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セミファイナル最終戦の雑感/NEXTパイレーツは誰だ?

 セミファイナルで起きたことは上記の福地先生の記事で語られています。(無料部分だけでも把握できると思います。)高い言語化能力で本質を捉えてまとめられていますので、私からは起きたことのすべては説明しません。セミファイナル最終戦を観て私が思ったこと、気になったことについて忖度なく述べます。全選手への辛口批評は下記の記事に載せてありますので、そちらも参考にしてもらえれば幸いです。

 今回の記事はデータに基づいて考察しているだけの章もありますし、そこまで辛口な内容ではないので記事名を中辛にしようか迷ったのですが、それでも石橋さんと朝倉さんには少し厳しいことを書いています。両者のファンの方は気分を害するかもしれませんので、ご理解の上で読み進めてください。

石橋選手の結果と試合後インタビュー

 結局ここについてどんな感想を持ったかですよね。それだけで朝まで語り明かせるくらい議論できるんじゃないかなと思います。私も試合終了後、Twitter上のいろいろな人の意見を追っていましたし、Mリーグファンの方達によってスペースが乱立しているのを見かけて「みなさん話足りないんだろうな」と感じていました。前述の福地さんは「Mリーグ始まって以来、最大の名シーンではなかろうか」と評していました。(そこから先は有料の内容なので触れません。) Twitter上で時間が経った後も議論されていたテーマって大体石橋さん関連(成績などに関する批判と擁護)、パイレーツの入れ替え候補、Mリーグそのものについて、くらいに集約されているんじゃないかと思います。風林火山が惜しかったとか、亜樹さんが立直してたら勝ってたんじゃね?て話とかはもう誰もしていないですよね。

 間違っても自分と意見が違う相手を「目に入ってきてとても不愉快になったんで引用するな」などとRTしてMリーグファン同士での争いを助長するようなことはやめましょう。

最終日の石橋さんの麻雀は?

 これは専門ではないので短めに。石橋さんの決め手となった放銃については擁護とかではなく、結構仕方がない局面だったかなと思います。多井・堀・小林さんあたりはこの状況でさえ放銃しないのかもしれませんが(小林さんは瞬間この状況だったら放銃するイメージがあるが、そもそも五萬を受け入れられるように構えていたり、過程の違いで避けているイメージがある)、戦犯みたいな責め方をされるような放銃ではないように思います。しかしこの半荘全体については、石橋さんの手組み・構えって私は観ていて違和感を感じる場面が多くて、客観的に見ても他の選手だったら違う選択をしてそうな場面も多々ありました。なので、あの半荘を「誰が打っていてもラスだった」とまで言えるとは全く思っていません。石橋さんの試合後コメントに対するファンのコメントを観ていると「誰がやっていてもあれはラスだった」「運が悪い役がいつも回ってきているだけだよ」といった励ましの声も結構多く見られましたが、さすがにそれは盲目に肯定し過ぎだと思いました。

石橋さんの試合後インタビュー

 石橋さんへの個人的な感情よりも、まずMリーグのシステムについて考えさせらました。麻雀プロが放送番組でこれだけ悔しくて泣けるような場面、これだけ視聴され話題になる場面を提供・演出しているMリーグが凄いなってシンプルに思いました。「Mリーグを視聴している人の何割かは麻雀のルールを知らない」と聞いたことがありますが、確かにMリーグって試合のルールが分かっていなくても人間にフォーカスされている部分があるので、「〇〇さん/〇〇チームがまた勝った/負けた」という結果だけでも充分観られる作りになっているのかもしれないです。(少し違うけど囲碁のルールを知らなくてもヒカルの碁は絵と展開で楽しく読めるみたいなものに近い。) 最終日の試合は確かに人間ドラマとして見応えのある状況・試合になっていたと思います。石橋さんが涙した場面って番組としてはこの上ないくらいの撮れ高になったんじゃないかと思いました。石橋さんは成績不振で悩んでいながらも外にはそれを一切漏らさなかったということをとある記事で知りました。麻雀の成績は一旦置いておいて、成績不振でもこれまで気高く明るく振舞っていた姿勢はプロとして本当に偉いと思います。その石橋さんが涙して崩れたからこそ、観ている側としてもくるものがあったと思います。

松ヶ瀬選手の試合後インタビュー

 松ヶ瀬さんのインタビューは相変わらず良くなかったです。最終日にインタビューがあった6人の中で一番声が小さかったです。状況的に明るく話す場面ではないことは分かりますが、松ヶ瀬さんとしては風林火山側のドラマがあることをもっと見せるべきだったと思います。「勝又さんに任せる!」という旨を覚悟が決まった態度でハキハキとした喋り方でするべきだったと思います。石橋さんとは対照的にめちゃくちゃ撮れ高にならなかったようと思います。石橋さんのインタビューがしんみりムードになることは予想できていたことなので、だったら自分が多少でも切り替えられるように努めるべきではないかと。元気のないおじさん二人をインタビューして必死に堪えながらも最後に堪えきれずに涙を流したまつかよさんがかわいそうでした。

石橋さんが契約終了になるのは妥当か?

