トランプ大統領、キューバ政府を強く批判

2017年6月16日、アメリカのトランプ大統領がマイアミを訪問した。

トランプはアメリカの対キューバ政策を発表した。
演説には時折、笑いの要素も含まれていた。

でも、内容はキューバのカストロ政権をストレートに批判する厳しい内容だ。


以下、スピーチの概要をかいつまんで紹介する。

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対キューバ政策に関するトランプ大統領のスピーチ(概要)

@フロリダ州マイアミ、Manuel Artime 劇場


今日ここに集まった地元の皆さん。

皆さんは自由なキューバがどんなものか。

それを感じられる場所(リトル・ハバナ)をここマイアミに築かれた。
自由なキューバ。

それを我々は近いうちに実現します。


今日、対キューバ政策を発表するにあたって、3名の方に感謝したい。
・マルコ・ルビオ上院議員(Senator Marco Rubio)

・マリオ・ディアス・バラート下院議員(Congressman Mario Diaz-Balart)

・リック・スコット・フロリダ州知事(Governor Rick Scott)
そして、ピッグス湾侵攻に参加した誇らしい退役軍人の皆さん。

皆さんとご一緒できて光栄です。
皆さんは本当に素晴らしい方々です。

また、今日ここに来られなかった人たちがいます。

それは、ホセ・ダニエル・フェレールさんとベルタ・ソレールさん。
彼らは今日、この集会に参加することを許されなかった。

キューバから出国することができなかった。
だけれども、彼らは我々と共にここにいる。

最後に、今日ここにいらっしゃる皆さん。

カストロ政権の残虐性の生き証人である皆さんの参加に感謝します。
皆さんは、誤ったイデオロギーに従って起こされたひどい犯罪をご存知だ。
共産主義が人類に何をもたらしたのかをご存知だ。

姿を消した人、無実なのに投獄された人、神を信じたために処刑された人。
キューバ政府に立ち向かう勇気ある人々。

今日、この場にもいらっしゃいます。

キャリー・ロケさん。
カストロ政権によって15年、投獄されました。

アントゥネスさん。
17年、投獄されました。

アンヘル・デ・ファナさん。
20年以上、投獄されました。

今日、ここにいる亡命者や反カストロ派の人々。
彼らは共産主義が国家を破壊した事を目撃した証人です。

しかし、我々は共産主義の弾圧を前にこれ以上黙っていない。

私(トランプ)は、弾圧を受ける人々の代弁者となることを約束しました。
そして、自由を求めるキューバ国民の代弁者になると。

私は約束を守ります。

政治を動かすには、時に時間がかかる。

でも、我々は今日、新しい対キューバ政策を発表することができた。
私(トランプ)がアメリカの大統領になった。
トランプを大統領とするアメリカは、カストロ政権の罪を白日のもとに晒す。

そして、自由のためにキューバ国民とともに立ち上がる。
なぜなら、アメリカ大陸の国々が自由であることがアメリカにとってベストだから。

それがキューバであってもベネズエラであってもそう。
いろいろな国の人々が自分の夢を追求できるような未来がくることが大事だ。


ほぼ60年間。


キューバ国民は共産主義体制による圧政に苦しんできた。

今もキューバは自国民を何万人も殺戮した人間によって牛耳られている。
キューバ政府は弾圧的で誤ったイデオロギーをアメリカ大陸で広げようとした。

そして、かつてアメリカからわずか144キロの距離にロシアの核ミサイル基地を設置しようとした。
カストロ政権は、北朝鮮に武器を輸出し、ベネズエラの混乱に拍車をかけた。

