5曲とかなりリリースがあり、今年も早速リリースされました。
 むっちゃ好き!スペーシーな奥行きあるサウンドスケープが心地良く、気づいたらエモーショナルなメロディに包み込まれていく展開も素晴らしい。和風なギターフレーズが良いアクセントになっていたり、美しいセルフコーラスもあったりして聴き応えもありますね。


#7『Happy Shelter』/ レイン・パターソン

 にじさんじ所属バーチャルライバー、レイン・パターソンの2曲目となるオリジナル楽曲。作詞・作編曲はVTuber周防パトラが担当。
 パトラちゃんらしい電波ソング的要素やkawaii future bass的要素がブレンドされた楽しい1曲でした。サビメロの中毒性の高さや、ライブ向けにコール入れられそうな仕上がりも流石。ビートに乗った可愛い歌声をキープしたままの早口パートが好きですね。ダンスMVもカワイイ。


#8『熱電爆散』/ 電音部(帝音国際学院)

 DJをテーマにした物語や、新進気鋭のクリエイターによるクラブミュージックを展開しているメディアミックスプロジェクト電音部のシブヤエリア「帝音国際学院」の新曲。作詞・作編曲:チバニャン!
 先日の「電音部 ULTRA EXPO 2024」でお披露目された曲ですが、やっぱ電音部にはチバニャンが必要だなと!「爆裂タウマゼイン」好きには堪らない誰もが飛び跳ね、叫びたくなる様な爽快感と輝きを放つノリノリサウンド。そこから繰り出されるビルドアップやドロップが気持ち良すぎて脳汁爆散。ラスト40秒くらいの怒涛の3連符展開が最高に好き。


#9『25時の情熱』/ カンザキイオリ

 音楽アーティスト及び小説家のカンザキイオリの新曲。音楽ゲーム『プロジェクトセカイ』に登場するユニット「25時、ナイトコードで。」のイベント「あの日、奏でた音色を」書き下ろし楽曲。今回音源リリースされたのは、バーチャルシンガーver.ですが、YouTubeには両方あります。
 "好きなものは結局巡り巡って、もう一度好きになってしまう"、そんな気持ちを込めたと云う1曲。葛藤や不安の香りも漂い、どうしようもなく共感してしまい胸に来るモノがありましたね。優しく熱を帯びたエモーショナルなメロディが紡ぐ、ドラマティックな展開が大好きです。


#10『memento』/ tayori

 Tazuneru×樂による音楽ユニット"Islet(アイレット)"の楽曲にて数多くフィーチャリングしてきた歌い手"倚水"の三者が昨年7月に正式にグループとして結成した"tayori"、待望の1stアルバム。
 「星になる」「春を待つ」「白昼夢」「雪解け」とIslet時代の代表曲も収録されており、改めて集大成的な1枚にもなった気がします。倚水さんの切なくも力強い透き通った歌声は依然として美しく、新規曲を通して新たな一面も見れてとても良かったです。Tr.6「ビビッド」のリズミカルなメロディに乗った軽やかさや、Tr.9「夢遊」での温度感の高い息遣いは特に新鮮でした。素朴で優しい音色の数々や御伽噺の様な幻想的で美しい旋律、詩的で叙情的な言葉に溢れた歌詞、緩急のある徐々に熱を帯びていくドラマティックな曲展開も健在で、Tr.10「深夜特急」、Tr.11「メメント」のサビメロはやっぱりエモーショナルに仕上がっており、胸に沁みるモノがありました。初のワンマンライブの開催も3月4日に決定し、チケット握れたので楽しみです。


#11『Dispersion』/ NAQT VANE

 アメリカから帰国したボーカリストHarukazeを迎え、トータルプロデュースを多方面にわたり作曲家、音楽プロデューサーとして活動する澤野弘之、アートワークをClassic 6が担当するチームプロジェクトNAQT VANEの1stフルアルバム。過去にリリースされた楽曲と新たに8曲を加えた全16曲収録。
 今回初めて1人のボーカルを据えた、ひとつの作品として、表題曲のイントロからピアノソロによるエンディングまで、濃密な世界観が貫かれた作品でした。澤野さんらしい解放感と爽快感あるサウンドスケープ、耳に残るキャッチーさはありながらも、本当に彩り豊かな楽曲が揃ったなと。激しめなモノから穏やかなモノまで、聴きたくなるシチュエーションや、掻き立てられる感情も様々でした。Harukazeさんの力強くも優しい歌声は耳馴染みが良く、これだけアプローチが広いと表現も自然と幅広くなり驚かされました。Tr.8「Break Free」、Tr.12「VANE」、Tr.15「Beautiful Mess」が特に好きなんですが、伸びのある深く豊かな響きが特徴的なこの辺りは、スケール感のある澤野さんとのサウンドと改めて相乗効果が大きいなと思いましたね。いつかライブにも行きたいです。


