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認知機能の低下

大嶋信頼先生の「心の傷」シリーズを、何回かに分けて紹介してきました。
そこには「認知機能の低下」という言葉が何回も出てきますが、
「認知機能低下」自体は、いわゆる”認知症の症状”なので、医学では一般的に使われています。

「認知機能の低下」
具体的にいうと、
◯記憶障害(いわゆるもの忘れ)
◯失行(やってはいけないことをやってしまう)
◯失認(物や人の顔などがちゃんと認知できない)
◯失語(言葉が出てこない、人の話がわからない)
◯遂行機能障害(計画を立てて効率よく実行する)

といった、理解、判断、論理などの認知の機能が低下することで、普通の人ができることがものすごく困難になることです。

そういうことが、加齢やさまざまな病気、薬害などが原因ではなく、「心の傷」があることによって起きる、というのが大嶋先生の仮説(ナラティブ)です。

仮説とはいえ、実際にそのような視点でアプローチすることにより、葛藤や苦悩から解放され、自分らしく軽やかに生きられるケースがたくさんあるのが大嶋先生の臨床経験から伝わってくるので、こういう認識がもっと広まったらいいなぁと思います。

潜在炎症が認知機能の低下を起こしているというのは、最新の研究でも言われていることみたいだし、
「炎症」にまつわる疾患(がん、糖尿病、心血管疾患など)の多くがうつ病を合併するというデータもあることから、
「心の傷」と「炎症」と「認知機能の低下」の関係性は、これからもっともっと注目を集めていくのではないかと思います。

認知のゆがみ10パターン

一般的な心理学では、似たような概念で、「認知の歪み」というのがあります。

考え方のくせ(思い込み)が、事実と認知のズレを作り、そこから不快な気持ち、ストレス、不快な感情を生むというものです。

これも「認知機能の低下」のひとつだと思います。

バーンズという精神科医が10パターンに分類したものがあるので紹介します。
誰にでも少なからずこのような認知の歪みがあると思いながら読んでみてください。

  1. オールオアナッシング、白黒、ゼロか100か、などグレーがない極端な二極化思考・・・少しのミスがあったぐらいで「これは完全に失敗だ」など。「全て」「いつも」「絶対」「みんな」「二度と」といった言葉が含まれる。

  2. 過度な一般化
    たった一度や二度起こったことでも、それがいつでもどんなシチュエーションでも起こるかのように認識する。
    電車の中で痴漢に遭い、「男はみんな変態だ」と決めつける、など。
    ここでも「みんな」「絶対」「いつも」「全部」などの言葉が使われる。

  3. 心のフィルター
    自分の色眼鏡で物事を見る。
    例)「世間は最悪なことだらけ」
    「昨日のパーティーはあまり盛り上がってなかった」など

  4. マイナス思考
    よいことには目を向けず、悪いことばかりに目を向ける。
    例)親切にされても、「裏があるのではないか?」と疑ってしまう、など。

  5. 結論の飛躍
    極端な思い込みで、悲観的な結論を導く。
    例)一度、二度失恋したぐらいで、「わたしは一生ひとりぼっちに違いない」など。

  6. 過大評価と過小評価
    自分がしてあげたことは過大評価して、してもらったことは過小評価する。
    他人のミスは大したことないけど、自分のミスは大げさに捉える、など。

  7. 感情的決めつけ
    その時に生じた感情で物事を判断する。
    例)嫌悪感を感じて、「あいつは信用できない人物だ」など。

  8. ネバベキ思考
    ルールや常識、価値観に縛られて自分や他人に厳しくなってしまう。
    例)病気になっても「主婦なら家事をきちんとやらないといけない」とゆっくり休めないとか、
    一人では対処できないようなことでも、「人を頼らず、自分でなんでもやってみるべき」と無理をするとか。

  9. レッテル貼り
    そういう部分もある、という印象的な特徴を、人や自分、物事を型に固定化してそれ以外を見なくなる。
    例)「あいつは詐欺師だ」、「わたしはダメ人間」

