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愛と平和 ㉘

「ラブ&ピース」は、ベトナム戦争反対のスローガンであった。

それだけ聞くと反対しようがないスローガンで、今はそのことがすっかり忘れ去られている。

何か本当に運動されている人が目の前にいるなら、エールの1つも送るべきだが、何もしてない人が言うのはどんなものなんだろう?

ただ「戦争反対!」って、言ったところで反論しようもないのと同じなのだが、

重要なのはそこじゃない。

「ラブ&ピース」と言えば、広めたのは60年代のヒッピー文化で、

当時アメリカはベトナム戦争を行っており、18歳以上の若者たちは徴兵義務を負わされていた、

黙っていたら自分たちが死ぬかも知れないし、誰かを殺さなければならない。

「ラブ&ピース」は、ベトナム戦争のカウンターカルチャーだったと言って良いだろう。

彼らには闘う理由があったし、人生がかかった戦いだった。

しかし、ヒッピー文化と言っても、素晴らしいものもあれば、仇花みたいなものもある。

それが日本に伝わった時、徴兵義務のない、軽薄な若者たちは派手なファッションや、フリーセックスや薬物だけに手を伸ばして、

ポーズやファッションだけ真似して「ラブ&ピース」言ってれば世間に通用するんだ、みたいな人もいた。

でも、そりゃ違いますでしょう。

実際、その頃そんな風潮が巷には溢れていたらしい。

ちなみに、そういう風潮を嘆き、軽薄な似非ヒッピー文化に更なるカウンターカルチャーとして生まれたのが、梶原一騎に代表されるスポ根マンガなのである。

あの、やたら「根性、根性」と言ってたのはカエルではなく元祖は星飛雄馬さんだったのである。

これまた、新しい若者の価値観としてある程度定着した。

と、いうか、私の世代はモロ影響を受けてしまった。あまりの行き過ぎた根性論は少し経つとギャグとしてもサンザン利用された。

高橋留美子はよく梶原一騎をギャグネタにしているが、私もよく友人たちとギャグとして楽しんだ。

ベトナム戦争が終結すると、ヒッピー文化もだんだん衰退した。

世の中そんなものだ。

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