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3月終わる ㊶

珈琲が好きなのでカフェで何時間も過ごしてしまう。

でも、私は気を使う性質なので、珈琲1杯で何時間も粘ったりはしない。

一定の時間でお代りをしたり、食べ物を頼むから良い常連のはずだ。

クレームも言った記憶は無い、

多少迷惑な他の客がいたとしても、事を荒立てず我慢してやり過ごす。


その店は広く、流行っているのでいろいろな客が来た。

サークル活動らしき、かしましいグループや、

初老の女性同士が込み入った人間関係の話をしていたり、

そんなのはありふれた風景で、多少うるさくとも勉強や読書をしてればノイズとして聞き流して過ごせる。

だが、そんな私が驚くぐらい、物凄いスピードで喋る人を見た。

年齢は50代後半の男性で、聞き役は対面に座っている老人だった。

とにかく早口で、全盛期の古舘伊知郎、ツービートよりも早くて、うるさい。

例によって聞いてない風を装い、やり過ごしていたがモチロン丸聞こえである。

話題は宇宙開発について、UFOについて、宗教、国防、政治、歴史、芸能界と次々と目まぐるしく変わった。喋っているのは50代の方だけで、相手はただふむふむと頷いているだけであった。

早口で、落着き無く、油っ紙に火がついたようにぺらぺらと、喋りに喋って、40分くらいで2人とも帰ってしまった。

全部耳に入ったけれども、濃い話だった気もするが、印象に残る話は1つも無かった。

あれは一体何者だったか、検討もつかないけれども、

もしかすると、あれが躁病の人ではないだろうかと、勝手に思って、府に落ちる事にした。

いや、私は医師ではないので本当の事は分からない。


私自身は、躁でも鬱でもないと思う。1度医師の友達が、テストをやってみないかと言うのでやってみたが、その結果は軽い鬱の傾向だと言っていた。

でも、私は鬱の傾向があったとしてもぜんぜん気にしていない、

人間誰しも気分が上がったり、落ち込む事はあって当然だ、

そもそも世の中にはシリアスな問題がゴロゴロ転がってるのだから、マトモな人なら鬱気味になるのが正常な証拠だろうと思っているくらいだ。

しかし、そんな私も「躁」状態になってしまう事はある。

そんな時の方が却って危ない気がするのである。

雀聖 阿佐田哲也風に表現するなら、好調過ぎて自分のフォームを崩し、大失敗してしまうのである。

例えば10億円の宝くじに当たった人が、経済感覚が狂って、気が付いたら借金生活送っていたなんて例があるように、

躁状態はふわふわして危険なのである。

事実、私は商売をして大失敗した経験を持つが、

商売を始めた頃は、思い返すと躁状態が続いていたような記憶があるのだ。


こんな事書いてるのは、今、私が好調過ぎてフォームを崩しそうになっているからだ、最近の記事にある通り試験に合格し、新しいステップに移ろうとしているし、借金返済も順調でもう僅か、他にもラッキーだった事が続いた。

まずい、ふわふわしそうである。

何気なく、

何気ないふりをして、

じっとやり過ごさなくては……

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