#12『BREATHE』/ Another Now

 オランダは北ブラバント州アイントホーフェン出身のメタルコア/ポストハードコアバンドの新曲。
 ヨーロッパ圏らしいシンセをブレンドしたメタルコアサウンドが持ち味の彼らですが、いつも以上にブイブイ鳴ってて最高ですね。シンセが引っ込んだ途端のヘヴィネスとグルーヴも十分。流麗なメロディの波に乗るクリーンと激しいラップ調のスクリームも堪らん。


#13『Wither//Without』/ If I Were You

 アメリカニューヨーク出身のポストハードコア/メタルコアバンドの通算6枚目となるアルバム。5thアルバムからは実に約3年半ぶり。2022年リリースされた「Wither」以降のシングルを含む全8曲。
 2024年名盤確定。活動歴約13年のベテランですが、初期からずっと変わらない安心・安定・信頼のIf I Were Youらしい様式美を未だ貫き通しており、最高に尽きます。美麗なストリングスとピアノ、アンビエント要素、交錯するツインボーカル、叙情性に溢れたメロディなどを自在に組み合わせる絶妙なバランス感覚はどれも匠の域に達しています。何も変わってないかと言われるとそうではなく、Tr.4「Fallen」やTr.7「Cursed」では初めて耳にするシンセの音色が印象的だったり、Tr.6「Coward」はニューメタルコアのグルーヴに影響を恐らく受けていたりなど、新しい一面も感じられ嬉しかったですね。ぶっちぎりで好きな曲はアルバムを締めくくるTr.8「Drift」でした。雰囲気やビート、エモーショナル加減、ブレイクダウン、ドラマティックな展開、どこを取っても特にIf I Were You節が効いており、これからも自分達の信念や美意識を貫くという気概すら感じましたね。そろそろ来日頼む~。


#14『Odyssey』/ SABLE HILLS

 2015年にVo.Takuya、Gt/Vo.Rictの兄弟を中心に結成されたメタルコアバンドSABLE HILLSの新曲。先日ドイツの名門レーベル「Arising Empire」と契約を果たし、今年4月にリリースする3rdアルバム『Odyssey』より先行配信。
 イントロからメロディアスすぎて堪らない。昨年6月に加入した新メンバーGt/Vo. Wataruのボーカルの存在感も大きくクリーンパートでも十分に重厚感がありますね。時たま魅せるハードコア由来の激しさも嬉しく、ラストの地を這うようなモッシュ不可避ブレイクダウンはガチで素晴らしかった。


―――以上、1/8~1/14はアルバム4枚、シングル10枚の新曲感想でした。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。その他何かオススメ曲や要望等あれば何でもお気軽にコメントください。また、少しでも良かったと感じていただけたら、スキ♡を押したり(noteアカウントなくても押せます)、シェアしたりしていただけると大変励みになります。フォローも大歓迎です。よろしくお願いします!

※先週の新曲感想はこちらから。

#ライブレポート

【1/13, 14 神椿代々木決戦二〇二四@代々木第一体育館】

2日間本当にありがとうございました!

 クリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」所属V.W.Pと花譜それぞれのワンマンライブに2日間に渡って参加してきました。
 Day1がバーチャルシンガーである花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜の5人が集結したバーチャルアーティストグループ「V.W.P」の2nd ONE-MAN LIVE「現象II-魔女拡成-」で、2022年に開催された初ワンマンライブ「現象」以来約2年ぶり。
 Day2が花譜 4th ONE-MAN LIVE「怪歌」で、2019年からスタートしたライブシリーズ「不可解」が2023年3月に完結し、新たに「怪歌」が始動。 花譜単独のリアル会場公演としては2022年の日本武道館ぶり。

 代々木第一体育館は初めて来たんですけど、縦横の広さも高さもあって大きかったですね。でも確かに横浜アリーナやSSA程はない位のキャパ。ステージセットは下段にバンドメンバーとストリングス計9人が並び、中央に演者、上段の特大スクリーンにはMV等が映し出される形でした。両サイドには樹が生い茂っており、それを覆う様な紗幕的スクリーン左右2枚とスタンドから見えるスクリーンが左右2枚で計5枚ほど。かなり豪華でしたね。

 Day1は南スタンドの1列目、上手側の音が若干聴こえづらいだけで、かなりステージは見やすかったです。自己紹介的なナンバーでもある「共鳴」でスタートし、そのまま「玩具」「秘密」「定命」など系譜曲7曲を披露。何度も聴いているのに、中でも「再会」のラスサビで静寂を貫く情緒ちゃんの“会いたいと~”の処で何かが降臨してたと錯覚するくらいエグい歌声が響き渡り、感じた事のない鳥肌でした。本当に凄かった…。

