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詩「太陽の獅子」


紅く
気高く
燃え上がる
太陽の獅子が
雄叫びをあげる

苦痛にも
悲鳴にも
似た
叫びだ

かつて
悠然と歩いた大地は
人々のかなしみで埋もれていた
空気はウイルスが漂っていた
川は酷く汚染されていた
季節が狂い
地球は波動に耐えていた
もう
以前まえの情景が目に浮かばなくなっていた

それでも
このほしに生まれて来た
光に敬意を表しながら
太陽の獅子は
雄叫びをあげた

大地に
撒かれた
種子よ
目覚めよ
そして
我と共に
本気の
雄叫びをあげよ
身体を発光させ
心をふるわせ
大地に尊い緑を蘇らせよ

本当の優しさとは
強さとは
諦めずに
腐らずに
淡々と
灯る光だ
誇張せずに
目立たずに
ただ
そこにあるのだ
意思のある者が
悠然と
その乾いた大地に
芽を出すのだ

紅く
気高く
燃え上がる
太陽の獅子は
荒んだ大地を踏みしめる
変わり果てた姿に
涙を流しながら
歪な新時代にならない様に
何度でも
何度も

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