無実の人々を投獄し、殺人犯、ハイジャック犯、テロリストをかくまった。
人身売買、強制労働、地球上に存在するありとあらゆる搾取に手を貸してきた。

これがカストロ政権のありのままの真実だ。


我が政権は、この事実と向き合う。
見て見ぬ振りはしない。

今、何が起こっているかにも目を見張っている。
そして、過去に何が起きたかも忘れない。


オバマ政権のカストロ政権との取り決めはひどい間違いだった。
オバマ政権は暴力と情勢不安を助長する政府との取引に応じた。
しかし、得られたものは何もない。

何もない。
しかし、そんな残念な日々はもう過ぎ去った。

オバマ政権が決めたキューバへの渡航とビジネスに関する制限撤廃。

これはキューバ国民のためになっていない。
この利益を得ているのはキューバ政府だけだ。

投資と観光で得られた利益は、直接キューバ国軍に流れている。
カストロ政権は、もうけを取り去ってキューバの産業も占有している。

オバマ政権の行動によって潤った、キューバ政府は弾圧を強めた。
だから、すぐにオバマ政権がキューバと結んだ一方的な取引を白紙に戻す。


今日、新しい対キューバ政策を発表する。

大統領選挙中にした公約を果たす。
我々の政策は、キューバ国民そしてアメリカにとってより良い取り決めを模索することを目的としている。

我々は、米ドルがキューバ国民を虐げる軍部の肥やししたくない。
我々はアメリカの法律を厳密に守ることから始める。

キューバ政府に対する制裁は解除しない。
・全ての政治犯を釈放し、

・集会と表現の自由を認め、

・共産党以外の政党を合法化し、

・国際社会に開かれた自由な選挙を行う、
キューバ政府がこれらの条件に応じない限り、いかなる交渉にも応じない。

我々は米ドルがキューバの国軍、警察、諜報機関に流れることを阻止する。

これらの機関がカストロ政権延命の要だからだ。
観光に関する禁止事項の遵守を強化する。
経済制裁を強化する。

アメリカからの投資がキューバ国民に直接流れるような政策をする。
キューバ国民が自分のビジネスを開き、キューバの未来を開けるようにする。

キューバは大きな可能性を秘めた国だ。
キューバの人々が生命の危険を冒してアメリカに密入国を試みることを避ける。

彼らの命は守らねばならない。
次世代のリーダーたちがキューバの苦しみに終止符を打つまで働く。
この苦しみが終わる日はすぐ近くに来ている。

そう信じている。
キューバには新たな方針を定めて、再度、我々と交渉するよう強く要求する。
キューバ政府はキューバ、アメリカ両国民、在米キューバ系の利益に沿う方針を考える必要がある。


キューバ政府に告ぐ。

・反体制派への攻撃を止めよ。

・政治犯を全て釈放せよ。

・無実の人を投獄するのは止めよ。

・政治、経済の自由化を進めよ。

・アメリカで有罪となった逃亡犯を返せ。

・レスキュー・ブラザーズ(Brothers to the Rescue)の撃墜犯を引き渡せ。
(1996年2月、キューバ国軍が反体制派の在米キューバ人を乗せた非武装小型機を撃墜した事件。)


カストロ政権に繰り返す。


犯罪者や逃亡犯を匿うのは終わりだ。
キューバに選択肢はない。

(アメリカが譲歩するのは)終わりだ。
今後のキューバとの関係は、今まで述べた点で具体的な進歩があるか次第だ。

キューバがこれらの点を解決する準備ができた時、交渉を始める。
公平で意義あるキューバとの取り決めを目指す。

大使館は閉鎖しない。
キューバとより良い関係を築けると信じているからだ。

私は国の未来はそれぞれの国が決めるべきであると信じている。
だから、キューバの主権は尊重する。
しかし、我々はキューバの人々を見捨てない。

それはあり得ない。
アメリカはキューバ国民の弾圧者を拒否する。

弾圧者を拒否する。
今日、正式に拒否する。

アメリカは自由の国だ。
それは誰にとっても同じだ。
みなさんに、ルイス・アサさんの体験を共有したい。

ルイスは才能溢れるバイオリニストだ。
彼が8歳の頃、フィデル・カストロがキューバを掌握した。
その頃、ルイスの父は地方の警察部長だった。

フィデル・カストロがキューバを制圧して数日後、ルイスの父はカストロ政権によって処刑された。
ルイスは大きな悲しみを音楽への愛に変えた。

彼はバイオリンをはじめた。
彼はすぐに頭角を現した。
彼の才能に気づいたカストロ政権は宣伝目的でルイスを使おうとした。

ルイスが12歳の頃、全国放送の特番を企画し、カストロのためにソロ演奏するよう迫った。
カストロ政権はルイス連れ出すため政府の人間を彼の家に送った。
ルイスは一緒に行くことを拒否した。


数日後、国軍がルイスの練習場に押し入り発砲した。
軍人たちはルイスに何か弾くよう迫った。

ルイスは震えながら弾きはじめた。
その場にいた者は皆、自分の耳が信じられなかった。

ルイスが演奏したのは、アメリカの国家だった。
ルイスはアメリカに自由を見ていたのだ。

キューバは今、過渡期にある。
アメリカはいつも自由を守るために立ち上がる。

キューバ国民のために祈る。
キューバ国民が自由を手に入れられるよう支える。

ルイス少年は今日、この場にいる。

(ルイスさんがアメリカ国歌を演奏)

自由を求めるすべての人に神のご加護を。
キューバとアメリカに神のご加護を。

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