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VTuber楽曲紹介と魅力について(前編)

 どうもです。

 今回は、音楽記事になります。内容は表題の通りで、VTuber楽曲の紹介と、その魅力について書いていきます。

 どうしてこの記事を書く事になったかと云うと、2022年2月26日に行われたキズナアイのラストライブと、同年3月19日、20日に行われたホロライブ3rd fesが主なキッカケ。5年間追い続けたきたアイちゃんのラストライブでは、自分でも有り得ない位感動して、楽曲に想い出の分だけ乗っかる重みを思い知らされました。そして、イマを代表するビッグコンテンツとなったホロライブの全体ライブでは、その凄まじさを現地で体感させられまた涙。この時から、VTuber楽曲の持つ魅力を改めて確信した訳です。VTuberと云う、様々なインターネットコンテンツの文脈を辿った頂点に位置する存在。彼・彼女達が歌う楽曲の性質が如何に特殊かと云う事を。そこで、今一度、自分の為にもその魅力について書いておきたいなと思った次第です。

 現在、数え切れない程のVTuberが活動しており、それに比例して楽曲も増え続け、今や一大音楽シーンを築き上げています。正確な数は把握できていませんが、自分が観測しただけでもオリジナル楽曲は1000曲を軽く超えているはずです。今後もとてつもないスピードで増え続けていくでしょう。そんなVTuber楽曲を1人でも多くの人に聴いて欲しいと思い、次いでに紹介記事にして沼らせようと云う魂胆。

 では、前置きはこの辺にして、早速紹介してきます。厳選に厳選を重ねた計50曲。再生しつつ記事を読み進めていただければと思います。前編・後編25曲ずつ分けまして、最後に、VTuber楽曲の魅力について書きます。

 ※初心者向けの紹介記事になるので、造詣が深い方には知ってる曲ばかりになるかもしれません。その場合はサラッと流して貰っても構わないので、共感等して頂けたら、是非シェアして広めてくださると嬉しいです。

  


#1「Sky High」/ Kizuna AI

(作詞・作編曲:Yunomi)

 2016年11月29日に活動開始。世界初のバーチャルYouTuberとして誕生した、VTuber界のパイオニア的存在。"VTuber四天王"の1人でもあり、トップランナーとして、業界全体を支え続けてきてくれました。2020年以降はKizuna AI株式会社に所属。2022年2月26日に行われたラストライブ「hello, world 2022」を以て、現在はスリープ中(無期限活動休止)です。
 「世界中の“みんな“とつながるため」と云う夢があり、言語など様々な壁を超える手段として、本格的な音楽アーティスト活動にも力を入れてきました。2018年7月に初オリジナル曲「Hello, Morning」をリリースしたのち、10月から12月にかけて新曲を9週連続リリース。Yunomi、Avec Avec、Nor、Pa’s Lam System、TeddyLoid、MATZ、DÉ DÉ MOUSE、☆Taku Takahashiなど名立たるプロデューサー達に楽曲を提供してもらい、キズナアイ自身もいくつか作詞を担当しました。また、2018年末には自身初となるワンマンライブ「Kizuna AI 1st Live "hello, world"」を開催。
 上記の「Sky High」は、そのソロライブを経て制作された、アーティストとして大きく成長しつつも、彼女の不安や期待、決意など複雑な想いが込められている力強いアンセムです。サマソニ2019出演時にも披露されました。今年、終わらないと思っていた物語に一旦ピリオドを打った彼女。今からでも良いので、これまでの軌跡を覗いてあげてみてください。


#2「叩ケ 叩ケ 手ェ叩ケ」/ SIRO(電脳少女シロ)

(作詞・作編曲:ヒゲドライバー)

 2017年6月23日に活動開始。株式会社アップランドが運営する「.LIVE」に所属。彼女もまた"VTuber四天王"の1人であり、彼女にとってキズナアイは自身が誕生したキッカケ。キズナアイはずっと先を走り続けている偉大な「先輩」であると同時に、下積み時代を共に走り続けた「戦友」であり、2人は特別な絆で結ばれています。アイドルに憧れるバーチャルYouTuberとして、バーチャルの世界を活かしたVRやゲーム実況、踊ってみたをYouTubeで配信するなど多岐にわたって活動中。イルカの鳴き声のような笑い声が特徴的でシロイルカと呼ばれる事も。英語での動画配信も行うほど語学も堪能で、料理やFPSも得意、本当に多才です。また、地上波放送のバラエティー 番組『超人女子戦士ガリベンガーV』にも出演中。
 上記の「叩ケ 叩ケ 手ェ叩ケ」を含む、「46」、「またあした」の3曲が初のオリジナル楽曲。2019年8月24日に豊洲PITにて開催された「電脳少女シロ生誕祭」イベントにて初披露されました。ライブで流せば、盛り上がること間違いなしのアップテンポな楽曲で、今でも大人気です。


#3「Dance With Cinderella !」/ 輝夜月かぐやるな

(作詞:輝夜月、作編曲:PABLO a.k.a. WTF!?)

