本当にこのままで大丈夫!? アベプラの報道倫理に関する問題点

 アベマプライム(以下、アベプラ)とは、ABEMAのニュースチャンネルで生配信されている報道番組、もとい討論系の番組である、主に時事関係のトピックを取り上げ、コメンテーターがあれこれ討論する番組だ。youtubeの公式チャンネルでもアーカイブを投稿しており、結構な再生数と人気を誇っている。
 地上波のチャンネルでは同じジャンルの番組を24時間ずっと放送し続けることは放送法か何かで禁止されているらしいので、ニュースマニアの筆者はどの時間帯でもニュースをやっているAbema news チャンネル自体はありがたく重宝させて頂いてはいるのだが、どうも討論番組であるアベプラには報道番組として多くの問題が見受けられる。おそらくこのような内容を地上波で流せば炎上必須だと思うが、意外にもアベプラ視聴層からの批判は薄い。おそらくはアベマ視聴者自体がネット世論に影響を受けているためと思われるが、アベマの認知度は年々高くなっており、もはやアベマが地上波テレビ並みの認知度を持つ可能性も少なくない。
 大きなお世話かもしれないが、このままこの問題を放置しておけばいつか大きな炎上を引き起こし、地上波で散々批判されてきた不祥事の二の舞になるかもしれない可能性を危惧しており、今回の記事の執筆に至った。ひとまず筆者が違和感を感じている理由を軽く3点に分けて下記に述べさせて頂く。


  1. 過激なトピック内容
     アベプラが取り上げる内容は地上波と趣がかなり異なり、簡単に言えばネット世論の影響を強く受けているように感じる。
     直近で例を挙げれば、暇空茜氏に端を発したcolabo問題だ。この問題を地上波で取り上げたメディアは皆無であったため、この問題を知る層からは地上波メディアに対する批判と失望の声が多く上がっていた。だからこそアベプラでこの問題を取り上げた時の視聴者からは「他のメディアと違って忖度しないので好感が持てる」と評価する声も多かった。
     確かにそのような見方もできなくはないが、悪い見方をすれば、触れただけで炎上しそうな過激な内容をわざと取り上げて視聴数を稼ぐことを狙っているように感じる。colabo問題に関しても、インターネットではまとめサイトなどで多く取り上げているが、そう言ったサイトが取り上げる理由はフェミニストVSアンチフェミニストの対立を煽ることによる視聴者数稼ぎが目的であると言うことは多くの人間が感じていることだろう。アベプラもそう言った意図でトピックを選んでいると疑わざるを得ない。

  2. 思想の偏った出演者
     他の討論番組と同様にアベプラにはレギュラー陣の他に様々なゲストが登場する。が、正直な所、意図的に顰蹙を買いそうな人物を選んでいるように感じる。特にフェミニズム関連や動物愛護関連のトピックでは、いわゆるそっち系の偏った人物を呼び、案の定コメントではそういったゲストを叩くのがお決まりとなっている。
     そもそもアベプラ恒例となっているひろゆき氏からして、賛否分かれるタイプのキャラクターだろう。そう言う人選も含めて、出演者も視聴者も議論が悪い意味で加熱するように仕向けているように感じる。

  3. 煽るようなサムネイル
     上記で述べた点が最も顕著に表れている点が、youtubeのサムネイル(以下、サムネ)だ。もちろんyoutubeで再生数を稼ぐために、人の目を惹きやすいサムネにする必要があるのは認めざるが、それを差し引いても最近のアベプラのサムネは少々過激すぎると言わざるを得ない。
     全体的な傾向として、討論者の顔のうちの2、3人の顔をドアップで顔に敷き詰め、その番組で出たであろう発言を吹き出し付きで載せているサムネが多い。特にセリフに関しては、アベプラ常連のひろゆき氏お得意の容赦無くズバッと叩き切るような発言、上記の過激なゲストによる思想強めな発言など、これまた賛否が分かれそうな内容が多い。
     このようなやり方はアベプラだけではなく、最近になって登場したyoutubeの番組「令和の虎」も同様の手口をとっており、(ちなみに筆者は令和の虎も嫌いである)両者とも過激な内容を仄めかして視聴数を稼がんと画策している様子が伺える。


まとめ
 今回はアベプラの批判点をいくつか述べさせてもらった。結論を言えば、アベプラはまとめサイトに代表されるような対立煽りを使って視聴者数を稼ぐ傾向が強い、と言うのが筆者の見解である。
 だがしかし、内容を過激にして視聴者数を稼ぐというのはアベプラに限らず迷惑系や暴露系など多くのyoutuberがやっているし、昔の地上波番組でもその傾向が強かったのだから、アベプラに限った話ではないという見方もできるだろう。しかし、アベプラがその二つと違う点は、第一に報道番組であるという点、第二にもはや地上波の番組に匹敵する影響力を持っているという点である。近年ではスマートテレビなるものが発展しており、リモコンのボタンにも地上波やBSと並んでabema TV 専用の切り替えボタンがあるくらいだ。かく言う筆者も前述したように地上波のニュースの代わりにアベマを視聴する頻度は増えている。だからこそ、これだけの権力を持った報道番組が過激な内容で人を釣ると言うやり方に疑問を持たざるを得ない。
 話が脱線するので今回は深くは触れないが、妙にエロネタ傾向の強いバラエティ番組や、テラスハウスの件で大バッシングを受けた恋愛リアリティショーをいまだに擦り続けている点など、どうもabema TVの放送倫理自体がひと昔遅れているように感じてならない。今回は批判点を述べさせてもらったが、地上波と一味も二味も違うabmea TV 自体はこれからも発展してほしいとは思っている。だからこそ、過激なネット世論に過度な影響を受けず、もう少し真摯な内容を目指してほしいものである。

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