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【続いてる写経 988日め】〜”エムバペ”くんに学ぶ、アフリカ系氏名の表記問題

ワールドカップの熱狂冷めやらぬ中、まだまだ話題も豊富な有名プレイヤーのみなさま。ワタシも思わず記事などを追っかけてしまします。

そんな中で気になったのは、フランスのエース、”エムバペ”くんの名前表記です。
日本の新聞や報道機関は、”エムバペ”と表記、発音していますが、彼のユニフォームに記載されていたスペル”Mbappé”を見て、これで”エムバペ”って読むのかしらん?とちょっと疑問に思いました。

日本版Wikipediaには、以下のような表記の揺らぎがあると書いてありました。
・キリアン・エムバッぺ
・キリアン・エンバぺ 
・キリアン・ムバッペ 
・キリアン・エムバペ 
・キリアン・エンバッペ 
・キリアン・ンバッペ

こんなにバリエーションあるんか!
ワタシは前回、”エムバペ”くんの名前を書くのにどれが正しいのかよくわからず、ググって”ムパッペ”を採用したのです。

4年前のものですが、ELLE(フランスのファッション誌)のサイトに興味深い記事がありました。

なぜキリアン・ムバッペを「エムバペ」と表記してはいけないのか?」

上記の記事によると、

Mbappé はアフリカ系(母方のアルジェリアもしくは父の母国カメルーン)の姓。よって表記は本来の音を、おそらくフランス領だった時代にフランス語のアルファベットで表現したもの。だとすると、仏語表記から探った読み方よりも、本人や家族が発音にしているように(下の自己紹介動画参照)「ム」から始まるのがもっとも正解に近い。しかもアフリカ系フランス人たちがSNSで指摘しているところによると、「M」と「b」を決して分けて発音してはいけないらしい。

https://www.elle.com/jp/culture/a22099095/kylian-mbappe-pronouce-issue-in-japan-170710/より引用

なるほど、これは日本語で言えば、外国人名を”カタカナ表記”した時に、必ずしも元の音声を正しく拾っていない問題と同様ですね。

フランス語の場合、「M」とその直後の「b」とで始まる単語はまったくと言っていいほど存在しないため、発音できないから「エム」と入れてしまった経緯がある模様。

さらに、指摘は続いて、

「エ」付きは見逃したとしてもまだしかし、「エムバペ」表記には問題がある。なぜなら「m」はあくまで「ン」だから。英語でも唇を閉じる「b」「p」など破裂音や「m」など唇を閉じる直前の「n」は特殊な場合を除き自動的に「m」の口になるので、「ム」の音になるが、あくまで子音のみ。ところが、これを「ム」と表記してしまうとどうなるか? 日本語の「ム」を正しく読まなければいけないアナウンサーたちはどうしても「m」の音に母音を付けざるをえない。仏語で表記すると「me」もしくは「mou」に近い音になってしまう。

同上

より本人の発音に近いのは、

怠惰なフランス人が読んでいるように、頭に「エ」の付いた発音を表記するなら「エンバペ」と表記した方が正しい。同様に「ムバペ」もMoubappéに聞こえるので、「ンバペ」のほうがいいが、本人の発音を基準にすればこちらのほうがまだマシ

同上

アフリカ系のお名前に「ン」で始まるお名前をよく見かけるのは、こういった理由だったのですね。
より元の発音に近い音を表すために、「ン」を採用。工夫と検討がなされた結果だったのかと。

だとしたら、”エムバペ”くんがなぜ”エムバペ”なのか…これは問題あるような気が…。
単に、”ンバッペ”や”ンバペ”は発音しにくいからかな?

というわけで、”エムバペ”ではなく、自分は”ムバッペ”採用しました。
でも、他の人に通じない感じよね、これだと。悩ましい。


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