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発達性トラウマの人がコミットした関係が苦手なわけ

はぁ、人間関係の悩みって尽きないなぁ、、

人間関係の悩みがない人なんてたぶんいないでしょうね。

よく、人の悩みは大きく分けると、
人間関係
お金
健康
の3つのどれかに集約される、と言われますが、

その中でも、やはりダントツ多い悩みが人間関係だと思います。
他の2つも、よくよく深堀りしてみると、人間関係のもつれや不調和が原因になっていたりします。

人間関係で出てくる悩みって、たとえばこんな感じでしょうか。

  • うまく話ができない、話が噛み合わない

  • 一緒にいたいのに、しんどいからいられない

  • 人といると緊張する

  • 自分らしくいられない

  • 氣を使ってしまう、顔色を窺ってしまう

  • 自分の意見を言うことができない

  • 感情的になって、関係を壊してしまう

  • 相手からなめられている、バカにされていると感じる

  • 自分ばかり損をしている気がする

  • 横柄な態度をとってしまう

  • 卑屈な態度をとってしまう

  • 自分を出すことができない、隠し事が多い

  • 好きになっても、急に醒めて、相手の欠点ばかり見えるようになる

  • 恋愛や友情など、親密な関係が発展しない


さて、
人間関係の悩みもすべて、心の傷(トラウマ)がとてもとても深く影響していることを、あまり多くの人は知りません。

自分の性格が悪いから?
相手の性格が悪いから?
相性が合わない?

普通はそんなふうに考えるようですが、人間関係の悩みの多くが心の傷に起因するのです。

トラウマ研究はなぜか遅れている!?

心の傷(トラウマ)に関しては、
なぜかとても研究が遅れているところがあり、21世紀になってようやく格段に理解度がアップしたようなところがあるみたいです。

なので、わたしも日々刷新している感じなのですが、
この3年ぐらいの間にはじめて「複雑性PTSD」もしくは、「発達性トラウマ障害」という言葉とそのしくみを知ることになりました。

この概念、一般の心療内科や精神科ではまだまだ認知されてないらしく、だから未だに心の問題を薬で治療するなんてことをやってるわけですが、わたしの師匠にあたる人たちや個人的に好きな有名カウンセラーさんたちの中ではとてもホットなテーマになっています。

「複雑性PTSD」または、発達性トラウマ
簡単にいうと、
「自己調整機能不全」

です。

日常的にストレスがかかった時に通常とは異なる神経系が働き、自分をコントロールできなくなる。

「暴走する」交感神経、「凍りつきの」背側迷走神経のなすがままになり、
普通の人が対処できるようなことができなくなったり、攻撃的な人格に豹変したりします。

情緒のバランスを取ったり、その時々に適切な対応をとれるのは、基本自律神経がその都度正常に機能し、ホルモンの分泌が正常だからこそ、なのですが、

ストレス時において、そこが機能不全になると、まず見える世界が変わってしまい、
情緒不安定になる、パニックになる、感情(特に怒り)のコントロール不能、マシンガントークになる、依存症になる、回避行動(不安を感じることを避ける)、摂食障害、躁鬱、極度の不安障害、だるさ、眠気、無力感、多動など、さまざまな調整障害の特徴が出ます。

そして、そのストレス時に神経系が誤作動を起こし、ホルモン異常が起こる原因になるのが心の傷(トラウマ)だということです。

つまり、トラウマとは心のあり方というより、身体の調整機能の問題だということになります。

大人になっても続くトラウマ、、、

心の傷は、その影響が外から見えにくいため、
周りに理解してもらうのが難しいと言われています。
本人も自覚しにくいです。

一般的にトラウマというと、
虐待とかいじめにあったとか、
親しい人との死別、みんなの前で恥をかいた、大きな失敗、事故、災害に巻き込まれた、戦争など、人生のビッグイベントのようなものをイメージしますが、
複雑性PTSDだと、生育過程において日常的に(本人にとっての)ストレスな状態に晒されていたことが、心の傷となって残るということが言われてます。

「誰でも日々ストレス状態にさらされているのだから、そんなトラウマとか心の傷なんて過去のことをグチグチ言うから、人生が悲観的になるんじゃないの?」って一般的には考えられているのですが、
「心の傷によって脳内の緊張のホルモンを調整するスイッチが壊れている」となったら、そんな単純に片づけられる問題ではないことがよくわかります。

何度もご紹介してきたように大嶋信頼先生は、
慢性的にストレスな状態の一つとして、「知能の高低差」というのを指摘されています。

その子が、家族や同級生たちの中で、潜在的知能指数が高い場合、周りと見える世界が違うことから「誰とも通じ合えない」となって、他の人にはわからない絶望的な孤独感の中に居続けるようになる、それが深い心の傷となるとのこと。