 2017年12月9日に活動開始。株式会社VIC(事務所)、SACRA MUSIC(レーベル)に所属。"VTuber四天王"の1人。チャンネル登録者数の伸び率は驚異的で爆発的な人気を記録し、"バーチャルYouTuber"という存在そのものを初めて世間にバズらせた火付け役。VTuber同士の交流を活発化させたのも彼女。台本無しで動画投稿するなど、破壊的かつユーモア溢れるトークとナチュラルボーンでチャーミングなキャラクターを武器に、その酩酊感から”観るストロングゼロ”、特有の声質から”首絞めハム太郎”などとも言われていました。色々あって、中の人は現在も活動中ですが、輝夜月としては事実上の活動休止状態となっています。
 2018年8月30日には初のオリジナル曲「Beyond the Moon」を配信リリース。翌8月31日には世界初・史上初の「VRライブ@Zepp VR」を敢行し、VRライブチケットは瞬殺で完売、全国15か所の映画館でのライブビューイングでは5,000人を超える動員を記録。上記の「Dance With Cinderella !」は2ndVRライブで初披露となった楽曲で、空間上にリリックが飛び出し、空中を飛び回る歌詞の下でガーリィなダンスを披露。彼女が生み出したキャラクター「エビーバー」に扮した観客と会場を沸かせてくれました。活動期間は短かったですが、間違いなく歴史に多くを刻んだVTuberで、自分も沢山の想い出を彼女から貰いました。 


#4「Fly to NEWWORLD」/ ミライアカリ

(作詞:安藤紗々、作編曲:神田ジョン)

 2017年10月27日に活動開始。2020年よりメジャーレーベル「GOOM STUDIO」に所属。"VTuber四天王"の1人であり、下ネタにも寛容でSNSでエゴサもするなど、視聴者に身近な存在としてのVTuberを作り出した存在。元気で明るいキャラクターが武器で、コミュニケーション能力も抜群に高く、鋼メンタルの持ち主。歌ったり踊ったりゲームしたり、YouTubeを見たり調べごとをするのが好きな一方で、記憶喪失の為、得意なことや不得意なこと等はわからない。そこで、誕生日なんかはキズナアイと輝夜月によって決められ、その動画が投稿された11月21日が誕生日になったエピソードも。
 上記の曲は、彼女の記念すべきメジャーデビューシングル。この公開と同時に衣装も大きくリニューアルされ、自身をNewミライアカリと称しています。手足が長く、抜群のプロポーションを持ってるので、MVも非常に見栄えが良いです。勢いを感じるアッパーチューンで、歌詞には彼女のありのままが表現されています。「君と一緒に夢を見よう、君と一緒に夢かなえよう」と云う後半のフレーズは、彼女が常に強く願っている事で、今でも支えてくれるファンに"応援しててよかった"と思ってもらえるような楽曲を歌い続けています。


#5「MY ONLY GRADATION」/ 富士葵ふじあおい

(作詞:草野華余子・富士葵、作曲:草野華余子、編曲:eba)

 2017年12月8日に活動開始。2018年以降はユニバーサルミュージックジャパン(レーベルはAcro)に所属。17歳の女子高生という設定で、眉で切りそろえたぱっつん前髪、青い鉢巻、セーラー服などがトレードマーク。「キミの心の応援団長」コンセプトに、カバーソングなどを中心に動画を投稿してきました。彼女の真の持ち味は、動画でも披露される異次元の歌唱力。当時からその歌声に多くのファンが魅了されてきました。そんな歌唱力が評価されるのに反して、外見に関しては心無い言葉を浴びせられることがありました。そこで、2018年4月にクラウドファンディングの支援を元に、旧モデルの面影を残しつつアップデートモデルを発表。スカートのアクセサリーや髪飾りに施された和のテイストは、本人曰く「海外の視聴者に見てもらえた時、葵が日本のVtuberであるということを印象付けたい」からとのこと。
 上記の曲は、記念すべき1stアルバム 『有機的パレットシンドローム』の表題曲。彼女も作詞を担当した、ギターバッキングが印象的なアップテンポのロックチューン。「みんなの心の応援団長で居たい、でも同時に、自分にしか無い色をちゃんと見付けたい」とずっと揺れ動いていた葛藤。その心の動き=グラデーションそのものが富士葵の色であり、輝きである。そう答えを出せた一曲となっています。ライブでも歌唱力は健在で、いつも圧倒されます。「シンビジウム」も凄まじいので是非、聴いてみてください。


#6「シンクロニティ」/ おめシス

(作詞:TEEDA(BACK-ON)、作曲:KENJI03(BACK-ON))

