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お題のまとめ【#旅する日本語】2019

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「旅する日本語-2019」を参加した投稿の置き場。
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#小竹図書館

ちけい

旅するというのは、時空の間を渡るということだろう。  時間を伴って、旅路を歩いて、色んな…

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羽田

 君のスーツケースが、さわさわと囁く声の中で、ころころと響いている。  貴方は、ぴかぴか…

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その声、その笑顔

 ロビーには、アナウンスが繰り返し流れている。  アナウンサーの優しくて朗らかな声が、広…

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いままで

 時間に伴って歩いている。  また、ここに入って来た。  高く飛んでいる音が、機内の静けさ…

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うらなか

 名声を響き渡らせた遊園地。  夢中になって遊んで、無邪気に笑っている子供たち。  史跡…

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喧嘩上等

 また、湧き上がる時期になっている。  様々な祭りに、突き動かされる大童たちは、存分に暴…

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あかり

 春の白白明けに、幽幽とした空が次第に明るくなった。  わたしの心身も、だんだんに目覚めた。  晴れ渡って、真夏の澄んだ大空。  もし、その働きすぎな太陽が少しサボったら、   皆も気軽に過ごせると思う。  わたしのなかも、一緒に冷やしてくれるでしょう。  秋のある日、スカイラインの端っこに、いつも通りに日が沈んで行く。  また、こんな長閑な金色に一日が終わる。  深くて、何も見えない夜空の中で、灯台のような薄い灰白。  昼の日光より、寒い真夜中の月は、もっと人の心を温

数え切れない様々

 広い展示ロビーで、長い壁面に描いた絵画。  君は、心を奪われてうっとりと見るように、  …

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穏やか

 とうとうこの時が来た。  ここ数日、ばたばたと追いかけているゴールは、今目の前に迫って…

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赤茄子

 こんにちは。  君も、もうすぐ地面から離れるだろう。  この待つ時間で、少し雑談しましょ…

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北国へ

 きたの遠くから呼ぶ声に応えて、  緯線の結界を突き抜ける高速に乗って、   所期のように…

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待つ間

 周囲と交わる情感を持ち、距離に打ち勝つことができる者なら、   過ぎ去ったことは忘れな…

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日の下の物干場

 「わく」というと、洗濯することを思い出す。  毎回、家に帰った時、  いつも通りにリュ…

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その傍に入る

 平凡は、空想に過ぎない。  どんなに退屈に見えても、常しえには続かない。  平凡は人の性分との闘いだ。  遺伝子が生まれ持つ奔放的な源を怠い精神で縛り泊まっている。  だが、自由を求める本能が血のように全身に脈々と湧き。  やがて、その抑えきれないドキドキは、   君をとあるの致景に送っている。  旅出だけが、その致景の傍に入る唯一行路だ。