トランプ大統領が対キューバ政策の見直しを宣言!?

今週金曜日、アメリカのトランプ大統領が、
対キューバ政策の見直しを宣言する可能性があると米メディアが報じている。


アメリカとキューバは、1961年から2015年まで断行状態にあった。

それが、オバマ大統領時代に国交の回復に向けた動きが加速した。
2014年の12月、国交正常化に向けて両国が取り組むと宣言されたのは記憶に新しい。

2015年7月には、大使館も再開。
これ、世界史の教科書にのるレベルの出来事ですよ!


2016年3月には、オバマがキューバを公式訪問。
これ、アメリカの大統領としては約90年ぶり。


こんな感じで、50年以上、仲が悪かった(国交断絶状態の)ご近所さん同士が、仲直り(国交正常化)に向けて進んでいくかに見えた。


ところが!!!

2016年11月、事態が急変。


なぜか?
何が起こったの?


それは、ヒラリーじゃなくて、トランプが大統領になったから。
このトランプ大統領、オバマの対キューバ政策に批判的なんです。


少し説明すると;

ヒラリーはオバマと同じく、キューバと仲良くしていこう。
キューバの国内問題は、付き合っていく中で徐々に解決していこう。

ヒラリーが大統領に当選したら、そういうアプローチになると予想されていた。


一方のトランプは、キューバは国内で人権侵害を続けている。
アメリカとちゃんと仲直りをするからには、そういう問題はちゃんと解決してもらわな困る。

オバマは仲直りという形は整えたけど、キューバを変えることはできなかったよね。
アメリカはかなり譲ったけど、キューバは全然譲ってないよ。
だいたい、そういう考え。


で、自分が大統領になったら、オバマが決めたキューバとの腑抜けた付き合い方は見直す。
ついでに、オバマがへっぴり腰で対応しているベネズエラにも厳しい態度で接する。

トランプは、大統領選の最中からそう宣言していたんです。


ただ、トランプがワーワー言ったからって、すぐキューバとの付き合い方が変わるわけじゃない。

そして、トランプが所属する共和党の中にもオバマのキューバ政策継続を望む人たちが大勢いる。

その一方で、同じ共和党のマルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員(Senator)が、トランプに対キューバ政策の見直しを強く迫っているとか。


共和党の中でも意見が分かれているんです。

それに、政府内や国内の大きな有権者グループなんかにも、"オバマの政策で得することもあるんだし、そんなにキューバに厳しくしない方がイイぜよ、トランプ!" という意見があります。


数日前には、フロリダ州以外の国会議員が、トランプ大統領や国防省補佐官、国務長官に意見具申のレターを出した。


彼らのレターのポイントは、

・キューバにアメリカの農産物とか工業製品を輸出できれば、アメリカ経済が潤うから、オバマの政策をいじらないでイイ。
・ロシアがキューバにインフラ面で協力しているし、21世紀に入って初めて石油供給を再開した。
・中国がキューバとの関係を強めている。中国はキューバとたくさん貿易してるし、キューバの通信事業とかに入り込んでいる。
・自分の喉元にある国(キューバ)が、ロシアとか中国なんかと仲良くなったら、アメリカが危なくなる可能性があるよ。
・それでもイイの?いや、困るでしょ!だったら、キューバと仲良くしておいた方が得策よ。

そんな感じです。


ちなみに、ルビオ上院議員については、
大統領選挙にも立候補していたので知っている人もいるかもしれないですね。


ルビオ議員はキューバ系アメリカ人。
地元選挙区はフロリダ州(麻生太郎の地元選挙区が福岡みたいな感じ)。


このルビオ議員、キューバのカストロ政権に対して、ものすんごーく批判的(hardliner)。
今いるアメリカの国会議員の中で、一番キューバ政府に対して厳しい人でしょう。


さて、トランプは対キューバ政策のどんなところを見直す可能性がありそうか?

・オバマの時にある程度自由化された、貿易と渡航の制限。
・例えば、銀行取引、個人間の売買、キューバ葉巻とラム酒の輸入の禁止。
・その他、いろいろ。

その他の予測:
・外交断絶、大使館の閉鎖はないだろう。
・キューバ政府の人権侵害を批判するかもしれない。


こんな経緯があっての、今週のマイアミ公式訪問。
さあ、どうなることやら。

トランプが大統領になれたのは、マイアミ州でヒラリーに勝てたから。
それを主な勝因のひとつにあげる人もいる。

自分の家もあるし、ゴルフコースも持っている。

もちろん、何も発表されない可能性もある。
でも、注目しないわけにはいかない。

そんな今週金曜日です!

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