 2018年3月5日に活動開始。おめがレイ(姉・赤いリボン・ツッコミ)と、おめがリオ(妹・青いリボン・ボケ)による双子VTuber・おめがシスターズ。2020年末のupd8解散以降はフリーとして活動しています。歌動画にゲーム実況と幅広いジャンルの動画をYouTubeに投稿し活動していますが、漫才的なかけ合いが多く、お笑い的要素が濃い目。また、VRや3DCGを題材とした動画が多いことが特色で、そんなバーチャルを武器にした個性的な企画が多い。最近では、2022年3月7日に投稿した「姉に久々に会ったら、実写になってました。」内で、おめシスは現実の体に顔だけ3DCGモデルを合成するという、斬新なスタイルを発案。その後は、おめシスの初期衣装を現実世界で着た姿を披露し、まさしく実写とバーチャルの融合を果たしました(笑)
 上記の曲は、自身の活動1周年に合わせて公開された初のオリジナル楽曲で、作詞・作曲はミクスチャー・ロックバンドBACK-ONが担当。彼女達も彼らのファンであり、加えて彼女たちが愛してやまないTVアニメ「ガンダム」シリーズの主題歌にも起用されました。姉妹の歌声がシンクロし、VTuber界では唯一無二のポジションを築き上げた彼女達の「『いままで』と『これから』」を表現した最高の曲となっています。


#7「人類みなセンパイ!」/ アズマリム

(作詞:畑亜貴、作編曲:まふまふ・田中秀和(MONACA))

 2018年2月27日に活動開始。当初は企業に所属していましたが、2020年7月7日以降は個人で活動してます。愛称はアズリムで、挨拶は「おつおつおー!」。ファンを"センパイ"と呼ぶ、17歳の後輩系ぼっちバーチャル女子高生。猫耳パーカーと絶対領域ニーソ、そして絶望的なスタミナから繰り出される息切れ芸が特徴です。個人勢になってからは、以前から反響の大きかったホラーゲームの実況や歌ってみた動画が主。2021年に小型二輪MT免許を取得した後は、得意の編集技術を活かし、バイクによるツーリング動画など、実写映像に自身の姿が自然に溶け込んだ動画も投稿する様に。愛車はスーパーカブC125で、自身を「バーチャルバイク生物」と称しています。
 上記の曲は、初のオリジナル楽曲で、2019年9月28日の初単独イベント「人類みなセンパイ計画!」でも披露されました。多幸感あるメロディに可愛らしいアレンジが印象的な楽曲で、sugarbeansさんのエモいピアノが堪りません。歌詞には、普段は言えない彼女の等身大の想いが込められており、ガチ恋ソングに仕上がっています。それもあって自分含め、今でも根強いファンが彼女の傍にはついています。


#8「ヒトガタ」/ HIMEHINA

(作詞:ゴゴ、作編曲:南田健吾)

 田中ヒメ(中華&ピンク髪)、鈴木ヒナ(欧州&金髪)によるユニットです。2018年3月18日に田中ヒメが先行してYouTubeで活動開始。その後5月29日に鈴木ヒナが合流し、HIMEHINAとして本格的に活動。バーチャル女児として、日本国内のみならず、中国国内でも同時放送がなされ、多くのジョジ民(彼女たちのファンの総称)を獲得してきました。歌やダンスといった音楽活動を中心に、笑いの堪えないバラエティ企画やゲーム実況など幅広く動画も投稿しています。
 
上記の「ヒトガタ」は、2人の初のオリジナル曲で、2019年2月20日に公開してから約15ヵ月で1000万再生を達成した伝説曲。今では1000万再生を叩き出しているVTuber楽曲は多くなりましたが、当時は「劣等上等」カバーも1295万再生で、VTuberで唯一、1000万再生を2本持つという偉業を成し遂げていました。MVでは、EDMトラックをバックに2人が力強い歌声を荒廃した世界に響き渡らせている様子をチェックできます。普段とのギャップが余りに凄くて、本当にカッコイイに尽きる。加えて、ダンスにコマネチを入れてくるユニークさも目立つのは、非常に彼女達らしいです。


#9「ココロノック」/ YuNi

(作詞・作編曲:YUC'e)

