ペンと毛糸
ここ2、3年の話なのだけれど、今ぐらいの「なんだか肌寒くなってきたなぁ」という時期に始める、ちょっとした私的恒例行事がある。
それは、かぎ針を使って毛糸の靴下を編む事。
決して手芸が趣味というわけではなく、作るのは靴下だけ。そしてこの時期限定だ。正確には過去にスヌードや手袋(ミトン)なども編んだ事があるが、靴下以外は一回作っただけで満足だった。
かぎ針は100均で買ったものを使っている。毛糸も100均で自分の好きな色を2色選ぶ。爪先とかかと部分は色を変えるのだ。
部屋履き用に2足作り、それをグルグルとヘビーローテーションする。
そうすると、所詮100均の毛糸だからなのか、それとも私の編み方が甘いのか、ワンシーズン終わる頃には、かかとの辺りがだんだんと擦り切れてくる。
そうなったら、お役御免だ。
私が秋口にせっせと編んだ毛糸の靴下は、ひと冬限定の使い切り。もしかすると擦り切れた部分だけ修復が出来るのかも知れないが、それはしない。
なぜなら、私にとっては「編む」という行為そのものが一番の目的だからだ。(もちろん出来上がった靴下を履いて、足元が暖かくいられるのも嬉しい事だけれど)
ひと目、ひと目、無心になって編む。同じ動作を繰り返していると、大きくうねっていた気持ちが徐々に凪いでいく感じがする。そんな静謐な時間が心地良い。
ただ、うっかり集中し過ぎてしまうとすぐに編み終わってしまうので、そこは少し気を付けないといけないのだが。
同じく気持ちを整える習慣として、私が取り入れている事がもう一つある。
それは、ちょっとしたペン画でゼンタングルというものだ。
ゼンタングルとは、Zen(禅)とTangle(絡まる)を合わせた造語で、簡単な模様を繰り返し集中して描く事で、瞑想状態になれると言われている。
実際に描いてみると、本当に頭を空っぽにして、ただひたすらペンを走らせる事だけに没頭できる。
心のままに描いたものが、なんとなく作品ぽく仕上がるのも面白い。
複雑に見える模様も、図形と線を組み合わせるだけなので絵心は必要ない。そして、紙とペン一本あれば始められる気楽さもいいと思っている。
無心で手を動かす事は、私にとってとても良いストレス解消である。
ゼンタングルを始める際に、私が参考にした本はこちら。
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