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帰省したら前世のよう

予想外に、帰省した。

3カ月ぶりだ。その間、私はただ、ぶるぶるに移動しただけだ。もちろんいろんな行動を取ったけれど。
たったの3カ月といえばそうなのだけど、まったく違う世界で暮らしていた私にとっては、自分が真新しくなったような気分。前のコンサル気分に戻るだろうと思っていたけれど、そんなことはなく、まったく別の自分が、別世界からvisitに来ている気分である。

ぶるぶるは天気が悪く、まぶしい日差しを感じたのは、過去2か月で1日ほどだった(誇張してない)。その点、東京は毎日のようにまぶしい青い空。
天気に感謝する日が来るとは思わなかったけれど、Sunshine! Blue sky! と気分が上がっていた。

日本の人(に限らないか)は食事が恋しくなることがとても多いのだけど、私は元々恋しくなるタイプでもない上に、ぶるぶる(パリパリ伝説を読んだのでBrussels=ぶるぶるとする)は食べ物がおいしいこともあって、一切自分で米を炊かないし食べないくらい、恋しくならなかった。
そういうわけで、帰省したものの、あれを食べよう、これも食べよう!と楽しみなことも特別なかった。機会があったら、これを食べようかな、というかんじ。食べられなかったからといって、何があるわけでもない。執着がないって、楽である。

変わった自分

私は場所によって自分のmodeが変わる感覚があって、ほかの場所のことは適用されない、というかんじで過ごしてきたのだけれど、今回はhousemateとcode swithchの話をし、この子はどこにいても同じ人でswitchしないんだろうな、私もcode switchしなかったら、突き抜けることになるだろうか、とよぎっていたら、なぜかmodeが変わることはなかった。初めてだ。

ルミネカードも持っていなければ、オートチャージなsuicaも持っていない。
それを持って生活していたのはまるで、前世のようで、前世では毎週通っていたらしい、と思いながら、よく行った場所にも行った。
そういえばここによく行っていたなあ、こういう習慣だったよなあ…あまり記憶はないが、たしかそうだったような、という世界を歩いていた。動き方はまだわかる。
もう私は、前世と同じところには、全然いない。別人になったのだ。

ちなみに、都庁を辞めてしばらくしたあとも、都庁にいたことは前世のように思えていて、前世は地方公務員で、と言っていた。
きれいに終わると、そうなるのかしらね。

別世界から来るということ

携帯は当然ながら契約しておらず、ぶるぶるの番号は使えず、2段階認証ができないのでApple IDが使えない。母の番号を登録し、recoveryを待つ。
そういうわけで、appsが使えない。日本で使っていたものはすべて消してしまったけどダウンロードができない。メルカリでも、売れない。売る気力もあまりないのだけど。
そして、保険証もない。私は扶養なのであるわけだが(届いてないけど)、そうじゃない人たちにはなく、病院に行くなら自己負担になる。ありません、と言うとぎょっとされて、自己負担だけどいい?と聞かれる。

気づくこと

そして、当然ながら、別世界に来ると、気づくこともある。

  • 直接的な言い方をしないし、人の目を見ないなあ。説明が丁寧すぎて子ども扱いされている気分になるなあ…

  • 母が見ているドラマを見ていて、これは男性が脚本を書いているんだろうな、と思う。なんでこう"世の中は女性にとって怖い場所"を植え付けるような内容ばかりなのだろう。

  • 誰にでもできるレベルの仕事が、託児所があって働く時間が限られているというだけの理由で、母親に良い仕事とされているなんて、なめてるよね。

  • どうしてベビーカーを押している母親が、地下鉄に乗る時に、すみません、と謝らなければならないのだろう。

  • 見えているのに、人を避けずに、ぶつかると文句を言ったり舌打ちする人は、どうしているんだろう。世界中ほかの場所で会ったことない。不幸なんだな、そして、そうやってまわりに当たることが許容されているからこそ起こるんだよな。Culture is the worst behavior tolerated.

私が日本嫌いだったときは、こういうことに腹を立てていた。私の見た目が外国人だったら、むしろ同じstandardが通じると思われなくて楽なのに、とも思っていた。
だけど、今はそれほど気にならないし、はっきり言って興味もないのは、私が変わったからで、"外の人"になったからだなあ。

母の家

母の家は、とても快適だった。
マンションの入口がきれいで設備はハイテクだし、照明がきちんと明るいし(外国が暗いのはよく知られた話)、静かだし、性能のいい洗濯機もキッチンもシェアじゃない。大きい冷蔵庫もあるし、備蓄の食品も大量にある。

帰省数日後、母の家に置いてある物を、使いやすいように片付けた。
ずっと使っていた机が母の家にあり、そこでこれを打っているわけだが、引き出しの中身はほぼ片付けてしまったし、自分の物に囲まれていても、戻った感じはやはりしない。机の引き出しには、今や服(靴下とか)を入れている。

生活に使う物は、スーツケースに隙間も重さもなく、日本だから買えばいいやというわけで持って来なかったのだが、さすがは実家というか、物持ちが良く、物をもらう姫な母の家である。服のサイズも母の方が大きいので、服から靴下からインナーから、歯ブラシもあれば、ボディクリームやヘアオイルや、つめきりなんかもある。
そういうわけで、私が買ったのは、下着と靴下、母の家にも置いておけば持ち歩かなくて済むな~と思ったパドルブラシ、ビューラー、アイブロウくらいのもの。服は、ユニクロで安かったものをいくつか買った。前世ユニクロは着なかったけれど、とりあえず一式揃えよう、安ければ良し、というmindsetで買った。

年内の締め切りは片付けてから来た。人と会う予定も、それなりに入れた。
先が見えないほどに長い期間、いるのだ。あとは、finalsをこなしながら、楽しむだけである。

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