 2018年6月14日に活動開始。バーチャルシンガー(Vsinger)のパイオニアとして、オリジナル楽曲や歌ってみた動画をひたすら投稿。「VTuberと現実の架け橋になりたい」と云う想いを胸に、歌と真摯に向き合った活動を続け、昭和の歌謡曲、アニソン、ボカロ、洋楽など、幅広いジャンルの楽曲を透明感のある歌声で表現してきました。今では数多く存在しているVsingerですが、彼女が世界初のVsingerとして、バーチャルの音楽シーンを牽引してきたと云っても過言ではありません。
 当初はプライベートレーベルyunion.waveを発足し、オリジナルソング「透明声彩(作詞・作編曲:YUC'e)」をリリース。その後、コンスタントにリリースやライブイベントを重ね、2020年8月よりレコード会社TOY'S FACTORYに所属。上記の「ココロノック」は、所属後初となるシングル曲。彼女らしい優しくも芯のある歌い方が際立ち、明るく振舞ったりふざけたりして隠してしまいがちな女の子の本音と乙女心を描いたミドルバラードに仕上がっています。2番ではサビに行かずに景色が変わってコーラスパートに入っていく処も、聴きどころです。


#10「Shiny Smily Story」/ hololive IDOL PROJECT

(作詞:金丸佳史(onetrap)、作編曲:中野領太 (onetrap))

 カバー株式会社が運営するVTuber事務所「ホロライブプロダクション」に
所属する女性タレントのグループ「ホロライブ」。海外タレントを有する程に海外展開にも力を入れており、"日本発のバーチャルタレントIPで世界中のファンを熱狂させる"をビジョンとしています。事務所の名称は、2017年9月7日に活動開始した代表アイドルときのそらをイメージキャラクターとした、ライブ配信サービス『hololive』に由来。
 上記の曲は、2019年9月16日にリリースされたホロライブ初となる公式曲で今でも多くのファンに愛されています。それぞれの夢に向けた活動や想いを綴った歌詞に、明るくポップで元気溢れるサウンドを乗せたこの曲は、多様性のある所属タレントを有するホロライブのテーマソングとも言えるような1曲となっています。アイドルでありストリーマーでもある彼女達は、この曲の持つ圧倒的な強度のメッセージに勝るとも劣らない存在となり、グループ全体で力を合わせイマを代表するビッグコンテンツを発信し続けています。今年3月にリリースされた全体曲「Prism Melody」も圧倒的泣きメロが素晴らしく、ファンを夢の先へ連れていってくれます。


#11「Step and Go!!」/ ときのそら

(作詞・作曲:多田慎也、編曲:島田尚)

 2017年9月7日に活動開始。先述した通り、名実共にホロライブ最初のバーチャルアイドルかつ正統派アイドル。純朴さや天然な処があり、独特の包容力を持ち、後輩にも慕われています。歌とホラーゲームが大好きで、負けず嫌い。活動当初からの夢は「横浜アリーナでライブをすること」。と云うのも、初めて母親に連れられて行ったアイドルライブの会場が横浜アリーナで、「いつかここでライブをしているところが観たい」と云う母親からの言葉を鮮明に覚えており、それがそのまま目標となったそうです。精力的に外部コラボやイベントでの交流を行っており、特に富士葵とは何回も交流する内に、お互いのことを真のバディと認め合っています。
 2019年3月にビクターエンタテインメントからメジャーデビュー。4枚のアルバムをリリースし、2019年10月6日にはときのそら初の単独ライブ「Dream!」を開催。上記の曲は、2ndアルバム『ON STAGE!』のリード曲で、一歩踏み出せない人の背中を押す超王道の応援ソング。エモーショナルなメロディと、暖かくも力強い楽曲の雰囲気が、彼女の優しさと見事にリンク。真っすぐでピュアな歌声と、空を突き抜ける様なハイトーンボイスで美しく歌い上げています。2022年9月に活動5周年を迎えます。彼女の夢が叶うよう、応援してくれる人が1人でも増える事を願っています。


#12「Stellar Stellar」/ 星街ほしまちすいせい

(作詞 : 星街すいせい、作編曲:TAKU INOUE)

 2018年3月22日に個人で活動開始。2019年5月19日にイノナカミュージックに、同年12月1日にホロライブへ転籍と異例の経歴を歩んできた彼女。2022年4月にサウンドプロデューサーTAKU INOUEが新たに発足した音楽プロジェクト「Midnight Grand Orchestra」のメンバーとしてTOY'S FACTORYにも所属。歌とアイドルをこよなく愛する永遠の18歳のアイドルVTuberで、すいちゃんの愛称で親しまれています。いつか日本武道館でライブを開催することを夢見て活動中。
 個人時代は、初のオリジナル楽曲「comet(作詞作編曲:*Luna)」を自らが全てディレクションして制作。今では大人気曲ですが、当時は中々伸びず、思い悩む事もあったそう。しかし、負けず嫌いな彼女は努力を続け、個人から企業勢へ転換を機に、透き通る歌声に加えて力強さが増し、表現力も豊かになりました。そして、2021年9月29日に「comet」含む1stアルバム『Still Still Stellar』をリリース。シンガーとしての才覚だけではなく、挑戦することを恐れずいつでも前向きに努力してきた彼女の軌跡が詰まった作品とも云えます。上記の曲は、その表題曲であり、「星の王子さま」を読み込んで思い浮かんだ素直な気持ちを歌詞に落とし込んだそう。綺麗な輪郭ある歌声で空間を包み込む、圧倒的な歌唱力を感じられるはずです。同年10月21日にはソロライブ「"STELLAR into the GALAXY"」も開催。彼女が武道館に立つ日もそう遠くはないでしょう。