この知能指数は、学校の成績や知能テストなどでわかりやすく示される数字ではなく、先天的な頭の良さ、みたいなもの。

大嶋先生は、それをIQの数字になぞらえて、知能指数が20以上高低差があると、他の人と見える世界が違う、と言ってます。

しかし、周りは誰もそんなことがわからないので、会話の輪の中に入れないその子がおかしい、理解できないその子がおかしいとそういう目で見るようになります。

本人も「大多数対1人」、なので、
「自分はおかしいんだ」となり、
どんどん自己肯定感が下がります。

自分がおかしい+誰とも通じ合えない孤独+みんなに合わせないと生きていけないから自分を殺すしかない+さらに、周りから知らない間に嫉妬のイライラ波動を受け続ける、があいまって、
それが慢性的なストレスとなり、平時も常に緊張状態が続くようになり、、、

そこから脳の炎症が生まれて認知機能の低下が起き、物忘れ、失語、失行、失態(退行して子ども返り)、などが起きます。

知能の高低差がトラウマになって、まさか大人になっても後遺症が出るなんて驚きですね。

連続した意識の自分が「ない」


発達性トラウマ(または複雑性PTSD)のサバイバル術として、
「防衛適応」というのがあるのですが、
これがまた、周りから理解されにくい原因となってます。

葛藤に対処するために、個人が断片化されて、部分(一つの人格)が防衛反応をする、というサバイバル術です。

もう少し詳しくいうと、本人の一部は正常に発達していき、大人として高機能に社会に適応できるようになっていくのですが、過去に辛い体験をした時に切り離された心理的な部分があり(解離)、その部分は未発達のまま取り残される。
👆
この切り離された一部、トラウマパーツが何かのストレス刺激で表に出てきた時に、普段では考えられないような幼稚な言動をしたり、普通にできることができなくなったりして、平時の高機能な部分とのキャップとして現れる、というものです。

外では成功していてカリスマ性があり、立派に見えるような人でも、家に帰ると退行して子ども返り、身近な人にモラハラしたり、反社会的な言動をしたりで、「凄い人なのかヤバい人なのかわからない」と周りを混乱させます。

人は誰でも場面ごとに人格を使い分けるところがありますが、そこにはある程度連続した「自分」という意識があります。

心の傷があると、連続した「自分」という意識が途切れてしまいます。

日常を送る人格と、
サバイバルモードの人格、そこに連続した意識の自分が「ない」のです。
だから、周りからは「豹変する」
「主訴がコロコロ変わる」とうつります。

それゆえに、
サバイバルモードになって人を傷つけるような攻撃をさんざんしたとしても、あとから反省するとか、悔い改める、ということがとても難しくなるわけです。
スイッチが切り替わったら別人になってしまうからです。

それと、親密な関係になるほど、トラウマパーツが起動しやすくなります。

それも発達性トラウマの特徴で、親密さを求める部分と、「危険人物だから信用してはならない」、で防御するパーツが同時に立ち上がってしまいます。

このタイプの人たちは、親密な関係を築くのがとにかく苦手です。

親しくなっても、日常モードとサバイバルモードのギャップに相手が振り回されるようになり、サバイバルモードの時の攻撃の強烈さに圧倒されてしまうのです。

それで、発達性トラウマを抱えている人は関係性を一瞬で破壊してしまうことが多いです。

たいてい、ここまで理解していることがないので、そうなるのも無理はないかもしれません。

そして、そういうことが繰り返されることで、本人も関係性を作るということにおいては、どんどん自信喪失していき、「どうせいつかは見捨てられる」という人間不信も育ってしまいます。

それで親密さを渇望しながらも、「傷つかないぞ」という防衛が同時にあって、「近づきたい、距離を置きたい」と常に葛藤状態になります。

浮気性というのも、破壊人格の発作です。
異性を見ると、発作が起きて破壊的な行動をしてしまう。

それがバレた時、相手が「許せないっ!」って感情的になるのも、心の傷からの発作(自己免疫の暴走)です。
脳の緊張のサーモスタット機能が壊れているので、
ストレス刺激を受けたときに脳内のエネルギーを使い果たして低血糖状態になる⇒悲観的な考え方になったり、自己イメージがどんどん歪んで醜くなったりするので、「この人わたしを馬鹿にしている!」って思っちゃう。

そういう脳のダメージがなければ、相手の脳が壊れているだけなんだ、ということが分かっちゃうので、そこまで相手に対して怒りを巡らせる必要はなくなります。

そうやっていろんなケースを見ていけば、
人間関係の問題、突き詰めると、トラウマによる自己調整機能不全(脳内の緊張のホルモンの調整スイッチの故障)と大いに結びついていることが見えてきます。

自分ではなかなかどうにでもできない自己調整機能不全、、、
本人は、人を傷つけたいわけでもないし、
自分が結果損するようなことをやらかしたくてやっているわけでもない。
本当はただ愛したい、役に立ちたい、健やかに穏やかに関係性を育てていきたいだけなのに、
自分の中の暴虐性と獣性をコントロールできない。

でも、それは自分が暴虐な人間である、やばくおかしい人間である、
ということではない、
心の傷のことを学んでいくと、それがわかります。

さて、その心の傷がなんでその人の人生を左右するほど深まってしまったのか、、、

それがわかる重要な観点を、最近入手しました。
次の記事で書いてみたいと思います。

今日も読んでいただきありがとうございました。



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