グリンピースと戦争

 【グリンピース】をご存じだろうか?
 on the シューマイしているアレのことではなく、遊びの方。

 ジャンケンの発展形の遊びとでも言おうか。
「グリンピース」という掛け声とともに、『グー』か『チョキ』か『パー』を出す。
ジャンケンの勝敗に倣い、勝った方が自分の出した手に「リン」を付けて二回言った後、新しく出した手にまた「リン」を付ける。
「グリン、グリン、チョリン」といった具合だ。(パーの場合は、パリンとなる)
ここでまた「リン」を言う方を選出するフェーズが発生する。勝った方が「~リン」を二回言って、新しく手を出す(同じ手でも良い)。
そしてあいことなったとき、先に「ドン!」と言えた方がこのゲームの勝者となる。それまでのグーチョキパーの勝敗は関係ない。
反射神経の良い人になると、「グリン、グリン、パ、ドン」くらいのスピードになることもある。

これの派生で、『マクドナルド』というのも存在する。
「グリン」「チョリン」「パリン」の代わりに、グーが「ハンバーガー」、チョキが「シェイク」、パーが「ポテト」。
そして勝利の合言葉は、「いらっしゃいませ」

私の記憶では、さらにトイレというのもあった気がする。
グーがどれでチョキがなにで、というのは全く覚えていないので、自分の記憶の捏造とも思えるのだが、合言葉が「ジャー」という水を流す音だったのは覚えているので、確かにあったはず。

さて、この関連の遊びで、とても印象的なものがもう一つ。
『戦争』だ。
これまでの遊びと違うのは、まずお互いに左手で握手をした状態でスタートする点(私が右利きなため)。
そして「せんそー」の掛け声でジャンケンをする。
『グー』が軍艦。『チョキ』が朝鮮。『パー』がハワイ。
勝った方は相手の握手している手を叩き、「一本取って軍艦」と続ける。
ここで思い出せないのが、何を持ってして勝ちなのかということ。
単純にジャンケンの勝敗だったのか、ジャンケンで勝っていた方が親となり、あいこになった時点の親が叩いていたのか、はたまたそのどちらでもないのか。
なぜ記憶が薄れているかというと、ひとつは親から大変に叱られたからだと思う。

幼い当時、戦争という単語は何となく知っていた。意味を理解しているわけではないが、そういうものが存在しているんだと。
あとはハワイが地名であることだけしか知らない。軍艦、朝鮮、一本取ってがどういうことなのか全くわかっていなかった。
今も、すべてを理解しているわけではないが、あまりにも不謹慎な遊びだということはわかるし、当時の親の嫌悪感も理解できる。
私も、自分の子どもがこんな遊びをしていたら止める。
しかし幼心とは厄介なもので、ダメと言われれば言われるほど興味が出てきてしまうのだ。

決して楽しい遊びではない。
幼いころから今現在も、何がこの遊びの終着点なのかを知らない。
ルールがわからないから楽しいわけはないと思う。
「ドン!」と言えば勝ちなわけではないし、いつも怒られるか呼ばれるなどで有耶無耶になっていたから。
今考えると、それが戦争ということを伝えていたのかもしれない。
どちらかが降伏するまで終わらないということなのか。

8月15日を過ぎたある日の昼に、こんなことを思い出し、考えていた。

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