#13「MERA MERA」/ Mori Calliope

(作詞:Mori Calliope・JUN、作編曲:Giga)

 2020年9月12日に活動開始。ホロライブ所属で、英語圏を中心に活動する部門「ホロライブEnglish」の神話をモチーフにした「holoMyth」のメンバー。日本表記だと森カリオペ。クールな大人びた声が特徴的ですが、たまに日本語で喋ると一気に可愛くなる。ゲーム実況がメインですが、ラッパーとしての技術も高く、彼女の歌唱は動画の人気コンテンツとなっています。
 特に、初のオリジナル楽曲「失礼しますが、RIP♡」では英語と日本語を織り交ぜた見事な高速ラップを見せつけました。2021年4月4日には、ホロライブ史上初&キャリア初となる全国流通EP『Your Mori.』をリリース。収録された「Red」では、彼女自らリリック・MVを手掛ける多才っぷりを発揮。
 上記の曲は、今年7月20日にEMI Recordsよりリリースを控えたメジャー1stEP『SHINIGAMI NOTE』からの先行配信曲。本作も英語詞を手掛け、尖った遊び心満載エレクトロサウンドと高速ラップの中毒性がエグイ。サイケデリックでエキゾチックな雰囲気を纏い、カッコイイ歌声をこれでもかと浴びせてきます。また、星街すいせいとは、デュエット曲も多く「Wicked」むっちゃカッコイイので是非チェックを。EPリリース翌日の7月21日には初のソロライブが控えており、彼女の怒涛の勢いは留まる事を知りません。


#14「#あくあ色ぱれっと」/ みなとあくあ

(作詞・作編曲:Junky)

 2018年8月8日に活動開始。ホロライブ所属で、2期生のメンバー。肩書は「バーチャルマリンメイド」で、あくたんの愛称で親しまれている彼女は、「引っ込み思案な自分を変えたい」と願いホロライブの門を叩きました。自他共に認める壊滅的なコミュ障で陰キャの烙印が押されがちな彼女。趣味もアニメ・漫画・ゲームが中心で完全な引きこもりオタク。ですが、内に秘めているモノは熱く、ゲームの腕も確か。ホロライブ内のゲーム大会では悔し泣きし、ゲーム配信ではガチプレイヤーにも近いストイックさで臨み、活動に迷ったときには1週間にわたって休止するなど、その真剣さ・真面目さは誰にも引けを取りません。
 上記の曲は、初のオリジナルソング。どこか切なさがありながらも、直球どストレートなアイドルソングに仕上がっています。彼女の優しい歌声ともピッタリ。自身初となるソロライブ「あくあ色すーぱー☆どり~む♪」では、「曲、歌詞、タイトルすべてにこだわった曲」として紹介されました。特に「ねぇもっと!好きになってもらいたいの! 頭の中は君ばっか!」と云うフレーズは、「(好きな人に)好きになって欲しい」というファンへの願望とも云える想いが込められており、この曲を聴いたら最後、彼女をずっと応援したいと思わざるを得ません。


#15「My song」/ 角巻つのまきわため

(作詞:田淵智也、作編曲:堀江晶太)

 2019年12月29日に活動開始。ホロライブ所属で、4期生「ホロふぉーす」のメンバー。元々ホロライブのファンで加入した彼女。デビュー初期から毎週歌枠「わためぇNight Fever!!」をスタートし、オリジナル曲もコンスタントにリリース。自身で作詞を精力的に行うなど、並々ならぬ情熱を持って音楽活動に打ち込んできました。そんな中で、先輩のさくらみこから「武道館行っちゃえよ」と言われ、日本武道館に立ちたいと云う夢が確かなモノになっていったそうです。昔は、意外にも歌う事が苦手だったみたいで、歌や作詞を通して気持ちを表現することの喜びを知り、その音楽を受け止めるファンの存在が、彼女にとって歌を必要不可欠なものとしたと云います。
 上記の曲は、作詞・作編曲も神タッグで贈る、2ndアルバム『わためのうた vol.2』の表題曲。2021年10月の初のソロライブ『わためぇ Night Fever!!』で披露されました。過去現在未来の彼女の音楽活動の歩みを投影した曲であり、映像では東京でもがきながら夢を追う若者のストーリーとして描いています。美しく疾走感のあるロックナンバーで、普段の"ふわふわ"とした甘い声からは想像もつかない様な力強い情感豊かな歌声を響かせてくれて、自然とパワーももらえます。他にも様々なタイプを歌いこなす実力派な彼女もまた、夢を叶える日はすぐ近くまで来ている気がします。


