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【続いてる写経 742日め】〜東洋のトルソーと吉祥天女

ホテルのライブラリーコーナーで、エッセイ集『名文で語る国宝の千手観音』の「唐招提寺の千手観音」を読んでいたら、にわかに唐招提寺に見に行きたくなりました。

というわけで、朝一に唐招提寺に赴き、人気のない境内で、本堂にある盧舎那仏様、千手観音様、薬師如来様を堪能。

三体並んだお姿と、それぞれの細工の細かさに圧倒されました。

盧舎那仏様の後背の仏様や、千手観音様の手、また手。

ここの千手観音様は953本手があり、完成当初は千本あったと言われています。

千本弱の腕がびっしりとあるお姿、圧巻でございました。

なにか、ここの仏像には他の場所の仏像以上に、感じさせるものがあります。

迫ってくるものがあるというか、仏様の存在感が圧倒的な感じ。

そして、何となく入ってみた宝物館の仏像が、、美しかった…

東洋のトルソーと呼ばれる、頭部が欠落した如来型立像。
流麗な襞の表現と、肉感的な胸部や脚部は、ルーブルのサモトラケのニケのよう。

頭部がないぶん、失われた部分よイメージが膨らんでしまうのです。

また、国宝の如来、衆宝王、獅子吼菩薩立像の3体にやられました。。

これらは鑑真和上が連れてきた仏師の手によるものと言われているそうです。

中国大陸的な勇ましさを感じるお顔なのですが、ガンダーラ的なシュッとした立ち姿に凛とした涼やかさがあります。

今まで観てきた仏像とは一味違いました。しばしこの4体に見惚れておりました。

撮影不可なので、公式パンフレット、買っちゃいましたよ…。

いやはや、凄かった…
またゆっくり観にきたいです。

雲の形がなんとなく天平時代…

次は今回のメインイベントである、浄瑠璃寺へ。特別公開中の吉祥天女像を観に向かいました。

浄瑠璃寺は初めて行ったのですが、奈良と京都の県境、とても行きにくい場所ですが、鳥の声がよく聞こえて、空気も澄んでいました。

庭園の配置は、東の三重塔に薬師如来、西に阿弥陀仏を配し極楽世界をこの世に表わしてるとのこと。
現在は浄瑠璃寺にしか残っていない形式なのだそうです。

本堂内には九体の阿弥陀如来様が鎮座し、吉祥天女像は中心部の脇にありました。

先日読んだ小説、『十二神将変』にも浄瑠璃寺の吉祥天女が、神々しい美人の例えとして、引き合いに出されてました。

確かにこの吉祥天女様、実在の美人をモデルにしたかのように、表情が生き生きとしてます。

そこが親しみを感じさせ、人気がある由縁なのかもです。

うむ、はるばる観にきた甲斐がありました

厨子の中の絵も色鮮やかで、もっと間近で明るいところで見てみたい。

今回観賞用の短眼鏡を忘れた自分、、
とほほなのでした。

つづく

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