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キイチゴ森の仲間たち

キイチゴ森の仲良し4人組。

かわいい帽子がトレードマークのピッキー。
帽子からピンとのびた耳2つ、とっても似合ってる。
おいしいものやお花など自分の大好きなものを並べて、お店を営んでる。

物知りのレイモンド。
斜め掛けのバッグには、いつも読みかけの本が入ってるのさ。

おしゃれなペリーノ。
今日は紫のジャケットに蝶ネクタイで素敵に決めてる。

手先が器用なモーリス。
葉っぱで作ったレイを首からぶら下げ、手には小枝で作ったおもちゃを持ってる。

今日もピッキーのお店に集まって楽しげな4人なのです。

「昨日、郵便屋のブイナが言ってた。お隣のリンゴ森のりんごが食べ頃だって。美味しかったって!」
と、ピッキーが言いました。
「この森の木いちごもそりゃあ美味しいけど、りんごも食べたい!」
と、モーリスが言いました。
「お隣なんだから近いんだろう?」
と、ペリーノが言いました。
「ん〜歩いて30分くらいかなー」
と、レイモンドが言いました。
「今日は店じまいだ、みんなでりんごを食べに行こう!」
「わーい!!」

リンゴ森には、それはそれは美味しそうなリンゴがたくさん実っていました。
「よーし食べるぞーーー!」
みんなでたらふく食べました。
「もう食べれない」
「美味しかったね〜」

そこへくまの親子が通りがかりました。
「お母さん、僕キイチゴ森の木いちごが食べたいな。」
「キイチゴ森には行ってはいけません。」
「どうして?」
「あの森に住んてる者たちは、みんなとても意地悪なのよ。行ってもいいことなんてないわ。」
「そうなの?」
そんな会話をしながら通り過ぎていきました。

「僕たち意地悪じゃないし、意地悪な者なんていないよ。」
と、モーリスが言いました。
「もしかすると………昔の出来事を恨んでいる者たちがまだいるのかもしれないな。」
と、レイモンドが言いました。
「昔の出来事ってなぁに?」
と、ピッキーが言いました。
「おじいちゃんに聞いた話しさ。おじいちゃんがすごく若い頃にキイチゴ森とリンゴ森に争いが起きたらしい。最初は少人数の喧嘩が、いつの間にか森と森との争いになって………最後は長老同士の話し合いで仲直りしたけど、どちらの森にもまだ恨んでいる者たちはいるって。」
と、レイモンドが言いました。
「そんなことがあったのか………」
と、ペリーノが言いました。

それからしばらく経ちました。
今日もいつものようにピッキーのお店には、みんな集まっています。
お店の前を泣きながら歩いているコグマが通り過ぎました。
「あのコグマ、リンゴ森で会ったコグマじゃないかな。」
と、ピッキーが言いました。
「そうだね、泣いてたよ。」
と、モーリスが言いました。
「追いかけよう!」
と、レイモンド。
「君〜、どうして泣いてるの?」
「転んで足が痛いの。」
「怪我してる。うちの店に連れていこう!」
ペリーノがコグマをおんぶして、お店まで連れてきました。
ピッキーが怪我の手当てをしました。
「よし、もう大丈夫(๑•̀ㅂ•́)و✧君、キイチゴは食べたの?」
「僕の名前はマリノ。まだ食べてないの。うまく見つけられなくて………」
「その足で探すのは無理だ。僕が取ってくる。」
そういうと、すごい早さでペリーノが出ていきました。
「今日僕が作ったトロッコのおもちゃ、マリノにあげる!!」
と、モーリスが言いました。
「うわーーーすごいかっこいい!嬉しいな~!!ありがとう!」
「照れるな~僕も嬉しい!」
マリノはリンゴ森から1人で来たこと、ピッキーたちがリンゴ森でマリノを見かけたこと、そしてまた会えたこと、すごい偶然にみんな嬉しくなりました。
そこへペリーノがカゴいっぱいの木いちごを摘んで帰ってきました。
「キイチゴ森の木いちごは最高さ!たっぷりお食べよ!」
「うわーーーありがとう!!モグモグ………うん、とても美味しいーーー!」

「マリノ」
そこへお母さんぐまが現れました。
「お母さん!キイチゴ森のキイチゴはすごく美味しいよ!それから、みんなとっても優しいよ!」
「そうね、お母さんが間違っていたわ。私の親からキイチゴ森の者たちにひどいことをされた話ばかり聞いていたから………。昔のことは昔のこと、いつまでも恨んでいても前には進めないし楽しくないわよね。大事なことはもう2度と争いを起こさないことだと思う。私、みんなのこと誤解してたわ。ごめんなさい。そしてマリノにとても親切にしてくれて、どうもありがとう。」
「テヘヘへへ。」
と、ペリーノとモーリスが笑いました。
「困った時はお互い様です!」
と、レイモンドが言いました。
「マリノ、またいつまでも遊びにおいで。待ってるよ!」
と、ピッキーが言いました。
「ありがとう!また来るよ!」
嬉しそうに、くまの親子は帰って行きました。



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