#16「Palette」/ 常闇とこやみトワ

(作詞:常闇トワ、作編曲:niki)

 2020年1月3日に活動開始。ホロライブ所属で、4期生「ホロふぉーす」のメンバー。1人前の悪魔になる為の社会勉強として人間界にやってきた小悪魔ですが、超常識人で悪魔らしからぬ可愛らしい容姿や温厚な性格からファンの間で「TMT(トワ様マジ天使)」というスラングが誕生する程。また、歯に衣着せずに言いたい事はきちんという方で、良い意味でサバサバしてます。歌う事以外にゲームが大好きで腕前も高い。特にFPSではAPEX等の大会常連となりつつあります。APEXの大会である『VTuber最協決定戦』には今年、星街すいせい・湊あくあと"Startend”というチームで参戦。親交を深め、3人による歌ってみた動画『アスノヨゾラ哨戒班』も公開されました。
 上記の曲は、1stオリジナル曲で、【歌枠】3月初めましてお歌!KARAOKEにて初披露。作詞を自身が手掛け、同配信で「何もないところにどんどん色が足されていくように、夢に向かって進んでいく」前向きなメッセージを込めたと語っています。鍵盤の音色から入り、厚みあるギターや美しいストリングスが加わっていくドラマティックでエモーショナルなパワーパラード曲。ホロメンの中では珍しい重厚感のある低音と、突き抜けるような高音を行き来できる音域の広さを活かして、パワフルに歌い上げています。この曲に新曲5曲を加えた1stEP『Scream』も2022年1月4日にリリースされ、活動2周年記念ライブで披露する様子を見る事ができますので、是非。


#17「特者生存ワンダラダー!!」/ 天音あまねかなた

(作詞・作曲:田淵智也、編曲: 佐高陵平(Hifumi,inc.))

 2019年12月27日に活動開始。ホロライブ所属で、4期生「ホロふぉーす」のメンバー。ホロライブ内に何人かいる"僕っ子"のひとり。幼い頃からハロー!プロジェクトなどに憧れてきた筋金入りのアイドルオタクで、アイドル・美少女に対して”限界化”してその魅力を早口で語る姿がお馴染みとなっています。そんなアイドルへの情熱をホロメンにも向けており、その為か交友関係の広く、本人のツッコミ気質も相まって"いじられキャラ"としても知られています。また、「かなたん」「かなたそ」という定番の呼び方以外にも、あだ名が多い事で有名。例えば、50kgを越える高い握力を持つ事を自他共にネタにしており、同期の相棒・桐生ココ(卒業)にゴリラに例えられたことからゴリラネタが定着し、「かなゴリ」と呼ばれる事も(笑)
 上記の曲は、初のオリジナル曲で大人気曲。とにかく楽しくて、”wonder-la-der-la”のコールでライブも確定でブチ上がります。歌詞には彼女の等身大の想いが綴られていますが、「"努力とは最後まで諦めないこと" メモっておいて!」というフレーズは、目標に向かって前のめりに奮闘する彼女の魅力ある姿を表しています。また、常闇トワとは天使と悪魔と云う事で、ユニット「ORIO」を組んでおり、キュートな歌声だけでなく、クールで透明感ある歌声まで使いこなし、深みを加える歌い方を魅せてくれます。


#18「Virtual to LIVE」/ にじさんじ

(作詞・作編曲:kz)

 ANYCOLOR株式会社が運営する「にじさんじプロジェクト」に属するバーチャルライバーグループ「にじさんじ」。100名以上の多種多様なインフルエンサーが所属し、次世代のエンタメを加速させていく事を目的としています。当初「にじさんじ」は一般公開予定のスマートフォンアプリとして発表され、ライバー達はその広報担当としての登場しましたが、ライバー達が急激に人気上昇していった為、ライバーの運営・サポートを主としたプロジェクトとしての総称に変遷しました。
 上記の曲は、「にじさんじ」の1周年記念として制作された全体曲。2019年に同プロジェクトのライブの表題としても使用され、両国国技館でのライブを行いました。作詞・作編曲を手掛けたkzは、「どうしようもなく 今を生きてく この声が届く未来が 幸福だと言えるように ただ謳おう」と云う歌詞が先に思いついたと云います。彼なりに「にじさんじ」の活動を初期から見てきた身としての表現がふんだんに込められており、1期生である月ノ美兎の「Moon!!」のメロディが最後のコーラス部分に引用されていたりもします。また、VTuber音楽シーンでは、エンディング曲として名高く、その泣きメロでファンを感動の渦へと導いてくれます。


#19「エンターテイナー」/ Rain Drops

(作詞・作曲:じん・堀江晶太)

