(補足)「ミノ(mino)」の由来

キューブラッシュの座標」の記事において「ミノ(mino)」や「ミノ座標(mino coordinates)」という概念を導入したが, この記事ではそれらの由来についての補足を行う.


ポリオミノ(polyomino)

1953年にアメリカの数学者ソロモン・ゴロムが「ポリオミノ(polyomino)」というものを考案した.
これは, 正方形を辺どうしで連結して出来た図形そのもの, または, それらをフィールドに隙間なく並べるパズルのことを指す.
詳細については, ソロモン・ゴロム本人が書いた本があり, 日本語版もある.

ソロモン・ゴロム, 箱詰めパズル ポリオミノの宇宙, 日本評論社, 2014

ドミノ(domino)を拡大解釈

ソロモン・ゴロムは, 「ドミノ(domino)」は正方形が2つ組み合わさっているので, 「2」を表す「di」と「omino」の組み合わせで「domino」という言葉が出来ていると解釈した.

そして, 正方形がいくつ組み合わさっているかを表す接頭辞に「di」の部分を置き換えればよいとした.
接頭辞の最後の母音は消える.

monomino(1はmono)
domino(2はdi)
tromino(3はtri)
tetromino(4はtetra)
・・・
polyomino(複数はpoly)

なお, タワーを作るのはトランプの遊び方の1つに過ぎないというのと同様, 並べて倒すのはドミノの遊び方の1つに過ぎない.
倒さないドミノは, Nintendo Switch「世界のアソビ大全51」で遊ぶことができる.

そしてテトリス(Tetris)へ

時は経ち1984年, (当時)ソ連のパジトノフという人が考案し, 正方形を4つ組み合わせた図形「テトロミノ(tetromino)」を題材にしたコンピュータゲームが「テトリス(Tetris)」である.

「テトロミノ(tetromino)」が由来であるのは言うまでもないだろうが, パジトノフは「テニス(tennis)」が好きであるので, それも由来となっている.
このことはテトリス社の説明にもある.

なお, 本来は「tetra(4)」と「omino」の組み合わせであるから, 「テトロミノ(tetromino)」なのであるが, なぜかテトリスでは「テトリミノ(tetrimino)」と呼び, テニス(tennis)の影響を受けた母音に変化している.

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