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留美衣(ルビー)と藤山寛美 ㉜

ルビー星野アイの娘にして、前世の記憶を持って生まれた転生者

『推しの子』は転生者の物語でもあるのだ。
前世の名は天童寺さりな。「退形成性星細胞腫」という難病で12歳という若さでこの世を去る。

病弱で日常生活もままならないさりなは、自分の想いの全てをアイドル星野アイに捧げていた。全身全霊で推していたのである。

そのせいか、気が付くとアイの子供に転生していたのだ。でも、どうして転生などという事が起こるのか?或いは、転生自体はあり得るのかも知れないが、問題はどうして前世の記憶を保持出来ているのか?である。

それは、この作品の1つのテーマなので今後解決されるであろう。

この世で一番大好きな人の娘として生まれ、極楽浄土の生活を味わうルビーだが、その母を殺されるという、ショッキングな事件に遭遇してしまう。

一時は失意のどん底を味わうが、前世では失われていた、動ける身体と類まれなる美貌を持つ彼女は母と同じアイドルを目指すことを決意する。

アイは天性のアイドル(嘘吐き)だったが、ルビーは幸せな家庭環境に育ったせいか、根が明るい。天真爛漫、ピュアな心でアイドルを目指している。
本来、アイドルを目指している人はこの類型が多いのではないかと思うのだが、・・・・・・

実は私は『推しの子』を全部読んでいないのである。アニメの11話を見たところだ。ネットでルビーを検索すると「ルビー闇落ち」という項目が必ずヒットしてしまう。詳細は触れないが、どうやらそのような展開が待っているらしい。
なにか超常現象的な展開もあり得るのかも知れない。


さりながアイを推していた程には負けるが、私も藤山寛美が好きだった。1990年に寛美が亡くなり、私は衝撃を受け、泣いた。亡くなるその年、私は京都南座で寛美と直美の親子共演を見ていたのである、信じられなかった。

その翌年、

その頃私は南紀の海がすっかり気に入っていて、お盆休みはよく南紀で遊んでいた。白浜とか新鹿とかあの辺りの海は美しく、北国育ちで暗い海しか知らなかった私には外国のリゾート地のように思えたのだ。

その頃の私はラジオを携帯していたが、新宮の宿でラジオを聞いていたら、3夜連続で藤山寛美の芸談を放送するという。お盆だし、関西で藤山寛美と言えば巨星であるから、それは当然といえば当然の事ではあったのだが・・・

もちろん、私は狂喜し、昼は南紀の海を楽しみ、夜はラジオに聴き入った。

しかし、休みの最終日なんだか海にも飽きて(南紀は3回目くらいだったし)東京に帰る前に何故だか京都に寄りたくなったのだ。

京都はいつ行っても良いところである。私の関西圏の旅は京都を起点にしていたので、そのような気になる事もあったのだ。

京都に着いて、別に何処へ行く当てもなく、でたらめにウロウロしていたら、ある寺の門に看板が出ていた。

「お盆特別講演 藤山寛美と私 講師 藤山直美」

とあるではないか!!!!

あまりの偶然に吃驚したが、入場料無料とあり、始まるまさに直前に私はその寺の前に立ったいたのである。

何かの導きであるとしか、私には思えなかった。



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