 感情論だけではなくデータ面から考察もしてみようと思います。

 そもそもパイレーツって強いのか弱いのか?「1回優勝しているけど、なんか去年まで毎年レギュラーシーズンマイナスだったし、こばごー以外観ていて安定感が無いように見える。」こんな風に思っている人が多いのではないでしょうか。パイレーツの戦力面から考察します。私は優勝できたことがある=強いチームとは思っていないです。ファイナル12試合のウエイトが大きすぎる短期決戦だからです。強さを測るなら優勝回数よりも選手入れ替え義務の規定にもなっている「何回ファイナルまで残れたか?」で考える方が適していると考えられます。この指標だと渋谷Abemas・サクラナイツは優勝は経験していないながら通過率100%であるので「強いチーム」と言えると思います。次いでセガサミーフェニックスと麻雀格闘倶楽部と赤坂ドリブンズ、風林火山が50%なので、この4チームはMリーグにおいて「平均的な強さ」だと言えます。そしてU-NEXT Piratesが 25%、TEAM雷電が0%でした。この見方をするとパイレーツはチーム力としてはやはり「少し弱い」部類だと思います。チームの再編成を求められ、より強化する必要があるのは結構妥当であるという結果でした。

<個人成績>石橋さんの麻雀の成績を感情論無しで分析します。最終日の石橋さんの結果はそれほど重要ではなく、麻雀はロングスパンで成績がどうかが大事だと思います。個人賞の対象にもなるレギュラーシーズンの成績でどうかと考えると、石橋さんは4年間全てのシーズンでマイナスしていて、トータルは ー806.8ptです。(こばごーが587.0pt、瑞原さんが220.9pt、朝倉さんがー189.8pt)。これを見ると石橋さんがクビになっても妥当としか言えません。

「Mリーグは100戦程度の結果でしかないので成績に収束しない。下ブレしている」という擁護も見受けられます。これは統計的に否定することはできないです。参考値にしかなりませんが、石橋さんはRTDリーグの成績も含めるとAbemaの番組で7年連続マイナスしています。RTDリーグでの対局数も加算すればそれなりに試合数は増えます(それでも統計的に足りない)が、その全てでマイナスしているということは下振れしているだけとはやや考えにくいのではないかと思います。

 また、「石橋さんはポストシーズンは強いから」という擁護も見かけます。石橋さんが「ポストシーズンに強い」の根拠はありませんが、「ポストシーズンの成績が良い=チーム勝利に貢献している」ことは確かに重要であると思います。ポストシーズンを含めた結果を下記に算出しました。

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 ポストシーズンの成績を足しても石橋さんが一番成績が悪かったです。レギュラーシーズンの負債が多過ぎて三着のあさぴんにもダブルスコアで届きませんでした。(レギュラーシーズンだけだとあさぴんの4倍以上マイナスしているので半分くらいは縮まっている。)


 しかしポストシーズンでの成績はレギュラーシーズンの1試合よりも重要度が高いです。それはMリーグのルール上、セミファイナルではレギュラーシーズンのポイントの半分を持ち越し、ファイナルではさらに半分になるためです。つまりファイナルでのptはレギュラーシーズンでのptの実質4倍の価値があります。それを加味して、上記の結果にセミファイナルのpt価値を2倍、ファイナルのpt価値を4倍として計算した結果がこちらです。

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 この計算でも石橋さんは朝倉さんに届きませんでした。こばごーが987.0ptの文句なしの大トップ、瑞原さんは今期のレギュラーシーズンでのプラスと2019ファイナルでのプラス分と今期のポストシーズンの3連続ラスで打ち消し合ってちょいプラス 50.3ptの二着、あさぴんはー160.8ptの三着、そして石橋さんは朝倉さんに92.0ptほど届かずラスでした。実は今期のセミファイナル最後二日の2ラスが無かったらあさぴんを捲っていました。以上の考察から、(ここまで計算する必要があったか微妙ですが、)石橋さんはポストシーズンに特別強いわけではありませんし、成績から判断するなら契約終了となっても妥当だと考えられます。(2019年の最終日、石橋さんがトップを取ったことが優勝に大きく繋がったことで擁護する意見もあります。それは事実ですが、狙って再現できることではないのでやはり私はトータル成績で考えるべきだと思います。)朝倉さんと比較して考えると「微差」と考えられなくも無い範囲で、これらの材料をもって監督や企業側がどう判断するかに委ねられているかと思います。