  10. 自己関連づけ、個人化
    簡単にいうと、客観的にみたらそうでないことでも「すべて自分の責任」「すべて自分のせい」と思ってしまうこと。


以上が、「認知の歪み 10パターン」です。

歪みが大きいほど、苦しみが増えて、生きづらさやウツなどの心の病に繋がっていきます。

「認知の歪み」のことを改めて調べて思ったのですが、残念なことにその原因を「心の痛み・トラウマ」ということをそこまで詳しく書いているものはありませんでした。

一般的な心理学の見識の中では、「認知の歪みは思考のくせだから、思考のくせを見直していくといいよ、というアプローチがとても多い。

確かに、そのアプローチで認知の歪みが取れる場合もたくさんあるけれど、
実際は思考のくせ以前に「神経の反応のくせ」だったり、大嶋先生も書いていらっしゃるような身体の深いレベルで起こっていること(潜在炎症からの自己免疫暴走)としてある、しかも身体のことは自分でコントロールできるようなものではないので、
思考のくせを見直すぐらいでは、「あんまり変わらない」ってこともあるわけです。

なので、アプローチとしては、
◯マインド(思考のくせ)の見直し
◯ハート(感情)の癒し
◯ボディ(神経エネルギー、腸)の活性

この3軸をバランスよく、が大事だと私は思います。

認知のゆがみの解消法~事実と解釈にわける

今日紹介するのは、どちらかと言うとマインドの見直しよりのアプローチです。
これで全ての全てが解消するわけではないけれど、自分の思考くせを見つけるツールの一つとして持っておくのはとても有効かと思います。

まず、とても不快な気分になった出来事があったとします。

最近でもいいし、昔のことでもいいです。

その出来事について、
1.客観的事実
2. 解釈
3. 感情、そこからのアクション

に分けて書き出します。←ここが大事。

たとえば、「メッセージ送ったのに返事が来ない」ということがあなたにとっての不快な出来事とします。

あなたは腹が立ってるかもしれないし、不安になってるかもしれないし、寂しいと感じているかもしれません。

1. (客観的事実)昨日送ったメッセージに対してまだ相手から返事がない。

3. 相手に怒っている or 不安 or 寂しい、もう距離を置こうと思う、などなど

ここで、このワークが一番大事なのは、2の解釈なんです。

ここに認知の歪みが隠されているから。

さてこの場合、2に入るのはなんなのか、内観してみます。

「無視された」「軽んじられた」「めんどくさいと思われてる」「わたし嫌われてる?」などでしょうか?


このワークのポイントは、この部分は「客観的事実」ではなくて、
あくまでも主観、あなた独自の解釈、見え方だということです。

つまり、1の事実の部分は同じだとしても、
2の解釈は、100人いたら100通りの答えがあるってことです。

多くの人は、この解釈の部分が事実とごっちゃになってしまって、
葛藤したり苦しんだりしてしまうのです。
つまり、「返信がない=無視されてる」が事実だと思ってしまう
反射的に思ってしまいます。

事実は単に、返事が返ってこないってだけ。

相手は単にすぐに返信するタイプではなく、かなりスローペースなのかもしれないし、
たくさんの人とやりとりしていて、返信が追いついてないのかもしれないし、
とても返信できる状態ではないほど緊急事態の対応に追われてるのかもしれないし、
返信する内容を慎重に考えているのかもしれないし、、、

相手目線に立ってみたら、自分目線の風景とは全く違う事実がそこにはあるわけです。

相手の事実はどうであれ、
ワークでは、自分にとっての事実と、それに対する解釈にわける、という作業がとっても大事。

「無視された」、「自分を軽んじられた」、「めんどくさいと思われた」「嫌われてるかも」などの解釈が出てくるということは、そこに心の傷があるからです。

心の傷がない人の場合、
相手から返事がすぐに返ってこなくても、イライラや不安は出てこなくて、
忙しいのかな?と気楽に待って、その間他のことに意識を向けたりができます。

心の傷がないと、事実と解釈の間にそこまでズレが生じてないということになるんです。

話を戻します。

ワークは、モヤモヤする出来事があったときに「事実と解釈にわけてみる」というのを一度してみるだけでも、かなりモヤモヤがすっきりすることがあります。

それは、自分が苦しんでいたのは、現実に起こったことではなく、自分の解釈によってだったのだ、ということがわかるからです。

さらにそこから進むために、
自分にとって嫌だった出来事、ストレスな状況、いろんなケースで〈事実と解釈にわける〉ワークをしていきます。

たとえば、「上司に怒られ凹んだ」とか、「人前でパフォーマンス失敗して恥ずかしかった」とか、「~さんが、私を見て笑ってた」とか「子どもが不登校になって心配」とか、「SNSで人の楽しそうな投稿を見て嫌な気分になった」、「就職が決まらず焦ってしまう」、「やる気が起きず、ダラダラしている自分が嫌」とか。
できるだけたくさんやってみるといいです。

