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農業で学ぶ・農業で活かす~小森茄子を守る長野農業農村支援センターと学生の取り組み~

長野県立大学ソーシャル・イノベーション創出センターでは、大学内外の様々な人や資源を結び付け、社会課題の解決や新たな取組みを生み出す土壌づくりを支援しています。この記事では「学生コーディネーター」として活動するメンバーが、地域での様々な取組みをご紹介します!

突然ですが問題です!伝統野菜とは何でしょうか。
「伝統的な野菜??」確かに、
名前の通り100年以上前から先人らが育ててきた野菜です!
が、それだけではありません。

スーパーで見かける野菜にはない魅力があります。
しかし、そんな伝統野菜は生産量が減り、消滅の危機にあるものもあります。
ぜひ後世に残すためにできることを考えてみませんか??

今回は長野県農業農村支援センターのサイボールドさん、長野県更級高等学校の先生方に取材させていただきました。


伝統野菜とは


 伝統野菜は各地で古くから栽培され、その土地の風土に合った野菜として確立されてきたものを指します。素材の味が濃く、栄養価が高いという特徴があります。
 しかし、手間がかかる、味が安定しない、1つの苗から収穫できる数が少ないなどの欠点から栽培しやすく品種改良されたり、農家が減少したりと生産量が減っています。これを守るため全国各地で取り組みが行われており、長野県では信州伝統野菜認定制度を設けました。基準を満たす野菜を信州の伝統野菜として登録したり、伝承地栽培認定を受けた生産者は認定マークをつけて出荷・販売したりでき、価値をつけることで「伝統野菜」を盛り上げています。
詳しくはこちら→信州の伝統野菜 (oishii-shinshu.net)

小森茄子消滅を救った更級高校


 小森茄子は皮が薄くて食感が良く、果肉の密度が高くて加熱しても溶けにくい特徴があり、信州の伝統食であるおやきにぴったりな食材です。100年以上前から北信地域で栽培される特産品ですが、2020年3月時点、信州の伝統野菜である小森茄子を栽培する農家は1件でした。これを受けて、種だけでも残そうと、更級高校は29軒の生徒が農家さんに教えながら一緒に栽培する交流会を行いました。生徒が先生役となって1月に種まき、5月に定植作業、7月に収穫、11月に種取り・反省会を行います。この活動をきっかけに15軒の農家さんが継続して小森茄子の栽培を続けました。
 農業を学ぶ高校生にとって農業経験や知識が豊富な農家さんに教えることは緊張や不安はありますが、世代が異なる方とのコミュニケーションの取り方や授業では学べない知識が身についたそうです。
 農業高校は今、農業の学習を通して新しい時代に必要となる力を育成しています。また、農家さんも高校生と農業を通して関わることは新しい発見があるのではないでしょうか。
 来年度の活動では、さらに年齢層を広げて中学生との連携も検討中だそうです。また、大学生も参加可能ですので記事の最後にある詳細をお見逃しなく!

風土リンク https://foodlink1619.com/products/sub_komori.html

若者視点が必要な農業


 農業には興味があるけど、、、詳しくないし、、、
 その素直な気持ちから生まれる意見は、生産振興のヒントになるかもしれません。サイボールドさんによると、これまでは行政と農家間での閉鎖的な活動でしたが、若者視点の意見が加わることで、新しいアイデアに繋がるかもしれないとのこと。
 農家に興味がある人はもちろん、「伝統野菜を使用した商品開発をしてみたい」「マーケティングに興味がある」「将来はIT系に就きたい」など自分の興味が伝統野菜の継承に活かせるかもしれません。
 少しでも興味を持った方は、農業農村支援センターに連絡をしてみてください!→nagano-nogyo@pref.nagano.lg.jp

長野農業農村支援センター
住所: 長野県長野市大字南長野南県町686-1
概要: 長野管内の農畜水産業の発展に関する事務を行い、農家さんの支援をする県の機関。農業経営や農村生活の改善に関する技術の普及指導をする技術経営普及課と農業の振興に関する補助金の業務など行政事務を行う農業農村振興課に分かれる。

次回のイベント

5月に更級高校で小森茄子の苗を植えるイベントがあります。
こちらもご興味のある方は、ぜひご連絡をしてください!

書いた人:香取美友
長野県立大学健康発達学部食健康学科5期生
2003年生まれ。富山市出身。小さい頃から食と人を喜ばせることが好き。
現在は管理栄養士の資格取得を目指すとともに、多様な価値観に触れる機会を大切にしている。“夢を持つキラキラした大人たち”に出会い、刺激を受けながら自分自身を見つめ直し、自分再構築中!


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