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詩「あたらしき日々」


雲が茜色に染まった
夕刻
僕の目の前を
飛行物体が飛んで行った

肌身離さぬ
スマートフォンに
動画として記録させた
有り得ない日常が
当たり前の毎日になる
僕達は
非常に危うい境界線に
存在している

不思議と恐怖心はない
感性と感覚を
子供の頃に戻すだけだ
タイムマシンは必要ない

あの頃僕は
好奇心の塊だった
頭の上から
爪の先まで
感情が詰まっていた
目を閉じて
あの頃の自分に
身を任せれば良いだけ

誰の目の前にも
未知の扉が存在している
ドアノブに手をかけないだけ
非常に強固な鍵をかけているだけ

一斉アクセスが始まる
あの日僕等が捨てた
ポケベルや
ガラケーが
内部受信をはじめている
既に
壊れているから
誰も気付いていないだけ…

先先の朝
地上ではなくて
飛行機や
数々の飛行物体で
空が渋滞している
そんなニュース速報が
テレビを賑わせているかもしれない

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