そうすると、2の解釈にあたる部分にいくつかパターンが見えてくると思います。

たとえば、「無視された」がよく出てくるな、とか、「やることなすこと思い通りにいかない」ってよく思うんだな、とか。
上に書いた「認知の歪みの10パターン」に相当する思考のくせが隠れているはずです。

人によってはいくつものパターンが重なっていることもあります。

それが、「迷惑な子」とか「卑しい子」とか「がっかりな子」とか「望まれなかった子」、「気持ち悪い子」「罰を受けて当然な子」、「都合がいい子」、「期待はずれの子」、「いじめられっ子」「嘘つきの子」など、生まれた時の自分へのお母さんのネガティブなリアクションからできた深い心の傷パターンとつながっているわけです。

認知のゆがみは、思考のくせで事実歪めてなんでもネガティブに解釈してしまうことですが、心の傷があると、そこから認知機能の低下が起こり、できることができなかったり、やってはいけないことをやってしまったり、人が離れていったり、本当に不快な現象が起こってしまう。

大嶋先生はここで、「〜な子」という心の傷で自己免疫が暴走してるんだな、って気づくことで、炎症がおさまって、認知機能が元に戻って、不快な現象から解放されたり、とおっしゃってます。

多くの場合、それはかなり有効だと思います。

ただ、心の傷が深刻でこじれてしまっている場合、朝から晩までほとんど認知のゆがみの妄想の中にいる、ってこともあります。

慢性的に炎症が起きている、常にペインボディと一体化している状態です。

その場合、いちいち「これは炎症にやられているだけ」と気づいていっても、なかなか自分の長年のパターンを変えるって難しい~、ということがあると思います。

マイナス感情や思い込みを安全に取り除くメソッド!

そういう場合は、潜在意識下の「心の傷」そのものにアプローチしましょう、ということが言えます。

ただ、「心の傷」そのものに向き合うって、とても痛そうでしょ?(実際に痛いので触れないように潜在化させます)。
できれば触れたくない、怖い、という感情が先立ってしまいます。

そこでおすすめなのが、EFTという指先で身体のいくつかのツボをリズミカルにタッピング(軽打)していく感情解放のメソッド。

その真骨頂としての、マトリックス・リンプリンティング(略してMR)。MRは、イギリス人のカール・ドーソンさんというEFTマスターの一人が創始したトラウマケアの手法です。

EFTを使った安全な方法で、マインドとハート、そしてボディに働きかけ、トラウマを恒久的に癒します。

私は、約10年間MRプラクティショナーとして、何千回とこの手法を使ってきて、かなり根深い心の傷でも劇的に最速に効果を上げるという経験を重ねてきました。

もちろんこれだけで、すべての心の傷が完治するわけではないけれど
(何千年と続いた地球人の闇の歴史があるため)、気付いたら「あれ、そういえば前みたいに気分が低迷することが減ってる!」「前よりも心が軽くなっている!」「生きるのがずいぶん楽になった!」、「前よりも自分にダメ出しすることが減ってきた」というように変化していきます。

つまり、波動が上がるのです。

MRについては、こちらにも記載しているのでご覧ください。


※MRを含む「ハートトークセラピー」は、
3月末まで、セッション半額キャンペーンやっているので、ぜひこの機会に受けてみてください~。

もう一つ、
遠方の人や、リアルタイムで向き合うのが苦手な人には、
「メールカウンセリング」がおすすめです。

メールやラインのトークを重ねていくうちに、
自分ではなかなか見つけられない隠れた思い込み、認知のゆがみなどが見つかります。

そして、それにどのように対処していけばよいのか、個別にアドバイスさせていただきます。

よろしければサポートお願いいたします。 いただいたサポートは、日本の空き田んぼの復興、農業シェアハウスコミュニティの発展のために使わせていただきます。