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1つだけ ㊺

よくある定番の質問で、

「もしも、無人島へ行くとして、持って行けるものを1つ選ぶなら何が良いですか?」

というのがある。

ここで重要なのは、その無人島には、本当に自分1人だけなのか?もしかして他にも人が存在するのかどうかではないだろうか?

映画やドラマで「無人島もの」はいろいろあるが、誰か他の人が多勢いるパターンもたくさんある。

それも面白いストーリーに発展するのは認めるし、私も好きだけれど、でもそれではダメなのだ。

他に誰かがいる時点でもう、無人島とは言えないと思うから、それは無し、本当に本当の1人暮しを想定して、

さて、1つ選ぶなら何だろう?

私なら、あんがい聖書かも知れないと思っている。私はクリスチャンではないし、ブッタが好きなのだが、聖書は単純に読み物として面白いと思うし、あの厚みが頼りがいがある。いろいろな読み方も出来るから飽きないだろう。

まあ、実用面から考えれば、良く切れるナイフというのも便利そうだし、ライターが1個あれば、それも少し捨て難いのだが。・・・

自然の豊かな島であれば、何とかサバイバル出来そうな自信はあるのだが。私は昆虫少年だったから、動植物の知識もある程度備わっており、自然豊かな環境で遊んでいた経験が役に立つ、何もなくとも道具を作り出したり、自然の物を利用できる。
何しろ私は1度財産を何もかも失って、最小限の道具を工夫して色んなモノに代用しながら、1つ1つ道具を買い足して来たのである。ちょっとしたサバイバル生活を現に送っていたのである。

しかし、ふと思った。
あの みうらじゅんだったら何を選ぶだろうかと。何故なら彼は物を捨てない男である。断捨離とは真逆の事をして、どんどん住家も倉庫も拡張していく生活を継続している変わったお方だ。彼なら何を選ぶのだろう?・・・
しかし、ほんの一瞬考えただけで、すぐに答えは出てしまった。

たぶん、ラブドールだろう。いつも隣にはべらせている、等身大の、若い女性の人形だ。

それは20万円くらいする(今はもっと高いかも?)ソフトビニール製の人形で、人形だもの、と言うより、もう、ほぼ人間だものと評して良い精巧な代物らしい。

これがあれば(いや、居ればか?)もう、無人島も寂しくない。


いや、冗談でなく。トム・ハンクス主演の映画『キャスト・アゥエイ』は、主人公が、飛行機事故により、たった1人で無人島生活を送る設定だが、

ここで主人公は、何とかサバイバルに成功するけれども、どうにもならないのが人恋しさなのだ。

寂しさのあまり、バレーボールに血で顔を描いて、名前を付けて話しをして、必死に孤独を紛らわそうとするのである。


だから、ラブドールはぜんぜん有りの選択肢である。

聖書と、ナイフと、ラブドール……

うーん、

ラブドールだよな、やっぱし。


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