宗教勧誘
今よりもさらに尻の青い頃、同年代の女性から、ファミレスに誘われました。
浅はかな私は単純に女性が好意を寄せていて、告白してくるものだと思ってました。
しかし、飲み物が来て少したつと女性は、いきなり仏教系の用語?みたいなモノの解説を始め、それらの教えがいかに素晴らしいか力説してくるではありませんか!
そう、ファミレスに私を誘ったのは新興宗教の勧誘のためでした。
気づいた私は、何とかして逃げ出したかったのですが、女性の目は食らい付いたターゲットを逃すまいと、鬼神のごとき力がこもってマジモノでした。
「これから道場に行きましょう!!」
女性は私の手を握って言いました。
スカッとなんとかなら、ここで本物?の仏教知識等を駆使して論破するのでしょうが、私はそこまで博識ではありません。
拘束されて二時間近く、私はヤケになって当時、愛読していた「復刻版 空手バカ一代」の作中に出てくるセリフで、意味不明な反論をしました。
(ここら辺は曖昧で、他の作品のセリフも混ざっていたかもしれません……)
「力無き正義は無料なり、正義無き力は暴力なり!」
「弟子はまず、師の悪いところから学ぶという」
「神仏は尊ぶが、願いや頼りにはせず」
「空手で鍛えた体です!」
唐突に話の噛み合わない反論を受けて、勧誘女性は呆気に取られた後、からかわれていると思ったのか私を一睨みして、席を立ちって去って行きました。
会計はしっかりこちら持ちでしたが、とりあえず危機は逃れました。
帰り道、空手の偉大さをかみしめながら習おうかな、と一瞬だけ思いましたが止めました。
すみません、オチはありません……。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?