 「にじさんじ」に所属する、緑仙・三枝明那・鈴木勝・える・ジョー力一による5人組ユニット(元メンバー童田明治は2022年4月30日を以て「にじさんじ」及び「Rain Drops」を卒業)。先述した両国国技館でのライブ『Virtual to LIVE』でユニバーサルミュージックの音楽レーベル“Virgin Music”よりメジャーデビューを発表しました。
 上記の曲は、2021年9月22日にリリースとなる1stアルバム『バイオグラフィ』のリード曲。8月26日に東京ガーデンシアターで開催された【Rain Dropsファーストワンマンライブ『雨天決行』】のアンコール内で初解禁&初披露しました。アップテンポなエンターテイナー性溢れる楽曲で、6人による表現豊かな歌唱力が魅力。"距離"をテーマにしており、遊園地を舞台にユーザー視点とRain Dropsの視点で物語を構成。そこにはリスナーとの心の繋がりを大切にするRain Dropsの変わらない想いが貫かれています。

 

#20「DOGMA」/ シスター・クレア

(作詞・作編曲:wotaku)

 2018年6月3日より活動開始。「にじさんじ」に統合された派生グループの一つであるにじさんじSEEDsの1期生。歌枠や、ファンからの懺悔や悩みを募集する「しすたぁ・くれあのなんでも懺悔室」というコーナーが中心。懺悔室では活動の上で一番やりたかった企画と語っており、ちょっとした悩みから重い懺悔まで真摯に受け止めています。過酷な社会で疲弊する人々に少しでも癒やしを与えるべく配信を始めた彼女ですが、配信でもボロが出ない、その溢れんばかりの"ガチ"清楚により、これまで清楚という肩書きに騙され続けてきたリスナーに真の安寧と癒やしを与えました。
 上記の曲は実はライバー主導のオリジナル楽曲ではなく、2019年7月12日に作詞・作曲家のwotakuさんが非公式イメージソングとして投稿した曲を同年10月11日にクレア本人がカバーし公式となった楽曲となっています。ダークで強烈なサウンドが光り、ドロップなんか超治安悪い(褒めてる)んですが、清楚を地で行くクレアの世界観にピッタリな側面もあり、可憐な声のままドープな曲を歌い上げるギャップが最大の魅力。あと彼女の名前、次回の後編の記事で回収するので、覚えておいてください。


#21「地獄屋八丁荒らし」/ 戌亥いぬいとこ

(作詞・作曲:majiko、編曲:藤本大貴)

 2019年3月22日に活動開始。にじさんじの所属。歌と雑談が好きな、とある和風喫茶店にてメイド服の姿で働いている女の子。喫茶店で給仕をしながらお休みの日やお給仕終わりにYouTube配信をしています。関西弁に似たはんなりとした口調とは裏腹に、思ったことはズバッと言ってしまうタイプ。因みに、犬や狼ではなくケルベロスのケモ娘。髪を結んでいる2匹の獣は"バン"と"ケン"といい、彼女の頭部でもあります。同期はリゼ・ヘルエスタ、アンジュ・カトリーナであり、3名で「さんばか」としても活動。
 上記の楽曲は、2020年11月27日に公開された初のオリジナル楽曲です。にじさんじでも卓越した歌唱力を持つ彼女。その持ち味を存分に活かした楽曲で、優しくて心地よく、時にカッコイイ歌声は多くの人を惹きつけます。絶妙な世界観を演出し、少しクセのある声も相まってスルメ曲でもありますね。尚、にじさんじ所属以外のVtuberとの交友関係も広く、特にホロライブ所属の星街すいせいとは双方のライブのゲストに呼び、デュエット曲「OUT OF FRAME」を発表するなど深い関係にあります。


#22「ハッピーエンドをはじめから」/ リゼ・ヘルエスタ 

(作詞・作編曲:TOKOTOKO(西沢さんP))

 2019年3月22日に活動開始。にじさんじ所属。ヘルエスタ王国の第二皇女であり、日々鍛錬や人とのコミュニケーションを大事にし、社会勉強の一環として配信等の活動を行っています。自他とも認めるゲーマー気質であり、特にポケモンシリーズやテイルズオブシリーズ等には造詣が深く、ゲームに対するスタンスも真面目。そんな真面目な性格でありつつも、只お淑やかと言うだけではなく、勢いのある言動に加えて、感受性豊かな側面も併せ持つ人物。自称陰キャらしいが、彼女を良く知るライバーの先輩からは「コミュ強の趣味陰キャ」、「コミュ力はあるオタク」との評価を受けています。同期のアンジュ・カトリーナとはデビュー以前から約10年の親交があり、2019年7月に行った企画「#リゼアンWeek」など、コラボ配信も行う間柄。
 上記の曲は、2020年5月25日に公開された初のオリジナル楽曲。彼女の1ファンである西沢さんPが作詞・作編曲を担当し、リゼオリジナルである事、本人が歌ってるって事に重きを置き、彼女の魅力を詰め込んだそう。特徴である清涼感溢れるクリスタルボイスと可愛いらしさを前面に押し出しつつ、いつもの安心感を与えてくれるハートフルなナンバーに仕上がっています。


