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デザインフェスタでふたたびライブペイントした話

デザインフェスタ55で人生2回目のライブペイントを行ったときの記録です。
はじめてのライブペイントの記録はこちら。苦しんでいました。

前提

前回のライブペイントでは、完遂できるか不安だったけどなんとかできた!よかった!うれしい!っていう感じでしたが、思い返すにつれもうちょっと色々うまくできることがあるんじゃないか、クオリティを上げられるんじゃないかと思うようになりました。

また、前回はいきなりライブペイントに挑むのが怖くって、Twitterで壁面をはんぶんこしてくれる人を募り半分の面積でトライしていました。
今回は思い切って、自分で1スペースまるまる使って描くことに決めました。ゆーて一回やってんだからなんとかなるでしょ、みたいな楽観です。面積は倍です。

前回の反省

反省点について詳しくは前回のnoteを見ていただければと思うんですが、

・グリッドを元に下書きを引き延ばす作業でミスり、下書きに時間を浪費した
・塗りに時間がかかって来てくれた人に楽しんでもらえる状態になるまで時間がかかった
・小さい面積から塗っていたのでぱっとみの進捗が悪かった
・混色に時間を使いすぎていた
・作業していると話しかけにくい

あたりは今回のライぺでは改善したいなと思っていました。

事前準備①でかい刷毛を買う

まず大前提として、いちどに塗れる面積が大きい方が効率が良い。というわけで、前回使用していた平筆2種+面相筆2種に加え、おおきなブラシを買いました。

ラファエルのグレーのやつ(ソフトアクリル)の40を買ってみました。

あと、チューブから出してそのまま塗りに使える色で構成することで混色の時間をカットできるのでは?ということで、リキテックスのペールカラーシリーズをまとめ買いしました。

前回のライぺで、面積がそれほど大きくなければちいさい絵具チューブでも足りるということに気づきました。実際、これに関しては絵の具が足りなくなることは無かったです。

事前準備②話しかけ対策

前回はライぺブースをシェアした相互フォローさんと2名でブースにいましたが、とにかく作業中は話しかけてもらえない、結果ZINEやグッズなどもまったく出ない、挙句の果てに知人から「話しかけられずに遠くからそっと眺めていた」と週明けに言われるなど悲しいことばかりだったので、今回は以下の2点を準備しました。

①売り子さんに来てもらう

壁に向かって作業する時間が多くを占めるのは避けられません。そのあいだ、ブースに足を止めてくれた人にちゃんと対応できるよう、自分ともう一人、店番&売り子をしてくれる人を配置しました。

まさかのtシャツ現物支給で2日間売り子してくれました 神か?

②ご挨拶note記事を作り、着る

このような感じで、作者略歴・作品紹介・グッズ紹介がまとまったnote記事を作りました。で、Tシャツにプリントして着ました。

これなら作業している間でもスキャンすれば(疑似的に)作者からのご挨拶ができる!と思っていましたが、ライぺ中って動き回ってるからそもそもあんまスキャンできないんじゃないのかな。意味があったのかどうかはよく分かりません。

ちなみに今の時点で上記のnoteのビュー数は44ビューです。

事前準備③下絵を描き、グリッドを引く

前回に引き続き、グリッドで下絵を拡大する手法を使うことにしました。
もとの絵を描いて

グリッドを引きます。
このグリッドは実際のパネルでは20センチ四方サイズになります。

これをプリントアウトします。

パネル左上の出展名とブース番号もカチッとかっこよく描きたかったので、使う文字を原寸大でプリントアウトし、切り抜いて型紙として使うことにしました。

Futura最高!

これをA4サイズでプリントアウトし、文字に沿って切り抜いておきます。

当日

9時ちょい前に到着し設営。ライぺブースはSブースより物理的な余裕があるので設営がサクッと終わります。

続いて、グリッドとなる糸を張っていきます。
糸を張って下書きができたら撤去するという方法は前回のライブペイントのときにフォロワーさんから教えてもらいました。


で、やっていったところ

糸が終わりました。

横3.6m x 10本
縦2.1m x 17本
=36m + 35.7m
=71.1m

50mの家庭糸だと新品でも全然足りません。先に気づけよ。

なんと奇跡的に糸があまっていて恵んでくれる方がいらっしゃいました。ありがとう世界、ありがとうTwitter、そして糸を恵んでくださったけいみずさん本当にありがとうございました。

下書き~線

グリッドが引けたら、各グリッドにどの線がどのようにかかるのかを手掛かりに下書きを引き延ばしていきます。

描いているときは基本これぐらいの範囲しか視界に入れられないけど「この交差点から1マスで……」みたいにアタリをつけていく

パネル左上の出展名とブース番号は切り抜いた文字を壁に当ててなぞっていくのですが

なぜか「c」がどこにも見当たらず、cだけ勘で書きました。マジで謎。

下書きが完成したのが午後0:55。あれ?けっきょく前回と変わんない、というかむしろ遅くない?(前回の下書き完成報告ツイートは土曜日の0:15でした)

色を塗っていく

前回のライぺの反省をふまえ、まずは最も大きな面積を占める蛍光イエローのエリアから塗っていきました

これのリフレックスイエロー(蛍光イエロー)をチューブから出してガンガン塗ってました。

また、今回の新しいアプローチとして、太めの線は最初に塗っていくことで何が描かれているかがわかるようにするというのもやりました。
少なくとも、この人はおっきい女の子の顔を描こうとしているのだな、というのは比較的早めに理解してもらえる状態になったのではと思います。それでも土曜日の午後だけど……。