 次は2人組による派生曲パート。「魔的」「素的」「不的」「私的」と途中で勘付いた人が多いであろう綺麗に揃えられ、ラストは5人での拡声曲「飛翔」で〆でした。
 続くは事前にお知らせもあった神椿アーティスト達とのコラボパート。幸祜×CIEL「此処で咲かせて」と花譜×Albemuth「千年奏者」は早速未リリースの新曲披露となり、大いに会場を沸かせてくれましたね。情緒×VALISではレアなアイドル姿の情緒ちゃん生お披露目となりコレも嬉しかった人多かったんじゃないかなと思います(自分もその一人)。リアルアーティストコラボとなった理芽×Guiano「絵画のように美しくいたかった」、春猿火×梓川「friction」も神椿フェスぶりの光景でやはり刺激的でした。

 いつもの休憩パートでもあるDISCOTIQUEを挟み、お次はV.W.Pに加えて、音楽的同位体のV.I.Pと、VALISが駆け付け、総勢15名による「プロトコール」と「機械の声」が披露されました。特に「機械の声」はガチ名曲でしたね、今年リリースするなら絶対トップ張れる位。VALISの一体感あるダンスはとても綺麗だし、VWPとVIPがそれぞれ向き合って歌ってる姿はグッと来るモノがありました。

 そんな感動冷めやらぬ中、次のパートに移り、予想してなかったソロエモーショナルパートとなりました。ヰ世界情緒「描き続けた君へ」、理芽「百年」、幸祜「ゲンフウケイ」、春猿火「身空歌」、花譜「邂逅」と、2023年に展開してきたワンマンライブ「SINKA LIVEシリーズ」を象徴する楽曲を披露してくれました。中でも、まさかゲンフウケイを聴けるとは思わなくて号泣オタクでした。5人とも伝えたい想いと成長した姿をここで堂々と魅せつけてくれたと思います。本当に感動でした。

 VWPとして集結した後は、変則的な新曲「花束」を披露して、そのまま「祭壇」と「言霊」をマッシュアップした「祭霊」まで。もう天才が行き過ぎてて、うわあああ(泣)状態。さすがに音源化されない気がしているので、生で聴けて本当に良かったです。

 ラストは新曲パレードパート。「同盟」「強気」「感情」「切札」と次々と披露され感情が追いつかないながらも、進化したVWPの姿を目に焼き付けてました。本当に力強く、観客を巻き込んだパフォーマンスも最高でしたね。唯一リリース済みだった「感情」の声出しも楽しかった。

 長めのMCの時間がここで取られたんですが、順番にこの日に掛けてきた想いを口にしながら思わず涙ぐんでしまうメンバーもいて。1stワンマンではそんな事無かったので、紡がれる言葉からこの2年間にあった裏側に想いを馳せながら聞いてました。メンバーやファンに涙を魅せてしまう位には、それぞれが本気で自分自身とVWPと向き合って来たんだなって伝わってきたので、そんな人間らしい部分にどうしようもなく感動しましたね。アレはいつものプロ意識を上回る尊き瞬間でした。特に情緒ちゃんのMCで「曲を通して皆さんとの出会いがあって、それが今日まで歩みを続けていたコトがどれだけ愛おしいか」みたいな言葉が刺さりすぎて一生忘れないです。

 そして、本当に最後の最後となる32曲目はやはり「魔女(真)」。生涯忘れる事はないだろう素晴らしい景色でした。初めて披露された時からずっと本当にこの曲が大好きで、こんな大きな舞台で観測できて感動と感謝の気持ちで一杯です。2年前のVWPも凄かったけど、覚醒を遂げた今はもっともっと凄かった。「魔女(真)」は間違いなく“最高”を更新したし、そしてコレからも大切に更新されていくはずです。


 一夜明けてDay2。座席はアリーナの最後列ドセンでした。ライブ人生に於いて何気に最後列初めてで、ガチ後方腕組みなのでは…とか思いながら見える景色はむっちゃ綺麗でしたね。あと音響は昨日とは段違いに良き。

 初めは「青春の温度」とアップテンポナンバーから。そのまま最新アルバム『狂想』から「人を気取る」「未観測」「世惑い子」「それを世界と言うんだね」とシンガロングもできる楽曲を揃えてくれました。序盤のパートを締めくくったのは昨日ぶりとなる「邂逅」。改めてカンザキイオリさんとのお別れじゃないけどお別れを告げる様に感動の渦で会場を包んでくれました。本当に何回聴いても涙ぐんでしまう自分がいます…。

 続いてコラボである組曲パートに入り、佐倉綾音との7分超に渡るドラマティック曲で涙を禁じ得ない「あさひ」、森カリオペとの英語ラップアレンジが余りにカッコよかった「しゅげーハイ!!!」、KTちゃんとのラップの掛け合いが楽しかった「ギミギミ逃避行」と、組曲らしく多彩な花譜ちゃんを魅せてくれました。

