キューブラッシュにはリズムがある

キューブラッシュについて, 何個目のキューブがどこのx座標まで来たら自機を狙って加速を始めるのか(あるいは加速しないのか)という情報は目にすることがあるが, 「キューブラッシュにはリズムがある」という情報はまず目にしない.
言っているのは私くらいのものだろう.


知っておくべき3大性質

性質1(加速するx座標)

キューブラッシュでは, キューブがどこのx座標まで来ると自機を狙って加速するのかということと, 何個目に出現したのかということとが関連付けられている.
キューブは全部で99個出現するのだが, この性質は99個がまるでバラバラなのではなく, 32個の周期を構成する.

性質2(画面に現れるタイミング)

キューブが画面に現れるタイミングは等間隔ではない.
広いところもあるかと思えば, 狭くて連続するように現れるところもある.
この, 画面内に現れるタイミングの周期は24個である.
これは, そのような性質があるということを知っておくだけで十分で, タイミングを詳しく知る必要まではない.

性質3(ランクの影響)

3つ目は, いわゆる「ランク」について.
「ランク」というのは, プレイヤーの腕前やプレイ内容に応じた難易度の自動調整機構のことである.
「グラディウスIII」においては装備による違いと考えてよく, とりあえずは ノーミス時のランクと復活時のランクがあると思っておけばよい.
では, ランクはキューブラッシュに対してどのような影響を与えるのかというと, 自機狙いで加速した後の速さには影響を与えるが, 加速していないキューブの速さは影響を受けない.

3つの性質から何が言えるか

これら3つの性質を組み合わせると何が言えるか, それが「キューブラッシュにはリズムがある」ということである.

キューブはあくまでも「自機狙い」である.
つまり, 「レバーを入れて元の位置から自機を動かせば当たらない」という性質は, 「自機狙い『弾』」と何ら変わらないのだ.
ただし, キューブは通常弾と比較して非常に速いという違いがあるので, 自機を狙って加速する瞬間に, レバーを正確なタイミングで入れる必要がある. 少しでも遅れるとすぐにやられる.
自機狙いなのであれば, 止まらずに動き続ければよいという考え方もあるかも知れないが, それをするにしては空間が狭過ぎるだろう.

ここで注意したいのは, キューブの加速をタイミングという視点で見ると, 画面に現れた順序とは何ら関係ないということである.

もしも実際のように性質1と性質2が同時に成り立っているのでなければ, キューブラッシュは32個や24個の周期がちょっと繰り返すだけの単調なゲームになっていたであろう.

ところが実際は, 性質1と性質2が組み合わさることによって, 元の性質は32個とか24個の周期でしかないのに, 99個のキューブそれぞれに個性が生まれているかのように見えるのである.
32と24の最小公倍数は96だからである.

その結果が, 「キューブラッシュにはリズムがある」ということなのだ.
キューブが自機を狙うタイミングは単調な周期にはならない独特のリズムがある.
そしてそれは, レバーを入れるべきタイミングのリズムでもある.

いわば空間的把握から時間的把握へのシフトである.

リズムで避ける利点

順序の不一致の克服

加速の順序が出現の順序と一致していない箇所があるので, 単純に各キューブの性質を出現順序の通りに並べただけでは混乱を招くだろう.

それに対して, 加速する順序とリズムという覚え方であればレバー操作と直結している.
つまり, リズムで捉えることによって, キューブラッシュは音ゲー化できるということである.

詰まりの克服

他の記事で, 自機を置く場所によってはキューブの狙いが明後日の方を向くことがあると述べた.
その結果, 本来ならばキューブが積まれるはずがない画面右下にキューブが積まれてしまうと, 後続のキューブが詰まってしまう.
そうすると, キューブの出現をただ番号順に追っているだけの場合, 詰まったり, あるいは現れるはずのキューブが現れなかったりした場合に, 今画面上で相手にしているキューブは一体何番でどのような性質なのかということが分からなくなってしまう.
画面右下へのたった1個の着弾が命取りになりかねない.

赤丸の部分にキューブが詰まってしまうと混乱を招く

その点, リズムで避けるのであれば, 「タイミング的に今相手にしていなければならないのが何番のはずか」という把握の方法になるため, 多少の詰まり程度では問題にならない.

ちなみに, 画面右上への着弾であれば, さすがに2個3個となるとやはり詰まりが生じるものの, 1個程度であれば問題にならない.
自機の下の移動限界は一番下の出現ラインに重なるのに対して, 自機の上の移動限界は一番上の出現ラインよりも上にあることからも分かる通り, 画面上は画面下よりもキューブが動き回る空間に対して若干の余裕がある.

リズムはランクによる影響を受けない

キューブが自機狙いで加速する瞬間にレバーを入れるのであるから, リズムで避ける方法では, 加速後のキューブは割とどうでもよいとすることになる.
自機狙いの通常弾に置き換えて考えてみてほしい.
元の位置から自機を動かした後の当たらないと分かっている弾をそれ以上相手にはしないだろう.
確かに, ランクによる加速した後の速さの違いにより, レバーを入れるタイミングがよりシビアになるとか, 間合いをどれだけ取らなければならないかという要素はあるものの, 性質3により, 決まったリズム通りにレバーを入れれば理論上避けられて, しかもそのリズムはランクによる影響を受けない.
音ゲーで言うと, 譜面は変わらずに, 判定だけが厳しくなるようなものである.

究極の目標

全く画面を見ずにキューブラッシュをプレイするのは到底不可能であるにしても, 熱心に画面を凝視せずにぼんやり眺めているだけで, あとはタイミングに合わせてリズム通りにレバー操作をする体が勝手に動いているというのが, リズムでキューブを避けるということである.
それが究極の目標であり, 最終的に到達すべき領域なのだ.

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