今回、太い線はこのようにあらかじめアウトラインを引き内側を塗りつぶすという手法を取ったので、前回大活躍した書道筆の出番が一切なくなりました。

背景と線を塗り終え、ようやく線以外の色塗りに着手。
最初の1色目を塗りおえたところで1日目終了となりました。

この時点でわかったこと

・糸は有限である ひと巻き買ったからといって安心するな
・下書きには時間がかかる


二日目

一日目の進捗が思ったよりアレだったので、二日目も9時ぐらいには到着。11時の開場までの2時間を作業時間としました。

今回のテーマとして、混色に使う時間を減らしたい、チューブから出してそのままの色で塗っていけるような配色がいいのではないか、というものがありました。

そこで今回購入したのが、リキテックスのペールカラーのバリエーションです。

時間に余裕があれば強めの色と白を混ぜたらいいっていうだけの話なんですが、安定して同じ色を出したい、色づくりの時間を取りたくないというシチュエーションでこのシリーズがとっても役立ちました。

今回の色塗りではこのような感じ

ほとんど混色を行っていません。絵具をまぜたのは、ピアスやチョーカーの灰色を作るところと、光彩の色味のグラデーションを作るところぐらいかなと思います。チューブから出して水で溶いて塗るの繰り返し。絵具の残量のコントロールもしやすく、作りすぎの懸念もないのでとっても快適でした。

ちっちゃいチューブで足りるのかって心配になる人もいると思うのですが、少なくともこのサイズ・この面積で、盛り上げとかせずに平らに塗るのであれば20ミリチューブ一本も使いきれないということが分かりました。

それでも色塗りが完了したのが午後の1時過ぎ。前回は(線ができてないけど)色塗り終了は日曜日の10時半でした。やっぱ遅くない?

ここから先は平筆を面相筆に持ち替えて、シャープな入り抜きの表現が必要な細い線を引いていきます。
まつげが生えるのもこのタイミング。目力が一気にアップして嬉しい。

髪の毛の色の境目も線を引いて、完成したのは午後2時過ぎとなりました。
前回の完成が1時半過ぎだったので、完成時間もちょっとビハインド。
まあ面積二倍になってるからね……しょうがないよね……。

タスク完遂したので、店番を友人にまかせて1時間ほどふらふらと会場を回ってきました。

撤収!

時間の使い方

このようでした。

作業時間はけっきょく前回とあんまり変わらなかったんですが、「線を塗る」が1日目にひと段落しているのがポイント

今回のライぺを通じて分かったこと

①線から塗る作戦はめっちゃいい

今回本当に良かったと思うのはここの手順の変更でした。
線を先に塗ることで、「こいつは線の太いデフォルメ系の絵柄だな」ということが見ている人から分かるようになるまでが早い。前回は線を引き始めた2日目の午後ぐらいでやっと絵柄が分かったところを、今回は1日目の午後ぐらいから遠目にも伝えることができました。
実際、1日目にちょろっと見て好みの絵柄だったからと2日目の夕方に再訪してくれる人もいたりしました。うれしー。

また、もっとも面積の大きい無地の背景を蛍光イエローで塗ったところ、「とりあえず目立つ」「カラフルな感じにするんだろうなという期待感が出せる」などのメリットもあることがわかりました。多分これからもやる。ブースが向かいとか隣とかになったら気が散ってしょうがないかもしれないが許してほしいです。

②売り子さんがいると物販がちゃんと動く

今回は物販の展示スペースも前回の2倍使えるので、ZINEやグッズ、原画などをほぼあるだけ持ち込みました。
結果的に、かなり多くの人にグッズを手に取ってもらえたうえ、原画も何点かお迎えいただけることになりました……!

壁に向かって作業をしているとそもそも興味を持ってチラ見してる人がいることに気づけないのですが、売り子さんがいてくれて声をかけたり名刺を渡そうとしていることで「誰かがいる」ということにこちらも気づけるという利点があります。
そこで原画を見てたり見本誌を見てたりしたらちょっと手を止めて声をかける、詳しく話を聞いてくれそうならもうちょっと話す、みたいなことができたのが良かったです。

どうしても作業をしていると「邪魔して悪いな」みたいな気持ちになると思うんですが、個人的にはこうやってちょいちょいおしゃべりできたのが良い息抜きになってました。これからもこのスタイルで続けたい。

③混色の手間を省くと精神上よい

チューブから出してちょっと水足して色の調整とかせずにそのまま塗るという方法で時短を測りましたが、時短できる以上に良いこととして絵具の残量を気にしなくてよいというものがあり、これが大変気持ちを楽にしてくれました。

混色で絵具を作った場合、まったく同じ色を再度作るというのが難しいという問題があります(慣れの問題かもしれないけど、わたしはあんま上手くできない)。平面的な絵柄でペタッと塗る場合、色がブレると目立ちやすい。なので、塗る面積に応じてじゅうぶんな量の絵具を最初に作っておくことが重要です。
逆に言うと、塗る面積や絵具の粘度のコントロールをミスった場合、絵具が足りるか…足りないか…?なんとか足りてくれ~~というギリギリかつひやひや状態に陥ります。これがプチストレスだったんですが、チューブから出した色そのまま塗る場合はこれがありません。だって足りなかったらまたにゅーって出せばいいんだもん。最高!

④糸は有限

当たり前のことです。先に気づけ。

グリッド法については、次回からはもうちょっとひとつひとつのグリッドを大きくすることで、グリッドを引く時間そのものを短縮できるのではないかと思いました。
その分正しく引き写すことが難しくなるんだけど、そこは慣れでカバーできる(カバーしたい)と思ってます。

楽しかった~~

ライぺやっぱりたのしいです。また11月のデザフェスでもやりたい!



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