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『グラン・ローヴァ物語』② この本との出会いと、2つの心の激戦

『グラン・ローヴァ物語』との出会い

僕が、『グラン・ローヴァ物語』と出会ったのは、佐賀市にある佐賀市立図書館でした。

佐賀市立図書館は、漫画作品が置いてある図書館です。その中で僕がたまたま手にとったのが『グラン・ローヴァ物語』でした。

その当時、僕はちょっとした人間不信になっている時期でした。

「世の中の人は、みんなお金に汚い」、「人間が信じられない」、「世の中の人は、誰一人僕を信じてくれない」

そんな、高校生としてはありがちな、良くない感情がたまっていたのです。

『グラン・ローヴァ物語』を手に取ったのは、ちょうどそんなときでした。

『グラン・ローヴァ物語』に感銘を受ける

『グラン・ローヴァ物語』を初めて読んだとき、普通の漫画作品と比べると、いつも以上に時間がかかったことを覚えています。

というのも、全4冊と巻数自体は少ないのですが、『グラン・ローヴァ物語』は1話1話の内容が濃いため、しっかり読もうとすると時間がかかったのです。


最初に『グラン・ローヴァ物語』を読み終えたあと、僕が感じたのは怒りでした。

どうしても、ラストの展開に納得がいかなかったからです。

そして、それ以上に僕の心は荒れ狂う嵐のように、複雑な感情が渦巻いていました。

物語の一場面に出てきた、細工師のおじいさんが残した言葉が美しさ。

そして、主人公サイアムのラストでの選択。

特に、作中のサイアムの最後の選択は、僕にとってはあまりにも愚かな選択でした。

「サイアムは、なんて愚かなんだろう!」

僕の心は何度も何度もそう叫ぶのですが・・・

しかし、サイアムの最後の選択は『僕が求めている理想』そのものだったのです。


それから3日間ほど、僕は『グラン・ローヴァ物語』を何度も読み返し続けました。

それは、『グラン・ローヴァ物語が示す理想』と『僕が思い描いている今の現実』という2つの心がぶつかりあう激戦の3日間でした。

そして4日後、勝ったのは『グラン・ローヴァ物語が示す理想』でした。

僕の心は浄化されたように澄み渡り、人間不信もだいぶ解消されていました。


そうしてその後の僕は、人生で道に迷ったときには、『グラン・ローヴァ物語』で学んだことを指針に生きていくようになったのです。

つづく

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