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憧憬|CURRYgraphy

 CURRYgraphyの準備が少しずつ整ってきて、毎日、今が一番楽しいのでは? と思ってしまう。人見知りでもじもじしてばっかりの自分なのに、驚くほどたくさんの人に助けてもらっている。取材の申し込みをさせてもらっていても、どの方も真剣に考えてくれて、お返事を下さって、もうすでに「おいしいカレーのおいしい理由」がわかっちゃったような気持ち。改めて、大好きだなぁって思ったのでした。


2013年6月発行のdancyuを見返して

 永遠の憧れ、黄色のdancyuを久しぶりに読み返した。このdancyuがなかったら、私はカレーにはまることも、本を作りたい気持ちを持ち続けることも、なかったであろう始まりの一冊。
 何がいいって、カレー大好きな人が作ってるんだろうな、って瞬間的にわかる作りとお店のセレクト、敬意、随所に散りばめられた遊び心。だからなのか、10年経っても読み物として面白い情報誌として存在している。目黒のルソイのバターチキンのレシピなんて人類の宝だし、これは記録する必要があった、遺すべき大切なものだったことが証明されてしまった。GHEEを閉めたBleaks開店前の赤出川さんのインタビューなんて、当時、赤出川さんと社会が繋がれる一縷の望みだったはず、ファンなら垂涎ものだ。
 時間がたてば状況も変わるし、情報も古くなってしまう。紙の本は特に、修正が効かないからネットと比べられると弱く見られがちだ。でも、情報をずっと遺しておける物体として、所有できる存在として、不変の誌面を共有できる媒体として、私はどうしても紙の本にこだわってしまう。私はこの黄色いdancyuを、多分一生大切に持ち続けると思う。
 CURRYgraphyも、この2013年6月の黄色いdancyuを目指したい。時間が経って読み返しても、また改めて発見があるような、新しい面白さを見つけられるような、色褪せない本。

会いたい人

 本当は、今はもうないお店の店主に、もう一度会いたい。CURRYgraphyに、あのおいしいカレーを作った歴史を、どんなシェフが作っていたのかを、掲載させてほしい。あの発明を、遺させてほしい。
 でも連絡先もわからないし、もう食べに行けないお店を紹介するのも……と止められたりもするし、今継いでいる人が居たりすると懐古的な発言はタブーかもしれないと反省したりする。悩む。

おまけ)PABF/プアマンズ・アートブックフェアに行った

都築響一さんは遠くから見るだけで胸がいっぱいになった

 本の即売現場に少しでも慣れておきたくて、今年はできるだけ多くのブックフェアに(お客さんとして)参加しようと思っている。するとタイムリーにあの都築さんが西荻に来るってんで飛んで行った。にわかファンなので恥ずかしくてお声がけはできなかったけど、なんだか同じ会場にいるだけで胸がいっぱいになった。
阿佐ヶ谷書院の島田さんにもお会いできて、トルコの新刊を購入させていただく。マサラワーラーのお二人にもお会いできて、チキン&ベジのWビリヤニも食べられたので、土日はすっごくいい気分で過ごせました。鹿島ワーラーのお店にも行ってみたいな。この世には、憧れの存在が本当に多い。

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