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名探偵コナン最終回①ふたりの行方


 黒ずくめの組織ナイトバロンとの戦いについに終止符が打たれた。
ウォッカ、キャンティ、コルンなど組織の主だった幹部は警視庁、FBI、インターポールの3つの組織の協力により続々と逮捕された。
逃げ足の早い彼らを逮捕できたのは組織に潜入していたバーボン(安室透)、キール(水無玲奈)、そしてキャンティとコルン相手に銃撃戦を繰り広げ、コナンのピンチを救ったFBIのライ(赤井秀一)の活躍が大きい。
ジンは一人ヘリに乗って高飛びしようとしたが、土壇場になって裏切ったベルモットが携帯式地対空ミサイルを発射、ヘリは爆発炎上し海上へ墜落した。
ジンの生死は不明である。
彼女はFBIに司法取引を持ちかけ罪を赦免して貰う代わりFBIの犬になることを誓った。
そして彼女の口から驚くべきコナンの秘密が明かされる。
なんと江戸川コナンはナイトバロンのボスである工藤優作と愛人ベルモットとの間にできた子供だったのだ。
つまり工藤新一とは母親の違う兄弟ということになる。
このことは知っているのは工藤新一と江戸川コナンだけである。

 また工藤優作の犯行動機は驚くべきものだった。
息子工藤新一の成長を促し1人前の探偵にすること。
そのために巨大な悪の組織を作り息子が挑んでくるのを待ち構えていた。
「自分を越えた探偵によって自分が逮捕されるのも計画のうちだ」そう言ってあざ笑いながら毒薬のカプセルを飲もうとしたがコナンの麻酔銃によって食い止められた。
そして米花町に平和が訪れた。
あれほど多発していた事件は激減した。
コナンは今まで起こった様々な事件も工藤優作が裏で糸を引き、犯人に知恵を授けていたのではないかと疑ったが真相は不明である。


 放課後、夕日に染まる米花町を蘭と新一が久しぶりに一緒に帰宅していた。
新一は手を繋ごうとするが照れ臭くて言い出せずにいる。
「 ねえ新一。コナン君どこ行っちゃったんだろうね?急にいなくなっちゃったのよ」
「ああ、あのボウズなら灰原っつう女の子と一緒にアメリカの小学校に転校することになったらしいぜ」
「え?哀ちゃんも。私、お別れも言ってないのに。てかなんであんたがそれ知ってんのよ」
「いや実はあのボウズオレの弟なんだよ。母親は違うけどよ。でまあずっとオレの調査活動の手助けしてもらってたんだ」
「な~んだ。どうりでおかしいとおもったわ。あの子変な行動ばっかしてたもん。たまに新一そっくりだし」
「あはははは。まあ探偵の卵ってやつだからな。(実はオレより賢こかったりして)」
「でも新一の弟ならまた会えるわね。あ~よかった~」
「あいつも男の子だからさ。蘭に泣き顔見せるのが恥ずかしくって黙って行ったのさ」
「え?泣いてたの?コナン君」
「ああ、蘭姉ちゃんとお別れするの寂しいよ~ってポロポロ泣いてたぜ。ま、夏休みには戻ってくるかもな」
「そっか~。泣いてたんだコナン君。また会いたいな」


 東都国際空港

 夕方、空港のロビーのガラス越しに発着する飛行機を悲しげな表情で見つめる灰原。
その瞳には涙が光っている。
灰原はFBIのジョディ先生に頼んで承認保護プログラムを申請。
経歴をすべて抹消し新たな人間、灰原愛として生きることを決意した。
そして先生の手配した飛行機に乗ってアメリカに行き、ロスの小学校に転校して新たな人生をスタートさせるつもりだった。
阿笠博士の家には感謝の気持ちを込めた長い手紙とスマホを置いてきた。


 「黒ずくめの組織、ナイトバロンとの戦いは終わったけど、どこかに彼らの残党が潜んでいるかもしれない。私の正体はシェリーだとバレてるし、これからみんなが安心して暮らせるように私はここからいなくなるよ。…さようなら工藤くん…。な~んて下らね~こと考えてんだろ」
「え?」
振り向くとそこにはコナンがいた。
「工藤君?なんでここにいるの!?」
「だ~からオレは工藤新一じゃないって言ってんだろ。そんな顔すんなよ灰原」
「だからなんで?」
「オレもオメ~と一緒にアメリカの小学校に転校するよ。そしてナイトバロンの残党が潜んでねえかどうか調べて安全が確認されたら元の姿に戻るつもりだ」
「そう。でも蘭さんはいいの?守ってあげなくて」
「ああ、ナイトバロンを倒した今、ずっと姿を隠していた新一兄ちゃんも普通の高校生に戻って堂々と蘭と付き合ってるしな。何か事件があっても新一兄ちゃんに任せとけば大丈夫さ」
「それじゃあなたは?」
「しばらくオメ~とロスで暮らそうと思ってさ。逮捕された工藤優作の邸宅をそのまま使っていいって新一兄ちゃんに言われてるし」
「へえ、随分のんきなのね。人の気も知らないで。それにその計画には私も入ってるのね」
「ああ、ほとぼりが冷めたらそこで江戸川探偵事務所でも開こうと思ってる。灰原、そのときオレの相棒になってくれねえか?」
「……ええ、いいわよ。地獄の底までついてくわ。でもそれってプロポーズってことでいいのよね?」
「バ、バーロー!そんなんじゃ…」赤くなるコナン。
「あら違うの?」
「ち、違うっつうかなんつ~か…」
「珍しく歯切れが悪いのね。じゃ質問を変えるわ。私にはずっと解けない謎があるの。江戸川君、あなたは誰が好きなの?」
コナンは右手でピストルを作ると灰原に向けた。
「ったくしゃあねえな~。オレが好きなのはお…!?」
コナンがすべてを言い終わる前に、その唇を灰原の唇が塞いだ。

(これでおあいこね江戸川君)
(ああオメ~はオレがずっと守ってやっからよ)


※名探偵コナンのパロディです。こちらの続きです↓


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