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夏場所番付にみる

夏場所も番付発表。主なものは大関琴櫻・三役に朝乃山・大の里、尊富士が前頭6枚目といったところか。

尊富士の番付の低さが気になる。17枚目から11枚アップとなるが幕内優勝でこの位置。6枚目では上位総当たりでもない。かつては優勝次場所は小結が慣例だった時もある。現在は上位混戦時代で、前頭筆頭~2枚目の勝ち越しでは簡単に三役とはいかず、割を食う力士が毎場所出るがどうなのか。

ある意味幕内優勝の価値はこの程度と周知しているようにも愚考してしまう。実際今場所も優勝力士は全く見えない。照ノ富士が離脱であれば大関と単純に行かないのが昨今の大相撲。かつてのような壁となる力士は皆無といってもよく、三賞受賞にプラス一押しで優勝になってしまう。この2年間で見ても初優勝力士は14場所で6人で、2回目の優勝が2人。それほど顔ぶれが違う。どちらかといえば上位力士優先(昇格に厳しく降格に甘い)の番付編成だが、優勝に対する相対的な価値が変化してきているのか。

大の里。新小結会見の前に師匠ともども謝罪していたが、何の弁明もないということは単なる未成年飲酒だけでなく、週刊誌報道(風呂場での強制飲酒・取材の噂が入って協会に報告)も事実という事か。単なる未成年力士の飲酒という括りで語っていいのか。ひとまずこれで落着なのだろう。土俵にどう影響あるか注目だ。

朝乃山は三役復帰だがケガ。出場できるのか?

琴櫻。祖父が引退したのは50年前(北の富士もほぼ同時だった)。このタイミングの襲名は何か微妙。新大関でもよかったのでは。琴ノ若改め琴櫻も肝心の詰めが今一つで優勝に届かないイメージがある。突きでも四つでも行けるがこれという強さがない。祖父のように押し一本でもいいのでは。

入幕は5人、十両も5人と世代交代も感じる場所。かわって遠藤、妙義龍が十両落ち、幕下上位も10枚目以内に関取経験者が20人中7人と確実に時代が移りそうだ。昭和生まれで最後まで残るのは玉鷲か佐田の海と見ているが… 新入幕時疾風は少し炎鵬似。アンコではないのが好感。

照ノ富士はあいかわらず様子見の土俵。しかし出場すれば場所の要にはなるのか。大関陣は琴櫻はともかく他3人はどれほどのものか。霧島は角番だが首の負傷では今後も苦しい。

159センチの力士誕生かという話。検査基準廃止後初の150センチ代力士となるようだ。正直160センチ代前半の力士は実寸160前後のケースもあるはず。炎鵬とて165センチほど。その炎鵬は序二段100枚目。

十両を見ると志摩ノ海が5勝ながら2枚落ち。6勝の玉正鳳も据え置きと相変わらず下げに甘いのだがどうか。関取の力量も落ちていると感じるが関取優遇の編成が目立つ。番付自体が詰まって本来落ちるべき力士が残るケースもあるが、定員に縛られずに昇降すべきだろう。幕内は42名以内、十両は28名以内という「以内」をどれほどの親方が存じているかも正直怪しいとみてしまう。こんなところにも大相撲の競技を維持することが難しくなっていることが伺える。



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