<麻雀以外の面>

 Mリーグは実力至上主義ではありません。麻雀の結果が出ていなくてもファンから絶対的に人気があり、サポーター数など、盛り上がりに貢献が出来ているならクビを免れられる可能性も充分にあります。また、チームやスタッフとのコミュニケーションも重要ではないかと考えられます。まず人気について。石橋さんにも固定ファンはもちろんいます。完全に主観の話ですが、ゲストイベントなどでの石橋さんの評価は高いことが多いように思います。「感じが良かった」という意見が多く見受けられるイメージがあり、悪く言っている意見ってほとんど見たことがありません。パイレーツ公式や石橋さんへのファンのコメントを観ていても、「石橋さんを辞めさせるならもうMリーグ観ない」「もっとこの4人での麻雀が観たかった」など、ファンから愛されていることが伝わってきます。しかし他の選手と比較してこれが多い方なのかは分からないです。実際のところ石橋さんの人気がどれくらいあると見積もればいいのか分かりません。一つの指標としてTwitterフォロー数を持ち出すと石橋さんは4万人台=あさぴんと同じくらいでした。こばごーは6万人台、瑞原さんは7万人台なので、人気でもこの二人は雲の上で、成績同様にやはりあさぴんと直対でどう判断されるかだと思います。あとはチーム・スタッフやファンとのコミュニケーションがうまくいっているかどうか=人間性が判断材料になると思います。これらは人気よりもさらに公平に評価する指標がありませんが、少なくとも朝倉さんには負けないだろうということは分かります。

朝倉さんが契約終了になるのは妥当か?

 朝倉さんの進退についても本人のコメントを発端に様々な憶測が飛び交っています。

 このツイートも相変わらず、なんか下手ですね。本人は自覚が無いと思いますが(あったらおかしい)なぜこんな匂わせにも取れそうな文になる。こういうところは誤ツモした後のインタビューで引退を仄めかす発言をした時からあんまり成長してないなと思いました。

 私の以前の記事での朝倉さんへの批評

インタビューやTwitterでの暗さ、自虐が気になる。相当朝倉さんを知っている人が見ればキャラとして受け入れられるが、ほとんどのライトユーザーは普通に見ていて不快だと思う。松本さんとは対照的に社会人としての基本的な部分があらゆる面で欠落しており、それによって受け手側との感じ方にズレが生じやすいように見受けられる。褒め言葉とするなら天才肌とも捉えられるかもしれないが、私だったら企業の名前を背負って戦ってもらう選手として彼を選びたいとは思えない。

 私は今の朝倉さんがパイレーツにとってそこまで重要な選手なのか正直分かりません。プロとしての姿勢も判断材料に加えるならば石橋さんよりも契約終了に近いんじゃないかと思っています。朝倉さんはアマチュア天鳳位であった経歴が最大の売りだと思いますし、打牌選択が特殊であることは成績は別として一つの魅力だというのは分かります。(とあるnoterの雀力ランキングでもそこそこ上位でした。)しかしアクティブなファンは実際どれくらいいるのかが分かりません。Twitterフォロー数は石橋さんと同じくらいです。天鳳や雀魂などネット麻雀が好きな固定ファンがいるように想像できますが、Mリーグ発足以降のMリーグがターゲットとしているような層のファンがどれくらいいるのかが疑問です。(平たく言うと、天鳳時代からの固定ファンが一定数いたとして、それって重要なことなのか?ということ)人気があると言えるのかがそもそも微妙ということに加えて、やはりエンタメ要素において不適合な部分が気になります。前述したTwitterでの発言のように、他者がどう思うか感覚を合わせることが根本的に苦手なところがあり、これによってTwitter上では数えきれないくらい炎上しています。前述の松ヶ瀬さんのインタビューじゃないですが、放送や配信の場で求められているようなこと(プロとして堂々としているとか明るく話すとか盛り上げるとか失言しないとかいわゆる基本的なこと)ができていないところが私は観ていてかなり気になります。

「裏ではいくらでも落ち込んでもいい。でもカメラの前では絶対に下を向くな。見てる人に心配させるな。機械でも訳の分からないフリーズするんだから、自分のミスを責めすぎるな」
試合前に萩原さんがかけてくれた言葉は今でも忘れられません。
(あの日のヒューマンエラー/おかぴ より引用)

 これの真逆を行っているのが朝倉さんというイメージです。しかしこういったことが出来なくても麻雀が強かったら「実力枠」として割り切って評価されると思います。勝又さんや松ヶ瀬さんはまさにそうで、成績不振になった時はクビを切られる覚悟が勿論あると思います。多井さんもあの強さがあるからこそ多少のイメージダウンを打ち消して多井隆晴というキャラクターを貫き通せられるのだと思います。私にとって朝倉さんはエンタメ枠で活躍してくれる選手ではないし、それよか企業にとってイメージダウンになるような言動の方が多いと思いますので、それでもたくさんptを持ち帰ってくれる「実力枠」でないと成り立たないように思います。しかし成績がそれに応えていません。

今年一番「は?」と思った朝倉さんのツイート

 話は大分ずれますが、数ある朝倉さんの失礼なツイート・メンヘラツイートの中から私が今期一番気になったツイートを発表します。

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