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Web3.0を語る上で避けて通れない! Code is Lawとブロックチェーン

 ローレンスレッシグ(Lawrence Lessig)が「Code is Law」の概念を提唱してから22年。
2021年の世界ではブロックチェーンが初期のWeb1.0の理念を継承し、Web3.0として、インターネット黎明期に叫ばれたインターネットの分散性を取り戻そうとしています。
Web1.0の取り組みを理解することがWeb3.0の取り組みを理解することにつながるのです。
そこで、今回の記事ではWeb1.0で提唱されたインターネットと規制の在り方について紹介したいと思います。

 レッシグのそのほかの考え方について知りたい方はこちらの記事をどうぞ!

Webの歴史

 Web3.0を理解する上で避けて通れないのがWeb1.0です。
インターネット黎明期において、サイバー空間は当初リバタリアンたちのユートピアでした。
国家からの自由が約束されたかのような様相を呈していたのです。
この空間では実際の空間では許容されないような社会が成立していました。
「政府なしのコントロール、権力なしの合意形成、絶対的なルールはコードにある。」
そんな空間だったのです。
ここでは、政府はサイバー空間を規制できないと考えられていました。

 今の私たちの生きるWeb2.0の世界はどうでしょう。
サイバー空間に政府の規制は届いていないといえるでしょうか。
中国を見てみるとわかりやすいです。
中国でTwitterやFacebookはできません。
政府がファイヤーウォールを敷いているせいで中国国内からはTwitterやFacebookにアクセスできないのです。
今では政府だけでなく企業がサイバー空間の規制を行っています。
TwitterやFacebookが、トランプのアカウントを停止したのを覚えているでしょうか。

 Web3.0はこれらの特定の政府や企業の下で規制が行われている状況を打破し、Web1.0のような中央集権的な機関によらない、インタネットユーザーが合意したコードによる規制を目指すものなのです。

Code is Law

「Code is Law」とは皆さんもおわかりだと思いますが、「コードは法である」という意味です。
「Code is Law」を本当に理解するために、まずレッシグが提唱する、人の行動が制約される4つの要素を理解する必要があります。
法律社会規範市場アーキテクチャの4つです。

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 アーキテクチャとは、例えば道路に中央分離帯があれば、人が横断歩道を無視して歩くことを避けられる等の構造上の制約をいいます。
コードはこの構造上の制約、つまりアーキテクチャに当たります。

 レッシグは、サイバー空間においては、このコードが現実空間における物理的な制約のような働きをすると述べています。
コードが現実世界の構造物と違い容易に変更可能であることを考えると、サイバー空間においてはコードが人の行動を制約する重要な要素となるのです。
まるで現実世界における法のように。
そのため、レッシグは「Code is Law」というに至ったのです。

 Web3.0はこの「Code is Law」の理念のもと政府や企業のみがサイバー空間のルールをデザインするのではなく、インターネットのユーザーがサイバー空間のルールをデザインすることを目指しています。

ブロックチェーンとの関係

 Web3.0はブロックチェーンによって実現可能といわれています。
例えば、DeFiを見てみましょう。

 DeFiは中央集権的なプラットフォームではなく、その名のとおり、分散的であり、ユーザーによるトランザクションの検証が可能になっています。
特に、ステーブルコインであるDAIを発行するMakerDAOはDAOを目指しており、その運営についてもガバナンストークンを持つ人に委ねているため、ただ単にトランザクションの検証が可能であるだけではありません。
MakerDAOの運営についてもユーザーが決定することができるので、DeFiそのもののルールについてもユーザーが直接決定することができます。

 今話題のNFTを支えているIPFSもWeb3.0の文脈で語ることができます。
ストレージを提供するGoogleドライブやOneDriveでは、ユーザーはGoogleやAppleのルール変更に従わなければなりません。
もっとも、IPFSではP2Pでサービスの提供が可能となるため、GoogleやAppleのような中央集権的な機関の関与を受けず、真の意味でユーザーが主体となりうるのです。

 このようにWeb3.0はブロックチェーンという技術により支えられています。
 私たちは今、「インターネットの転換期」を迎えているのです。

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