#23「オルビット」/ Tacitly

(作詞:Linliz、作編曲:*Luna)

 リリア(ロングヘア)とシエル(お団子ヘア)の2人からなるバーチャルアーティストユニット。2021年1月16日より放送が始まった、NTTドコモが手掛ける「生放送アニメ 直感×アルゴリズム♪」の3rd Seasonより登場する新キャラクターでもあります。これはXRでの展開を見据えた本格的なコンテンツ配信で、日本語、中国語、英語の3言語で音楽を発信。また、音楽ライブや番組を通して、世界中のリアルなファンと交流し、一緒に成長する物語となっています(正直、見て貰った方が早いです)。
 上記の曲は、彼女達の2ndオリジナルソングで。Tacitlyメンバーの先輩リンリンが、リリアとシエルの為に歌詞を書き上げ、作編曲は人気ボカロP"*Luna"が手掛けました。物語上のメッセージ性もありますが、それだけではなく、「居場所がない」「自信がない」「誰にも理解してもらえない」そんな不安と闘っているすべての人に贈る応援ソングに仕上がっています。


#24「不完全存在」/ AMOKA

(作詞・作曲:Diz)

 2019年6月12日に活動開始。VRの世界で活動する音楽グループ。ボーカル:あいぽのA、ギター:もいのMO、ドラム:からし明太子(2022年7月1日以降はサポートメンバーに)さんのKAを合わせてAMOKA【アモカ】。主に、ソーシャルVRプラットフォームであるVRChatを中心にライブ活動などをしており、MVなどもVRChat上で撮影しています。VTuber文化の中でも、"VRChat”の音楽シーンを形作ったアーティストは誰かと尋ねられたら、間違いなくこのグループの名前が挙がります。『ライブをしてみたい』という純粋な動機から始まった3人、一途な気持ちで現実の路上アーティストのようにVR空間でゲリラ的に音楽ライブを続け、2021年12月11日・12日に開催された『SANRIO Virtual Fes』などの大舞台にまで登り詰めてきました。
 上記の曲は、4thシングル曲で、初のフルアルバム『TOY BOX』にも収録。歌唱力の高さは勿論の事、バーチャル空間に生き、そこで出逢い、紡がれてきた等身大の自分達が表現しています。エネルギッシュで爽やかに、その上力強いメッセージをリスナーに届けてくれます。


#25「ゴールデンスパイス」/ GEMS COMPANY

(作詞:辻純更、作編曲:瀬尾祥太郎(MONACA))

 2018年8月18日にグループ活動開始。略称は「ジェムカン」。インターネットを通して出会った現役9人+卒業4人の計13人の女の子たちによる、スクウェア・エニックスプロデュースのアイドルユニット。共通するのは、アイドル・歌手・声優など、それぞれが叶えたい夢があること。なお、彼女達は、「あくまでも本人としてプロフィール等が申告されており、視聴者に見せる姿は言わば衣装のようなものとして3Dモデルをあてた存在」とされたが、2019年1月からnicocas等で活動するために3Dモデルが別途用意され、名実ともVTuberとして活動可能となりました。
 上記の曲は、メジャーデビューアルバム『precious stones』に収録された楽曲。80年代のダンス(ディスコ)チューンみがあり、自分含め、ブッ刺さる人にはブッ刺さりすぎて抜けなくなるはずです。MVも細かい処までハイクオリティで、ひたすらに可愛い。歌詞にはジェムカンの等身大の「強さ」が表現されています。なお、楽曲制作はMONACAのクリエイター達が担当しているので、基本外れ曲は無いのも強み。




―――以上、前編の25曲でした。

 思った以上にボリューミーになってしまいましたが、ここまで読んで(聴いて)くださった方、本当にありがとうございます。前編では、"VTuber四天王"を筆頭に黎明期を支え続けてきたVTuber、そして、VTuber二大事務所である「ホロライブ」と「にじさんじ」、+αと云った感じの紹介となりました。改めてですが、1曲でも気になる曲があれば十分嬉しいです。もしよければ、是非そのVTuberの活動を見に行ってあげてください。そして、1人でも多くの人がそこから小さな幸せを感じ取り、そのままファンが増える事を心から願っております。また、少しでもこの記事が良かったと感じていただけたら、スキでの反応やシェアしていただけるとむっちゃ嬉しいです。よろしくお願いします!

 ではまた!後編で逢いましょう。

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