 思ったより早めにDISCOTIQUEを挟み、そのまま音楽的同位体"可不"が登場し、共に「CAN-VERSE」と「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」を披露。一緒に動きながら歌う姿可愛かったな…。

 場面が変わると、ここで遂にバーチャルヒューマン花譜が特大スクリーンに登場。この大舞台でしか出来ない迫力ある試みで最高でした。長谷川白紙との「蕾に雷」とMONDO GROSSOとの「わたしの声」を続けて披露。長谷川さんは担々とシンセを弾き倒す姿がカッコよかったし、「わたしの声」はライブで超楽しみにしてたんですがガチで凄かった。あのレベルの重層的な音楽体験は中々ないと思うので、体験できて本当に感謝です。

 お次は新曲パート。歌承曲と題された、新しいクリエイター達を迎えた新曲達を計6曲お披露目。「ホワイトブーケ」と「ゲシュタルト」ではVALISが駆け付けダンスを披露。「美しい最低でも綺麗な世界」ではGuianoさんが登場し共に歌って魅せてくれました。Guianoさんが終り際に"花譜ちゃんと歌えて良かったです"と言った時に、花譜ちゃんが"Guianoさん…"って言葉を漏らしてたシーンも印象的でしたね。

 そして、ラストスパート。今回のライブの一番の目玉であり衝撃だった「廻花」の誕生の瞬間ですね。

 ステージに登場した時のどよめきと、彼女が声を発した時の拍手は忘れる事はないでしょう。驚きと動揺と混乱と祝福、色んな感情が混在していた瞬間だと思います。自分も遂に来てしまったか…と100%冷静ではいられなかったですね。でも彼女自身が作った曲を、歌声を聴いている内に徐々に落ち着きを取り戻していたと思います。「ターミナル」「ひぐらしのうた」「スタンドバイミー」「転校生」どれも言葉選びが繊細で改めて彼女の才能に感動でしたね。

 ラストの曲の前にMCでは、「花譜」としての活動を振り返る様に赤裸々に想いを語ってくれました。やはりファンから見えている姿と彼女自身が思う自分とのズレがあって、その辻褄合わせに辛くなる瞬間があったみたいですね。良い所ばかり見せて後ろめたくなって見て見ぬふりをして、でもだからこそ活動を続けて来れた部分も勿論あって。色んな人が形作ってくれる全てが「花譜」だと。ただ、彼女にとっての歌はそうじゃない気持ちをも表現できるものだから「廻花」として届けようとしてくれました。何度も“ありがとう”と言葉にする姿がいつもに増して印象的で、こちらこそ“ありがとう”をまだまだ返していきたいなと思いましたね…本当に。

 丁寧に言葉を紡いだままラスト「かいか」を披露。これがまた本当に素晴らしい曲でした。武道館ラストで聴いた「マイディア」に並ぶ位。カンザキイオリさんから受けた影響を感じさせながらも、確かに彼女が奏でる旋律になってましたね。"初めまして うまく言えないのはお互いさまなんだろうな"と云う歌詞もファンはしっかり受け取れたんじゃないかと思います。歌い終わった後には「みんな…愛してる!花譜でした、そして廻花でした、またね!」と言葉を残し、幕を閉じました。

 『花譜怪歌』はいつも以上に起承転結、過去現在未来と綺麗に構成されたライブだったなと思います。リアルのライブ感もありつつ、「廻花」誕生の瞬間を以て確かな新スタートを切った、絶対に崩せない作品として完成度が高すぎました。まだ正直なところ完全には気持ちの整理がついてないですが、彼女をこれからも応援していきたいですし、「廻花」としての活動も上手くいくといいなと思います。ただ、すっかり大人になった彼女の姿を見て寂しさみたいなのが若干ある感じですね。子供が親離れした様な感覚なのかもしれません。でもそれを見て見ぬふりは此方もできないから、今後のアプローチや楽曲を聴く中で、少しずつ気持ちが追い付くはずなので大丈夫でしょう。これからもっと貴女の事を知れる、表現の可能性が拡がっていくと思うと楽しみで仕方ない気持ちもありますし。

 とゆーわけで、改めて2日間に渡り最高のライブをありがとうございました!神椿には毎度驚かされてばかりなんですが、今回も凄かったなぁと。演出や新曲などは勿論、特にメンバーの成長具合に特に驚かされた2日間でした。結束を強め、変化を止めない彼女達には今後も期待しかないです。4月のAlbemuthを皮切りにリアル会場でのワンマンライブも次々と展開されるみたいなので、また参加できるの楽しみにしてます。

 では今回はこの辺で。また来週お逢いしましょう!

 

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